住宅周辺環境チェックリスト
まずは、住宅の周辺環境についてもれなくチェックしましょう。基本的な事項からチェックすることで、その住宅について徐々に知っていきます。営業は、扱う商材について熟知しておくことが、売れるための第一歩です。
・交通環境
駅までの距離・時間(道が平坦か、車、自転車それぞれを利用した時)
公共交通機関の利便性
電車・バスの乗り継ぎ(主要駅までの電車の乗り継ぎも)
タクシーを呼びやすいか
道路の混雑状況
職場・学校までの所要時間
・生活利便性
スーパー・コンビニなどの距離
病院(土曜日もやっているところなど)
子育て環境(公園、幼保所など)
騒音などの問題がないか
・安全性
街灯の有無(昼と夜の違い)
治安
災害の被害を受けやすいか
以上が大まかなチェック項目です。基本的な事項ですが、これら全てを住宅ごとにまとめるのは、なかなか大変です。しかし、何千万円もの契約をしてくれるお客様のために、このくらいのことは調べて当然です。営業のプロとして、誰でもできることなので漏れなくチェックしましょう。
■周辺環境は現場に行って調査する
周辺環境は、地図やその土地勘があればある程度は調べることができます。しかし、現場に行かないとわからないことは、実は非常に多いです。そのため、周辺環境の調査は現場に赴くことをお勧めします。
例えば、駅までの距離は、実際に歩いてみないと体感時間が分かりません。駅まで少し遠くても、道が平坦であれば苦にならないかもしれませんし、自転車を使えば非常に便利であることもあります。途中にスーパーがあり、実は駅に近い反対側の住宅よりも、便利であるということもよくあります。
生活範囲内で、どのような導線で生活していくかを、間取りではなく、周辺環境でチェックして見ることは非常に重要です。お客様の生活リズムを想像しながら、車で移動しているだけでも意外な発見があるものです。
住宅という商材の特徴
ここで、住宅の商材について考え直しましょう。ここまで、周辺環境をチェックし、「やはり周辺が良くないと売れない」「調べたところで良いところは売れ、悪いところは売れない」と決めるける営業がいるからです。
そこで、住宅という商材の特徴は、「必ず住む場所(住宅)が必要」ということです。特定の顧客層に売る商品ではなく、住宅はほぼ全員に必要なものということです。例えばゲームを売ろうとしても、ゲームを買う人はゲームをする人だけです。しかし住宅は、ほぼ全員が必要としています。必要とされている状態から始まる営業は、本来は簡単なものであると意識しましょう。
■誰か1人でも欲しい人を探せば良い
住宅を買ってもらうためには、誰からみても欲しい家にする必要はありません。なぜなら、戸数が限られていますし、その1件を1人に買って貰えば良いだけだからです。誰もが欲しい家があったとしても、それは価格を上げて、富裕層に販売するという、だれか富裕層の方が1人買ってくれれば良いと考えて販売する方がうまくいきます。
■欲しい人を妄想し、買ってもらう
周辺環境が一見悪くみえ、なかなか売れそうな物件があったとします。そういった時は、欲しい人をまずは妄想しましょう。そして、その人に対して様々な提案を行い、妄想の中で買ってもらえるくらい準備をします。すると自ずと、同じようなお客様が見つかり、妄想で準備した提案を行えば契約になります。頭の中の都合の良いお客様に売るということができなければ、実際のお客様にも売れないということを覚えておきましょう。
A(駅-スーパー-家)、B(スーパー-駅-家)といった2つの立地条件の住宅があったとします。Aは駅まで徒歩20分、Bは駅まで徒歩8分だったとします。当然Bの住宅の方が500万円ほど価格が高く、間取りも狭いです。通勤時間を短縮しようと考えたお客様は、Bの住宅しか選択肢に入れていませんでした。しかし、Bはすでに契約交渉中のお客様がいて、タイミング悪く売れてしまいました。
そこでお客様は、他の住宅会社にも話を聞かないといけないと考えていた時、営業が、「実はAの方がBより住みやすいですよ?Bの方が移動時間も少なくなるかもしれません」と言ったのです。
Aは、スーパーが家から徒歩5分のところにあり、Bはスーパーまで家から20分かかるのです。つまり、スーパーに買い物に出かける時間も考慮すると、毎日の負担がBの方が大きくなっていたのです。
これに気づいたお客様は、Aの方が自分たちの生活リズムにあっており、住宅価格も安くなり、非常に満足できる契約になりました。
このように営業が周辺環境を徹底的に調べ、お客様の生活を考慮した提案をすることで、契約が遠のいていたお客様もクロージングできます。トップ営業はどのような可能性も常に考えているからこそ、常に売ることができるのです。