現場監督は、資格を取っても勉強を怠らないこと

現場監督は、資格を取っても勉強を怠らないこと

現場監督は、施工管理技士の資格を取るために勉強をするのが一般的です。しかし、資格をとってからも建築知識の更新を行うために、勉強を怠らないことが大切です。資格を取ったからと言って、全ての知識が入っているわけではないことと、全ての現場で対応できる知識というのは、完璧には身に付いていないためです。そうは言っても、勉強することが苦になっては続かないので、適度に楽しみながら勉強してみましょう。


現場監督は知識がいくらあっても足りない

現場監督という仕事は、建築知識があったからと言って、全てがうまくこなせるようになるわけではありません。建築士の資格を持っている者が、現場監督をしても、全く役に立たないということもあります。それだけ、現場というのは臨機応変に対応する必要が出てきます。

また、現場監督という仕事上、工事の進め方に沿って、関係各所と連携をとります。この工事の進め方は、会社ごとに違いますし、工事ごとにも違います。これらは慣例であったり、相手企業の意向などもあり、随時合わせる必要があります。そして、関係各所は会社ごとに違うのは当然ですが、これが非常に面倒です。新たに覚えて、下請け会社ごとにどのような特徴があり、誰が何の担当を行なっているのかを勉強する必要があります。

以上のように、知識だけでなく、工事を円滑に進めるために、さまざまな業務に付随する知識をつけていく必要があります。これに加えて、建築知識は非常に複雑で日々現場で確認し、新しいことも勉強していく必要があるため、勉強を怠ることはできません。
これだけの複雑な仕事を行なっている現場監督は、建築現場に必要不可欠であり、やりがいも多く、素晴らしい仕事の一つです。

マニュアルがない

現場監督の仕事は、マニュアルがありません。現場監督のマニュアル本を読んだとしても、会社ごとに違うため、抽象的な内容になってしまっています。そのため、現場で仕事の進め方を覚える必要があります。会社ごとに現場監督のマニュアルを作成している会社も少ないです。簡単なフローはあるかもしれませんが、どこの会社に連絡して、誰にスケジュールを通すのか、現場ごとにフローも意味をなさないこともあります。

つまり、決まった仕事をしているわけではなく、臨機応変に対応する必要があります。そしてこの臨機応変に仕事をするためには、正しい建築知識が役立ちます。このように、建築知識はあくまでも、仕事を進めていく上で、1つの指標となるものであり、仕事を教えてくれるものではありません。

知らないことを無くすアンテナを張ろう

仕事を進めていて、知らないことはないか、何か疑問に思うことはないかと、自問自答していくことが大切です。このような意識を持っていないと、全く予期せぬトラブルにあったり、知識と現場の状況が結びついていきません。

施工管理技士の資格を取ってから、その資格を取ったから、知識面では安心だということはありません。現場とその知識を結びつける必要があります。先輩や職人に聞いて、ときには作業を録画するなどして、不明点を無くしていきましょう。

資格を取ってから幅広い知識を付けるオススメ本

・「日経アーキテクチュア」
https://xtech.nikkei.com/media/NA/

建築の総合雑誌で、月に2回発行されています。一級建築士や、建設会社、行政などの建築業界に携わる人向けの雑誌です。意匠・構造・施工といった建築工事の内容だけでなく、社会・経済動向と交えて、経営についての情報も載っています。

現場監督としての仕事だけに目を向けていると、視野が狭まってしまいます。このような総合雑誌を読むことで、全体の流れや動向を把握でき、自分がどのような仕事を担い、何をなすべきかなど、自然と考えるようになる雑誌です。

・「建築知識」
https://www.xknowledge.co.jp/kenchi

建築現場で必要とされる知識について、わかりやすくまとめてある雑誌です。実務で困った時にも見返して役に立つ情報が掲載されており、現場監督には特にオススメです。設計者向けの情報もあるため、設計者がどのような意向で設計しているかなどを知ることもできるため、現場監督の仕事に大いに役立ちます。

・「月間建築技術」
http://www.k-gijutsu.co.jp/products/list.php?category_id=6

毎号、専門的な内容を掲載している建築専門誌です。特殊な環境での設計手法や、結露などの問題についてまとめていたりと、ニッチな欲しい情報が手に入る雑誌です。気になるタイトルのものがあったら、ぜひ購入して読んでみましょう。

関連するキーワード


現場監督

関連する投稿


【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

建設業界の労働災害は、減少傾向にあるとはいえ他の産業と比べても多く発生しています。 また、工事現場で作業に従事する人は、労働災害にいたらないまでも「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりといった経験は少なからずあるでしょう。 このような、つい見過ごしてしまいがちな「ヒヤリハット」を認識し、危険の芽を摘み取ることが労働災害を防止するうえで重要になります。 そこで本記事では、建設業界の「ヒヤリハット」を認識することの重要性について、事例を交えながらご紹介したいと思います。


