【新米現場監督必見】建機・重機の基礎知識

【新米現場監督必見】建機・重機の基礎知識

建機・重機といった機械は、人力で行うよりも遥かに効率的に作業を行うことができ、現場では必須のものです。ダンプカーやショベルカーなど、工事用車両は普段からも道路を走っていると見ることもでき、知っている方も多いです。しかし、実際に現場監督として工事現場の確認を行う際には、これらの基礎知識を有している必要があります。車の名称を知っているだけではなく、その特徴なども知っておきましょう。


建機と重機の違い

一般的に、建機は建築に使われるもの全般、重機は土木工事に使われるもの全般を指します。ただ、明確な線引きはなく、建機のなかに重機も含まれていると考えて良いです。

・建機
建機は、建築機械のことで、建設工事に使われる機械のことを言います。大きさや機能も、その工事に適したものが開発されており、手持ちのものから、自走車両式、大型の固定式などがあります。

・重機
重機は、土木・建設工事に使われる機械で、ディーゼルエンジンで動くもので大型のものが多いです。自走する車両で、オペレーターが操作するものが一般的ですが、遠隔操作で操縦できるものも開発されています。

建機・重機は免許または特別講習が必要

建機・重機は、免許が必要になります。また、公道を運転するための免許(大型特殊免許、大型自動車免許、中型自動車免許など)と、現場で操作するための免許(建設機械施工技士、建設機械整備技能士など)がそれぞれ必要になります。

工事車両は、特に大型で扱いが運転だけではなく、操作が必要なものもあり、それぞれ必要な免許を取得していないと、危険です。工事現場は、危険が伴うものであり、工事車両も危険の1つです。

労働安全衛生法などで、建機・重機の運転は、免許だけでなく、教育を行うことも義務付けられています。機体質量が3t未満の車両系建設機械は、安全衛生のために特別な教育を事業者側で行う必要があります。このような特別講習を行ってくれる会社などもあります。
機体質量が3t以上の車両系建設機械の運転作業には、安全衛生法に基づく運転技能講習を終了する必要があります。

例)機体質量が3t以上の車両系建設機械
ドラグ・ショベル、ホイールローダ、ブルドーザー、スクレーパー、モータ・グレーダ、クラムシェル、パワーショベル、バケット掘削機など

ディーゼルエンジンとは

重機はディーゼルエンジンという印象が強いのではないでしょうか?ディーゼルエンジンとは、軽油を使用するエンジンのことで、ガソリンエンジンとは着火方式が違います。

ディーゼルエンジンのメリットは、
・燃料代が安い
・燃費が良い
・パワフル

ガソリンスタンドで軽油は非常に安く売られているのがわかると思います。また、熱エネルギー変換効率が高く、大きな回転力も取り出すことができるため、加速性能が高いです。重機は、重いものを運び、操作する必要があるため、ディーゼルエンジンが採用されています。

建機・重機の種類

大きな種類をご紹介します。実際には、その中でも、装備を変えたり、大きさが違うものなど様々なものが使われています。

・ブルドーザー
トラクターの前部分に、ブレードを取り付け、土砂をすくって運ぶ機械です。運転質量8tから100tという豊富な種類があります。整地作業や押土作業が得意です。装備を変えて、溝堀りやパイプ埋設といった作業にも活躍します。

・ホイールローダー
ブルドーザーのようですが、タイヤがついており、運搬作業に向いています。積み込みと運搬に主に使われます。運転質量3tから200tまで種類があります。装備によって、除雪作業や清掃作業も行うことができます。

・ダンプトラック
土砂を運ぶためのトラックで、運転質量35tから200t超えまでサイズが豊富です。土砂を運ぶために、多くの建設現場で使用されています。

・油圧ショベル
パワーショベルなどに代表されるもので、土砂の掘削や積み込みを行います。バケットが内向きなことが特徴です。サイズも小型から大型のものまであります。土木工事、建設工事、林業などでも装備を変えることで活躍します。

まとめ

建機・重機は、土木・建築工事には必要不可欠なものです。日本の重機メーカーは、海外からも人気で、中古重機が海外でよく売れています。また、広大な土地の作業を行うために、GPSを利用して、遠隔操作で複数台を同時に稼働させることもしています。

実際の工事現場で、現場監督は覚えることが多いですが、建機・重機の部位名称くらいは覚えておいた方が良いです。現場で問題があったときや、作業指示を出すために、名称を知っておくことで、作業員に適切に指示を出すことができます。

関連するキーワード


現場監督

関連する投稿


【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

建設業界の労働災害は、減少傾向にあるとはいえ他の産業と比べても多く発生しています。 また、工事現場で作業に従事する人は、労働災害にいたらないまでも「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりといった経験は少なからずあるでしょう。 このような、つい見過ごしてしまいがちな「ヒヤリハット」を認識し、危険の芽を摘み取ることが労働災害を防止するうえで重要になります。 そこで本記事では、建設業界の「ヒヤリハット」を認識することの重要性について、事例を交えながらご紹介したいと思います。


