工事現場写真の撮り方・整理方法・カメラの選び方

工事現場写真の撮り方・整理方法・カメラの選び方

現場監督だけでなく、ときには営業も現場写真を撮ることがあります。現場写真は、工事現場の確認にとって一番重要です。たとえ目視で問題がないことを確認しても、それを他の人に証明しなければいけません。公共工事でも全ての工事には、写真撮影での記録の保持が求められます。しかし、写真の撮り方というものをしっかりと学ばずに、写真を撮ってしまっている方もいます。写真を撮ることが仕事となっている以上、写真の撮り方を学ぶことは必要で、実は注意しなければいけないポイントもあります。この記事では、現場写真の撮り方・整理方法・カメラの選び方までご紹介いたします。


現場写真とは

現場写真とは、工事現場の着工前から完成までの工程を記録するために撮影したものです。例えば、住宅現場であれば、着工前の土地状況から、地盤調査や地盤改良、基礎工事など完成まで各工程を撮影します。

これらの写真は、工事段階で、不備なく進んでいることを現場に来ていない人間でも、正確に確認することができます。また、建物完成後に不具合が発生した際に、これらの写真が工事に問題がないことを示す証拠にもなります。

公共工事では、撮影項目が指定されているものもあります。住宅工事でも、撮影項目は、お客様を安心させるだけでなく、保険機関に災害等で破損した場合も建築環境に不備がなかったことなどの証明として利用する場合もあります。このように、社内での工事確認だけでなく、対外的に示す資料となるため、現場写真は正確にわかりやすく撮影する必要があります。

現場用カメラの選び方

工事現場のカメラは、スマホの使用が多くなってきています。スマホは、画質が向上して、現場写真として問題ないです。また、写真の共有や管理が、スマホ1台でできるので、作業効率のアップにつながります。デジカメでは、一度データを他の機器に移してから整理する必要があるので、スマホを使ってしまうと、デジカメの使用が億劫になります。

しかし、デジカメも現場カメラとして役に立つこともあります。それは、現場環境が粉塵などで悪い時です。現場では、水を使用していたり、粉塵が舞っていたりして、スマホの故障を招きます。このような現場では、耐衝撃・防水・防塵機能のついた丈夫なデジカメを使用しましょう。

これらの機能がついていれば、保証もしっかりしているかを確認しましょう。現場で使用していて、万が一故障した際に保証が効くかを確認してから購入しましょう。スマホなどであれば、粉塵に対する保証などは基本的にはありません。コスト的にも多少高いデジカメでも、長期的に見ればお得です。

現場写真の撮り方・整理方法

現場写真は、ただ写真を撮ればいいという訳ではありません。写真の撮り方次第で、対外的に使用できない写真になってしまったり、どこの写真か後からわからなくなったり、非常にわかりにくい写真となってしまっていることもあります。では、どのようにして写真を撮り、どのように整理すれば良いでしょうか?

撮り方:水平垂直、引きとアップ

現場写真の撮り方は、対象物の水平と垂直を画角に合わせましょう。例えば、四角いものを撮る際には、その四角をカメラの画面に合わせる、もしくは斜めから撮る場合には垂直を合わせましょう。

簡単なことですが、実はできていない方が多いです。普段写真を撮る時、何に合わせているでしょうか?人物を撮ることが多く、人物が真っ直ぐに立っている写真を撮るのではないでしょうか?つまり、物を撮るということに慣れていない方が多く、水平と垂直を合わせるということを意識しないで撮影してしまっています。

また、対象物の引きとアップを撮りましょう。現場写真を撮る際に、トイレの工事を撮影すると、新米の現場監督は、トイレ自体の写真だけを撮ります。しかし、これでは現場状況が分からないのと、トイレがどのような向きで施工されているのかがわかりません。必ず、トイレの入り口も見える画角で撮影し、トイレ全体の写真、作業をしている水道管のアップといった順で写真を撮るようにしましょう。

整理方法:フォルダ分け、クラウド、アプリの使用

現場写真は、正しく整理しなければ、後からいつどこで撮影されたものなのかわからなくなってしまいます。基本的には、日付ごとに管理しましょう。場所ごとで整理する場合も、日付ごとに管理しましょう。

一番やってはいけないのが、工事箇所の写真ごとにまとめて、日付ごとに管理していないことです。工事は、徐々に進んでいき、完成後には、見えなくなる部分もあります。そのため、日付ごとに管理して、どのように工事が進んで行ったのかを確認することが重要です。リビングの工事だからといって、浴室の写真を集めて、日付がわからなくなると本末転倒です。

デジカメで撮った写真を整理する場合には、PCでフォルダ分けしましょう。スマホで撮った場合には、クラウドにアップロードし、フォルダ分けするのが良いです。出先でも整理することができるので効率的です。また、写真アプリを使用するのも良いです。フォルダ分けをする作業が省け、現場ごとに写真を撮れば、そのまま整理されます。

