現場監督の安全管理業務とは?
現場監督の安全管理業務は、4つの管理業務の1つになります。人命優先のため、工事が進むことよりも、まずは安全に作業を進めることを優先します。
・現場監督4つの管理業務
・安全管理は事故防止に最も重要
上記2つについてご説明していきます。
■現場監督4つの管理業務
現場監督の業務は、大きく4つに分けられます。
・安全管理
現場関係者の安全を図ります。工程ごとに高所作業や、危険な機械などを使用する場合、現場の安全ルールを遵守します。
・原価管理
工事原価の管理を行います。決められた予算の中で人件費、資材等の原価がオーバーしないように管理します。発注作業や現場トラブルにより急遽発生した費用を抑えて管理する必要があります。
・工程管理
工事スケジュールの構築を行います。天候や現場の軽微なトラブルにより工期にズレが生じた場合に、関係各所への連絡、業者の再配置などを行います。
・品質管理
工事品質の維持を図ります。設計通りに工事が進んでいるかの確認、建築基準法に則った作業を行なっているかの確認を行います。
このように4つの管理業務の中の1つが安全管理業務になります。そしてこの安全管理は、人命に関わる業務となっており、現場監督の業務としては最も重要な業務とされています。
■安全管理は事故防止に最も重要
安全管理を行うことで、まず事故の防止を行うことができます。高所作業や、重機を取り扱う建設作業では、危険が伴いますので、事故は非常に起きやすいです。事故は、建造物を破損させる可能性がある、施工不良にもつながるといった工事そのものへの影響もあります。
しかし一番重要なのは、作業者が怪我をしてしまわないようにすることです。人の命が一番優先されるべきものであるためです。また事故が起きれば工事も遅れ、発生原因の究明や、新たな安全対策も講じる必要があります。会社の信用も落とすことになってしまいます。
つまり、他の管理業務(原価管理、工程管理、品質管理)よりも重要な業務であることがわかると思います。現場監督は、この安全管理を徹底するために配置されていると言っても過言ではありません。
安全管理の具体的業務
安全管理は具体的にどのような業務を行なっているのでしょうか。安全に作業をするために、注意をして作業をするという曖昧なものではなく、具体的な安全管理を行います。
・6つの安全対策
・現場のルール遵守
これら2つに分けて、どのような安全管理を行なっているのかについてご紹介いたします。
■6つの安全対策
具体的な安全対策として、現場監督が行っている業務を6つに分けてご紹介いたします。
・機材点検
使用する機材、重機などの安全点検及び作業環境の確認
・作業方法の確認
普段とは違う作業をして、手抜きや雑になっていないかの確認
・作業員の健康チェック
顔色、体の動き、体温管理など、無理をして事故につながらないようにする
・作業環境の整理
整理整頓など作業環境が悪く、転倒などを引き起こさないようにする
・事故事例の共有
小さな事故でも、その要因と対策について共有し事故を未然に防ぐ
これらの業務を毎日の工事で行うことで、より安全に作業を行うことができます。1つ1つの確認を、どのような事故が起きるかを知っておくことで、徹底した確認ができるようになります。
例えば、具体的な事故を知っていないと、このくらいは大丈夫だろうと思ってしまうのが人間です。作業員の体調が悪く、ちょっとボーっとしただけで落下事故などにつながることもあります。
作業員、現場環境、機材など、現場にあるもの全てから、どのような事故につながる可能性があるのかの知識を持ち、それらを未然に防ぐためにはどのような確認・対処を行うべきかを熟知していることで、危険を回避できます。
これら安全対策を行う上で、現場監督は建築知識のみではなく、事故についての知識も蓄えておく必要があります。
■現場のルール遵守
現場では、安全に作業を行うためにいくつかのルールがあります。代表的なものをご紹介いたします。
・落下物事故の防止
落下する可能性のある作業では、下に人を配置してはいけない。もしくは通行止めにする。
・命綱の着用
高所作業では安全帯などを着用する。
・休憩時間の遵守
作業員が気づかないうちに疲労が溜まり、事故が起きるのを防止する。
現場には安全管理のためのルールがあります。現場監督が周知するのはもちろんですが、現場作業員も知っていないといけないことです。これらを知らずに作業をすることは恥ずかしいこととされています。
現場監督は、うっかり作業員がルールを破った行動をしていないか、新人の作業員がルールを知らないことはないかなど、常に注意を張り巡らせることが重要です。
※この記事はリバイバル記事です。