安全管理の具体的業務|現場監督の責任

安全管理の具体的業務|現場監督の責任

現場監督にとって、安全管理業務は最も重要な仕事です。危険が多い建設作業で、無事故で完工することを一番の目的にする必要があります。安全管理は具体的にどうやっているの?そもそも各自が安全管理をするだけではダメなのか、など現場監督の重要性と責任についてご紹介いたします。


【木造住宅】現場監督のチェックポイントまとめ

【木造住宅】現場監督のチェックポイントまとめ

現場監督はどの工程のどの部分に注意してチェックしているのでしょうか?この記事では、木造住宅における主な2種類の工法についてのチェックポイントについてご紹介いたします。2つの工法の管理項目を比較することで、現場監督がどのようなことに気をつけて管理をしているのかを知ることができます。


現場監督の「品質管理」とは?具体的業務内容をご紹介

現場監督の「品質管理」とは?具体的業務内容をご紹介

現場監督の品質管理業務とは? 現場監督の品質管理業務は、4つの管理業務の1つになります。現場監督の仕事と聞いて、一番に思いつくのが品質管理ではないでしょうか?現場監督がいなければ、工事がうまくいかない、職人が手抜きをしているかもしれない。このように品質を維持するために現場監督は不可欠です。 ・現場監督4つの管理業務 ・品質管理業務は、工事の記録をすること ・職人の管理について 上記3つについてご説明していきます。


現場監督はホワイトに働ける!?最強の業務効率化

現場監督はホワイトに働ける!?最強の業務効率化

現場監督は仕事量が圧倒的に多いです。しかも現場でできる仕事とPCを使わなければいけない仕事は、現場では基本できません。そのため隙間時間に他の業務を片付けるなどが中々できない場面も多いです。しかし、現場監督として残業をあまりせずにワークライフバランスを保っている方もいらっしゃいます。そこで最強の業務効率化はどうすれば良いのかについてご紹介いたします。


最新の投稿


【体験談】住宅会社の事務職はツラいよ?良いところ辛いところ

【体験談】住宅会社の事務職はツラいよ?良いところ辛いところ

住宅会社の事務員として、実際に働いた感想としては、普通の会社の事務より辛かったです。住宅会社は建設業界であり、建設業の仕事は非常に専門的で、なかなか難しいと言えます。ただ、事務員のスキルが高い女性は少なく、それでいて事務の求人は多いため、スキルを身につければ職に困らないとも言えます。体験した内容から少しでも皆様の参考になれば幸いです。


住宅会社における事務職の種類(総合・技術・営業)

住宅会社における事務職の種類(総合・技術・営業)

事務職はどの会社でも必要な業務を担う重要な仕事です。事務がいることで他の実務が円滑に進みます。住宅会社での事務は、実は様々な業務があります。住宅工事がとても複雑であるだけでなく、営業、施工外注、不動産など様々な業者、お客様とやりとりをするため、連絡だけでも煩雑になります。住宅会社での事務はどのような仕事を行なっているのでしょうか?この記事では大きく3つに分けてご紹介いたします。


【おすすめ資格5選】住宅会社の事務員に役立つ資格はどれ?

【おすすめ資格5選】住宅会社の事務員に役立つ資格はどれ?

事務員が有能であれば、仕事も非常に捗ります。住宅会社の事務としてレベルアップを図りたいという方も多いと思います。しかしただ建築士の免許を取っても、設計士や施工管理技士になるわけではないため、あまり実務では必要とされないかもしれません。そこで、事務として取得してレベルアップになる資格についてご紹介いたします。


住宅設計士は現場を知らない!?迷惑な設計士にならない方法

住宅設計士は現場を知らない!?迷惑な設計士にならない方法

住宅設計士は、建築士の資格も持ち、住宅建築の専門家です。しかし、実態としては工事現場の状況や、具体的のどのように工事が進んでいくのかをほとんど理解していない設計士も多いです。設計士は設計が仕事であって、現場見学を何日も行ったり、積極的に現場にくる方というのは少ないです。現場は、現場監督や職人が管理するもので、設計士は行く必要がないと考えている人が多いです。ただ、このような設計士は一般的に現場では迷惑で嫌われます。このような嫌われる特徴、そうならないためにどのような仕事をすれば良いのかをご紹介いたします。


住宅設計士はこれを読め!おすすめ本6選

住宅設計士はこれを読め!おすすめ本6選

住宅設計士は常に新しい情報を取り入れつつ、歴史的建築物などの知識も豊富であることが提案力を身につけるために必要です。設計士として読んで良かった書籍を6つご紹介いたします!本を読む際に、実際に仕事でどのように活かせるのかを考えながら取り入れていきましょう。資格の勉強のようにただ覚えるのではなく、どのようにアウトプットするかが大事です。