関連するキーワード


現場監督

関連する投稿


【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

建設業界の労働災害は、減少傾向にあるとはいえ他の産業と比べても多く発生しています。 また、工事現場で作業に従事する人は、労働災害にいたらないまでも「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりといった経験は少なからずあるでしょう。 このような、つい見過ごしてしまいがちな「ヒヤリハット」を認識し、危険の芽を摘み取ることが労働災害を防止するうえで重要になります。 そこで本記事では、建設業界の「ヒヤリハット」を認識することの重要性について、事例を交えながらご紹介したいと思います。


安全管理の具体的業務|現場監督の責任

安全管理の具体的業務|現場監督の責任

現場監督にとって、安全管理業務は最も重要な仕事です。危険が多い建設作業で、無事故で完工することを一番の目的にする必要があります。安全管理は具体的にどうやっているの?そもそも各自が安全管理をするだけではダメなのか、など現場監督の重要性と責任についてご紹介いたします。


【木造住宅】現場監督のチェックポイントまとめ

【木造住宅】現場監督のチェックポイントまとめ

現場監督はどの工程のどの部分に注意してチェックしているのでしょうか?この記事では、木造住宅における主な2種類の工法についてのチェックポイントについてご紹介いたします。2つの工法の管理項目を比較することで、現場監督がどのようなことに気をつけて管理をしているのかを知ることができます。


現場監督の「品質管理」とは?具体的業務内容をご紹介

現場監督の「品質管理」とは?具体的業務内容をご紹介

現場監督の品質管理業務とは? 現場監督の品質管理業務は、4つの管理業務の1つになります。現場監督の仕事と聞いて、一番に思いつくのが品質管理ではないでしょうか?現場監督がいなければ、工事がうまくいかない、職人が手抜きをしているかもしれない。このように品質を維持するために現場監督は不可欠です。 ・現場監督4つの管理業務 ・品質管理業務は、工事の記録をすること ・職人の管理について 上記3つについてご説明していきます。


現場監督はホワイトに働ける!?最強の業務効率化

現場監督はホワイトに働ける!?最強の業務効率化

現場監督は仕事量が圧倒的に多いです。しかも現場でできる仕事とPCを使わなければいけない仕事は、現場では基本できません。そのため隙間時間に他の業務を片付けるなどが中々できない場面も多いです。しかし、現場監督として残業をあまりせずにワークライフバランスを保っている方もいらっしゃいます。そこで最強の業務効率化はどうすれば良いのかについてご紹介いたします。


最新の投稿


施工管理は何歳までできる仕事?高齢者でも大丈夫?

施工管理は何歳までできる仕事?高齢者でも大丈夫?

建設業界の仕事は、「体力が必要で、高齢者にとってはきついのでは?」というイメージを持つ人もいるのではないでしょうか? 確かに、高齢化にともない筋力や視力の衰えなど身体機能の低下による影響が出てくることは、安全面で不安な部分が生じてくる可能性があります。 しかし一方で、業界の著しい高齢化に対応するべく、高齢者へ配慮された現場の環境づくりは徐々に進んでいます。 では、施工管理の仕事は何歳までできる仕事なのでしょうか?また高齢者でもできるのでしょうか? そこで本記事では、施工管理はいったい何歳までできる仕事で高齢者でも可能なのか、ご紹介したいと思います。


【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

建設業界の労働災害は、減少傾向にあるとはいえ他の産業と比べても多く発生しています。 また、工事現場で作業に従事する人は、労働災害にいたらないまでも「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりといった経験は少なからずあるでしょう。 このような、つい見過ごしてしまいがちな「ヒヤリハット」を認識し、危険の芽を摘み取ることが労働災害を防止するうえで重要になります。 そこで本記事では、建設業界の「ヒヤリハット」を認識することの重要性について、事例を交えながらご紹介したいと思います。


住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い

住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い

住宅を購入する際、多くの人が利用する住宅ローンですが、なかでも定番といえるのは「フラット35」になるでしょう。 「フラット35」の最大の特徴は「固定金利型」であることです。 「固定金利型」であることで、借り入れの時点で返済金額がわかり、また計画も立てやすくなります。 また、この他にも民間銀行が取り扱う住宅ローンとは異なる特徴があるため、知識として理解しておくとよいでしょう。 そこで本記事では、「フラット35」の特徴や銀行ローンとの違いについて徹底解説したいと思います。


【住宅建築の基礎知識】セメント、モルタル、コンクリートの違いとは?

【住宅建築の基礎知識】セメント、モルタル、コンクリートの違いとは?

住宅建築においては、非常に多くの建材が使われています。 なかでも「セメント」「モルタル」「コンクリート」については、必ず使用されるポピュラーな建材となります。 しかし、これらがどのような建材なのか、またそれぞれの違いがよくわからないという人もいるのではないでしょうか? そこで本記事では、「セメント」「モルタル」「コンクリート」について、それぞれの特徴の違いなどを徹底解説したいと思います。


安全管理の具体的業務|現場監督の責任

安全管理の具体的業務|現場監督の責任

現場監督にとって、安全管理業務は最も重要な仕事です。危険が多い建設作業で、無事故で完工することを一番の目的にする必要があります。安全管理は具体的にどうやっているの?そもそも各自が安全管理をするだけではダメなのか、など現場監督の重要性と責任についてご紹介いたします。