現場監督の施主様対応|信頼される話し方

現場監督の施主様対応|信頼される話し方

現場監督は、現場を管理するだけでなく、施主様に対して対応することもあります。現場で管理をしている際に、施主様が見学に来られ、そこで挨拶をするのはもちろんですが、説明もしなければいけません。そこで、どのように説明をしたら良いのか、施主様に対してどのように接すれば、より信頼して任せてくれるのか、わからないといった方は多いのではないでしょうか?そこで、この記事では、工事に見学に来た施主様に対して、信頼される話し方についてご紹介いたします。住宅建設だけでなく、リフォームなどでも同じように対応できます。


施主様に工事内容の説明をするだけではダメなの?

工事現場の管理を行なっている現場監督は、施主様が見学に来た際に、工事内容の説明をします。しかし、その説明だけでは信頼されません。なぜでしょうか?

例えば、断熱材を施工している作業中に施主様がきた場合に、「ただいま、断熱材を施工しています。これでしっかりお家の冷暖房が効きますのでご安心ください。」と説明したとします。しかし、施主様はこの説明を聞いても、現場監督への信頼度は上がりません。工事の進捗の確認ができたと感じるだけです。どういうことかと言いますと、現場監督はただの説明してくれる人であり、特に印象に残らず、信頼もしません。施主様も、現場を見れば、何をやっているのかある程度わかりますし、その推測を裏付けてくれるという存在でしかありません。

つまり、現場監督は、施主様に工事内容の説明をするだけでは、信頼関係を築くことはできません。信頼関係を築くことができないと、クレームにつながることもあります。信頼関係を築くことができれば、施主様から質問が来たりすることで、不満点をあらかじめその場で解決することができます。何の関係性もない人に対して、施主様は思ったことを口にしません。不満を貯め込んで、最後にクレームとなってしまうのです。

「何に注意したか」で、施主様と信頼関係を築く

現場監督は、「何に注意をしたか」について施主様に説明するようにしましょう。例えば、断熱材の施工をしていた際に、「断熱材施工の工程になりますが、隙間があっては全く意味がないので、全ての箇所で適切に施工されているかチェックしていますので、ご安心ください。特に〇〇の部分は要注意なので、職人にも再度指示してありますのでご安心してください。」と説明します。

この説明の方が、前章での説明より、施主様は安心感を得ることができます。また、工事が適切に管理され、良い住宅になると感じることができます。現場監督と施主様の間にも信頼関係ができ、その後の工事もスムーズに進めることができます。

施主様にとって、現場監督が工事日程や工事内容を把握しているのは当たり前です。それらを説明されても当たり前に感じるだけです。また、現場監督は現場チェックが仕事で、それも当たり前ですが、何をチェックしているのかは施主様は全く知りません。そこで、このチェックしている内容が何かを説明するだけで、信頼は得られます。このような細かい気遣いが、施主様の満足度を左右します。

現場のミスがバレるのが怖くても、先に報告

現場監督をしていて、工事内容を細かく説明しないのは、「現場のミスがバレると面倒なことになる」と感じている方もいます。確かに、現場のミスを施主様に指摘されることは、あってはならないことです。しかし、現場監督からその現場のミスに気づき、施主様に報告することは全く問題ありません。施主様も、現場のミスを直そうとしているのに、それに対してクレームをつけるということは基本的にはしません。

つまり、一番マズイことは、施主様にミスを指摘されることであり、現場監督からミスを報告することは、仕事をしているということであり、本来あるべき行為です。現場でミスが1つも起きないということは、ほとんどあり得ないためです。全てを隠しながらの工事というのは、施主様もその雰囲気を感じます。誠意を持って対応いたしましょう。

報告する必要のないミスもある

また、すべてのミスを報告する必要もありません。例えば、会社内での連絡ミスで工事の不手際があった際に、それをそのまま施主様に報告すれば、「会社として正常に機能しているのか?」と不安にさせてしまうこともあります。

施主様に報告しても良い、問題のない、比較的早期に解決できるミスなどを報告するようにしましょう。

関連するキーワード


現場監督

関連する投稿


【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

建設業界の労働災害は、減少傾向にあるとはいえ他の産業と比べても多く発生しています。 また、工事現場で作業に従事する人は、労働災害にいたらないまでも「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりといった経験は少なからずあるでしょう。 このような、つい見過ごしてしまいがちな「ヒヤリハット」を認識し、危険の芽を摘み取ることが労働災害を防止するうえで重要になります。 そこで本記事では、建設業界の「ヒヤリハット」を認識することの重要性について、事例を交えながらご紹介したいと思います。


