施主様に工事内容の説明をするだけではダメなの?
工事現場の管理を行なっている現場監督は、施主様が見学に来た際に、工事内容の説明をします。しかし、その説明だけでは信頼されません。なぜでしょうか?
例えば、断熱材を施工している作業中に施主様がきた場合に、「ただいま、断熱材を施工しています。これでしっかりお家の冷暖房が効きますのでご安心ください。」と説明したとします。しかし、施主様はこの説明を聞いても、現場監督への信頼度は上がりません。工事の進捗の確認ができたと感じるだけです。どういうことかと言いますと、現場監督はただの説明してくれる人であり、特に印象に残らず、信頼もしません。施主様も、現場を見れば、何をやっているのかある程度わかりますし、その推測を裏付けてくれるという存在でしかありません。
つまり、現場監督は、施主様に工事内容の説明をするだけでは、信頼関係を築くことはできません。信頼関係を築くことができないと、クレームにつながることもあります。信頼関係を築くことができれば、施主様から質問が来たりすることで、不満点をあらかじめその場で解決することができます。何の関係性もない人に対して、施主様は思ったことを口にしません。不満を貯め込んで、最後にクレームとなってしまうのです。
■「何に注意したか」で、施主様と信頼関係を築く
現場監督は、「何に注意をしたか」について施主様に説明するようにしましょう。例えば、断熱材の施工をしていた際に、「断熱材施工の工程になりますが、隙間があっては全く意味がないので、全ての箇所で適切に施工されているかチェックしていますので、ご安心ください。特に〇〇の部分は要注意なので、職人にも再度指示してありますのでご安心してください。」と説明します。
この説明の方が、前章での説明より、施主様は安心感を得ることができます。また、工事が適切に管理され、良い住宅になると感じることができます。現場監督と施主様の間にも信頼関係ができ、その後の工事もスムーズに進めることができます。
施主様にとって、現場監督が工事日程や工事内容を把握しているのは当たり前です。それらを説明されても当たり前に感じるだけです。また、現場監督は現場チェックが仕事で、それも当たり前ですが、何をチェックしているのかは施主様は全く知りません。そこで、このチェックしている内容が何かを説明するだけで、信頼は得られます。このような細かい気遣いが、施主様の満足度を左右します。
現場のミスがバレるのが怖くても、先に報告
現場監督をしていて、工事内容を細かく説明しないのは、「現場のミスがバレると面倒なことになる」と感じている方もいます。確かに、現場のミスを施主様に指摘されることは、あってはならないことです。しかし、現場監督からその現場のミスに気づき、施主様に報告することは全く問題ありません。施主様も、現場のミスを直そうとしているのに、それに対してクレームをつけるということは基本的にはしません。
つまり、一番マズイことは、施主様にミスを指摘されることであり、現場監督からミスを報告することは、仕事をしているということであり、本来あるべき行為です。現場でミスが1つも起きないということは、ほとんどあり得ないためです。全てを隠しながらの工事というのは、施主様もその雰囲気を感じます。誠意を持って対応いたしましょう。
■報告する必要のないミスもある
また、すべてのミスを報告する必要もありません。例えば、会社内での連絡ミスで工事の不手際があった際に、それをそのまま施主様に報告すれば、「会社として正常に機能しているのか?」と不安にさせてしまうこともあります。
施主様に報告しても良い、問題のない、比較的早期に解決できるミスなどを報告するようにしましょう。