施工管理の仕事は、男性が多いというイメージがあるかもしれません。
しかし近年では、建設業界の活性化を図るため女性でも活躍できる環境づくりが官民一体となって急速に進んでいます。
その取り組みの甲斐あって、施工管理を含め建設業界で働く女性は増加傾向にあります。
では住宅の施工管理は、女性でも実際にやっていけるのでしょうか?
結論として、十分やっていける仕事であり、また今後もますます増えていくことが予想されます。
そこで本記事では、施工管理の仕事は女性でも十分にやっていける理由について、詳しく解説していきたいと思います。
施工管理の仕事は女性でも十分にやっていける理由
施工管理は女性でも十分にやっていける仕事です。
その理由について、以下に解説していきたいと思います。
■施工管理の基本的な業務は体力を必要としない
施工管理の基本的な業務は以下の4つです。
- 工程管理
- 安全管理
- 品質管理
- 原価管理
これらの業務は、体力が備わっていないとできないわけではありません。
工程管理は、工期が遅れないよう、工事の進捗を見ながらスケジュール調整や材料手配を行います。
安全管理は、工事現場に潜むあらゆる危険な場所や行為を排除し、事故が起こらないよう安全な環境づくりを図ります。
品質管理は、設計図面通りの品質が確保できているかチェックする業務です。
原価管理は、予算をオーバーしないよう、そして適正な利益が確保できるよう、人件費や材料費など原価の管理を行います。
以上のように、業務によっては現場を巡回してきめ細かくチェックする必要はありますが、基本的に身体を酷使するような作業はともないません。
むしろ、住宅の施工管理は複数現場を同時に管理する必要があることから、できる限りの無駄を省くなど、どれだけ効率化を図れるかということがポイントになるでしょう。
■施工管理に求められる適性に性別は関係ない
施工管理者として求められる適性が備わっていれば、性別は関係ありません。
また適性は、業務を通じて身につけていくことも可能であり、まずはチャレンジしてみることもひとつの方法です。
施工管理に求められる適性とは、例えば以下のようなことが挙げられます。
- コミュニケーション能力がある
- 統率力がある
- 向上心がある
- 協調性がある
- スケジュール管理ができる
- リスク管理ができる
- 健康管理ができる
- ものづくりが好き
■急速に労働環境の整備が進んでいる
建設業界は慢性的な人手不足にあり、男女問わず有能な労働力の確保は急務です。
もちろん施工管理も同様に不足しているため、未経験者であっても採用後に必要な人材へと教育するといった会社も多くあります。
またこれまでは3K(きつい、きたない、危険)といわれていた職種ですが、国としても抜本的な改善に向けて具体的な取り組みが進められています。
とくに女性ための労働環境整備について、その傾向は顕著です。
直近では、令和2年に国土交通省によって「女性の定着促進に向けた建設産業行動計画」が策定されました。
この計画は、建設産業で働くすべての女性が「働きがい」と「働きやすさ」の両立により就業継続を実現することを目的としています。
また計画の柱として以下の3つを掲げています。
- 働きつづけられるための環境整備を進める
- 女性に選ばれる建設産業を目指す
- 設産業で働く女性を応援する取組を全国に根付かせる
これらは、それぞれに数値目標と取り組み内容を設定しています。
おもな取り組み内容を簡単にご紹介いたします。
- 工事現場に快適トイレや更衣室などの導入を促進する
- 復職時のサポート体制を確立する
- 女性定着に関する企業への理解を促進する
各地域で女性技術者、技能者の育成を推進する
以上のことから、男女の性別に関係なく働きやすい環境づくりが進み、今後も女性の積極的な採用が期待できるでしょう。
建設産業・不動産業:建設産業における女性の定着促進に向けた取組について - 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk1_000088.html国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載しています。
まとめ
施工管理は女性でも十分にやっていける仕事であり、今後も活躍の場はどんどん広がっていくでしょう。
また「施工管理技士」などの資格を取得すれば、重要なポジションを任せられたり、また収入アップにつながったりする可能性は高くなります。
建設業界は、新築だけでなくリフォームやメンテナンスなどニーズが多岐にわたっていることから将来的にも安定した職業といえます。
女性だからと選択肢から外すのではなく、まずはチャレンジしてみるのもよいでしょう。
※この記事はリバイバル記事です。