ほぼ決まっていたのに住宅契約を逃すタイミング
営業をしていると、ほぼ契約することが決まっていたのに、急にお客様の都合で話がなくなってしまうということがあります。これは、様々な要因がありますが、その1つ1つを潰していくことで、できる営業になります。
特に多いのが、思っていたより予算がオーバーしてしまったという場合です。営業は、契約金額が高くなる方が都合が良いので、あまり気にしていない場合も多く、新人はお客様の要望通りに、お客様が予算をどんどん上げていくのを止めません。しかし、最終的にお客様も予想だにしない予算になってしまい、契約ができなくなってしまうのです。
■予算オーバー(敷地の問題)
予算をオーバーしてしまうのは、注文住宅を建てるお客様で、土地のことをあまり考えていない方です。土地を既に所有している場合は特に注意が必要です。また、営業もあまり知識がないと、建物の値段ばかりをお客様と、予算内に収めようとして、土地について全く考えていない場合も注意です。
土地は、地盤の状態によって、地盤改良を行う必要があり、耐震性に不安が残る住宅を建てることになってしまいます。敷地調査は、地盤調査まで行うことはほとんどありません。そのため、地盤改良工事などの費用を設計段階で見積もっていないために、最終的に設計も決まり、地盤調査を本格的に進めると、プラスで300万円も上乗せしなければならないということもあります。
予算がオーバーしてしまうと、お客様も住宅を建てることができません。そして、設計をしなおせば良い話なのですが、契約意思を失うことも多いです。それは、お客様の購買意欲が一番高まったところで、また設計をやり直すとなると、気に入った部分を削っていくことになるので、欲しい住宅ではなくなってしまうからです。また、営業から追加費用がかかる可能性があるということを、最初に教えてくれればよかったのにと、険悪な関係になることもあります。
以上のことから、土地の状況で、追加の地盤改良工事費用がかかるという事態は、予算オーバーを招き、お客様を不快な思いにさせてしまうということを覚えておきましょう。
敷地調査で地盤改良にかかる費用を適切に予想する
敷地調査を事前に行うことで、地盤の状況を把握し、工事にかかる費用を適切に予想することで、予算オーバーとなってしまう事態を回避することができます。
しかし、敷地調査にも種類があり、より正確に行うと費用がかかります。まずは種類をご紹介し、営業がお客様に提案する段階で費用をかけない敷地調査を行う場合に、どのような対応をすれば良いかをご紹介いたします。
■敷地調査の種類
・現地調査
不動産屋の社員や、工務店、住宅メーカーが家を立てる前に簡易的に行う調査のことを言います。目視でその土地の状況を確認、インターネット情報から調査をします。面している道路状況、景観、騒音、日当たりなどの全般的な内容を把握するためのものです。
・役所調査
役所調査により、その土地の法規制などを調査します。。用途地域の指定や、防火地域の指定などがされています。また、上下水道が整備されているか、道路状況などを細かくチェックします。
・測量調査
測量調査は、その土地の正確な大きさや形状、境界などを把握するために行います。登記されている情報は、正確ではないことが多いため、測量調査は重要です。
・地盤調査
地盤調査は、地盤の性質や強度を測るための特殊な装置を用いて行われます。そのため調査には比較的高額な費用がかかりますが、住宅を建設する上ではしなくてはならない重要なものです。
地盤調査まで行えば、その土地の地盤状況が正確に分かり、地盤改良に必要ない工事費などを把握できます。しかし、設計段階で契約を行っていない場合には、現地調査や役所調査までしか行わないことも多いです。そのため、現地調査の段階で、地盤改良が必要かどうかを周りの土地状況などからも予想しておく必要があります。
■営業サイドでできること
営業は、お客様に調査費用を出してもらい、設計前の段階から、その土地の地盤調査を行い、どの程度の地盤改良工事をしなければならないかを提案できれば一番良いです。しかし、まだ依頼する工務店などを決めていないお客様は、地盤調査の契約をすることをしないというのが当然の心理でしょう。
そこで、営業ができることは、事前の現地調査の段階でどの程度の地盤の強さかを予測し、お客様に地盤改良工事費用の目安をお伝えしておくことでしょう。ここでしっかりと、この地盤改良費用の目安を考えた上で設計し、契約まで持っていけば、予算オーバーになりません。
周りで住宅を建てた際に、地盤改良をどの程度必要としたのか、道路に亀裂はないか、その土地が前は田んぼであったか、高低差はないかなどのチェックを行いましょう。