安全管理の具体的業務|現場監督の責任

安全管理の具体的業務|現場監督の責任

現場監督にとって、安全管理業務は最も重要な仕事です。危険が多い建設作業で、無事故で完工することを一番の目的にする必要があります。安全管理は具体的にどうやっているの?そもそも各自が安全管理をするだけではダメなのか、など現場監督の重要性と責任についてご紹介いたします。


【木造住宅】現場監督のチェックポイントまとめ

【木造住宅】現場監督のチェックポイントまとめ

現場監督はどの工程のどの部分に注意してチェックしているのでしょうか?この記事では、木造住宅における主な2種類の工法についてのチェックポイントについてご紹介いたします。2つの工法の管理項目を比較することで、現場監督がどのようなことに気をつけて管理をしているのかを知ることができます。


現場監督の「品質管理」とは?具体的業務内容をご紹介

現場監督の「品質管理」とは?具体的業務内容をご紹介

現場監督の品質管理業務とは? 現場監督の品質管理業務は、4つの管理業務の1つになります。現場監督の仕事と聞いて、一番に思いつくのが品質管理ではないでしょうか?現場監督がいなければ、工事がうまくいかない、職人が手抜きをしているかもしれない。このように品質を維持するために現場監督は不可欠です。 ・現場監督4つの管理業務 ・品質管理業務は、工事の記録をすること ・職人の管理について 上記3つについてご説明していきます。


現場監督はホワイトに働ける!?最強の業務効率化

現場監督はホワイトに働ける!?最強の業務効率化

現場監督は仕事量が圧倒的に多いです。しかも現場でできる仕事とPCを使わなければいけない仕事は、現場では基本できません。そのため隙間時間に他の業務を片付けるなどが中々できない場面も多いです。しかし、現場監督として残業をあまりせずにワークライフバランスを保っている方もいらっしゃいます。そこで最強の業務効率化はどうすれば良いのかについてご紹介いたします。


最新の投稿


施工管理は何歳までできる仕事?高齢者でも大丈夫?

施工管理は何歳までできる仕事?高齢者でも大丈夫?

建設業界の仕事は、「体力が必要で、高齢者にとってはきついのでは?」というイメージを持つ人もいるのではないでしょうか? 確かに、高齢化にともない筋力や視力の衰えなど身体機能の低下による影響が出てくることは、安全面で不安な部分が生じてくる可能性があります。 しかし一方で、業界の著しい高齢化に対応するべく、高齢者へ配慮された現場の環境づくりは徐々に進んでいます。 では、施工管理の仕事は何歳までできる仕事なのでしょうか?また高齢者でもできるのでしょうか? そこで本記事では、施工管理はいったい何歳までできる仕事で高齢者でも可能なのか、ご紹介したいと思います。


【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

建設業界の労働災害は、減少傾向にあるとはいえ他の産業と比べても多く発生しています。 また、工事現場で作業に従事する人は、労働災害にいたらないまでも「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりといった経験は少なからずあるでしょう。 このような、つい見過ごしてしまいがちな「ヒヤリハット」を認識し、危険の芽を摘み取ることが労働災害を防止するうえで重要になります。 そこで本記事では、建設業界の「ヒヤリハット」を認識することの重要性について、事例を交えながらご紹介したいと思います。


住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い

住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い

住宅を購入する際、多くの人が利用する住宅ローンですが、なかでも定番といえるのは「フラット35」になるでしょう。 「フラット35」の最大の特徴は「固定金利型」であることです。 「固定金利型」であることで、借り入れの時点で返済金額がわかり、また計画も立てやすくなります。 また、この他にも民間銀行が取り扱う住宅ローンとは異なる特徴があるため、知識として理解しておくとよいでしょう。 そこで本記事では、「フラット35」の特徴や銀行ローンとの違いについて徹底解説したいと思います。


【住宅建築の基礎知識】セメント、モルタル、コンクリートの違いとは?

【住宅建築の基礎知識】セメント、モルタル、コンクリートの違いとは?

住宅建築においては、非常に多くの建材が使われています。 なかでも「セメント」「モルタル」「コンクリート」については、必ず使用されるポピュラーな建材となります。 しかし、これらがどのような建材なのか、またそれぞれの違いがよくわからないという人もいるのではないでしょうか? そこで本記事では、「セメント」「モルタル」「コンクリート」について、それぞれの特徴の違いなどを徹底解説したいと思います。


安全管理の具体的業務|現場監督の責任

安全管理の具体的業務|現場監督の責任

現場監督にとって、安全管理業務は最も重要な仕事です。危険が多い建設作業で、無事故で完工することを一番の目的にする必要があります。安全管理は具体的にどうやっているの?そもそも各自が安全管理をするだけではダメなのか、など現場監督の重要性と責任についてご紹介いたします。