安全管理の具体的業務|現場監督の責任

安全管理の具体的業務|現場監督の責任

現場監督にとって、安全管理業務は最も重要な仕事です。危険が多い建設作業で、無事故で完工することを一番の目的にする必要があります。安全管理は具体的にどうやっているの?そもそも各自が安全管理をするだけではダメなのか、など現場監督の重要性と責任についてご紹介いたします。


【木造住宅】現場監督のチェックポイントまとめ

【木造住宅】現場監督のチェックポイントまとめ

現場監督はどの工程のどの部分に注意してチェックしているのでしょうか?この記事では、木造住宅における主な2種類の工法についてのチェックポイントについてご紹介いたします。2つの工法の管理項目を比較することで、現場監督がどのようなことに気をつけて管理をしているのかを知ることができます。


現場監督の「品質管理」とは?具体的業務内容をご紹介

現場監督の「品質管理」とは?具体的業務内容をご紹介

現場監督の品質管理業務とは? 現場監督の品質管理業務は、4つの管理業務の1つになります。現場監督の仕事と聞いて、一番に思いつくのが品質管理ではないでしょうか?現場監督がいなければ、工事がうまくいかない、職人が手抜きをしているかもしれない。このように品質を維持するために現場監督は不可欠です。 ・現場監督4つの管理業務 ・品質管理業務は、工事の記録をすること ・職人の管理について 上記3つについてご説明していきます。


現場監督はホワイトに働ける!?最強の業務効率化

現場監督はホワイトに働ける!?最強の業務効率化

現場監督は仕事量が圧倒的に多いです。しかも現場でできる仕事とPCを使わなければいけない仕事は、現場では基本できません。そのため隙間時間に他の業務を片付けるなどが中々できない場面も多いです。しかし、現場監督として残業をあまりせずにワークライフバランスを保っている方もいらっしゃいます。そこで最強の業務効率化はどうすれば良いのかについてご紹介いたします。


最新の投稿


施工管理は何歳までできる仕事?高齢者でも大丈夫?

施工管理は何歳までできる仕事?高齢者でも大丈夫?

建設業界の仕事は、「体力が必要で、高齢者にとってはきついのでは?」というイメージを持つ人もいるのではないでしょうか? 確かに、高齢化にともない筋力や視力の衰えなど身体機能の低下による影響が出てくることは、安全面で不安な部分が生じてくる可能性があります。 しかし一方で、業界の著しい高齢化に対応するべく、高齢者へ配慮された現場の環境づくりは徐々に進んでいます。 では、施工管理の仕事は何歳までできる仕事なのでしょうか?また高齢者でもできるのでしょうか? そこで本記事では、施工管理はいったい何歳までできる仕事で高齢者でも可能なのか、ご紹介したいと思います。


【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

建設業界の労働災害は、減少傾向にあるとはいえ他の産業と比べても多く発生しています。 また、工事現場で作業に従事する人は、労働災害にいたらないまでも「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりといった経験は少なからずあるでしょう。 このような、つい見過ごしてしまいがちな「ヒヤリハット」を認識し、危険の芽を摘み取ることが労働災害を防止するうえで重要になります。 そこで本記事では、建設業界の「ヒヤリハット」を認識することの重要性について、事例を交えながらご紹介したいと思います。


住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い

住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い

住宅を購入する際、多くの人が利用する住宅ローンですが、なかでも定番といえるのは「フラット35」になるでしょう。 「フラット35」の最大の特徴は「固定金利型」であることです。 「固定金利型」であることで、借り入れの時点で返済金額がわかり、また計画も立てやすくなります。 また、この他にも民間銀行が取り扱う住宅ローンとは異なる特徴があるため、知識として理解しておくとよいでしょう。 そこで本記事では、「フラット35」の特徴や銀行ローンとの違いについて徹底解説したいと思います。


【住宅建築の基礎知識】セメント、モルタル、コンクリートの違いとは?

【住宅建築の基礎知識】セメント、モルタル、コンクリートの違いとは?

住宅建築においては、非常に多くの建材が使われています。 なかでも「セメント」「モルタル」「コンクリート」については、必ず使用されるポピュラーな建材となります。 しかし、これらがどのような建材なのか、またそれぞれの違いがよくわからないという人もいるのではないでしょうか? そこで本記事では、「セメント」「モルタル」「コンクリート」について、それぞれの特徴の違いなどを徹底解説したいと思います。


安全管理の具体的業務|現場監督の責任

安全管理の具体的業務|現場監督の責任

現場監督にとって、安全管理業務は最も重要な仕事です。危険が多い建設作業で、無事故で完工することを一番の目的にする必要があります。安全管理は具体的にどうやっているの?そもそも各自が安全管理をするだけではダメなのか、など現場監督の重要性と責任についてご紹介いたします。