【まとめ】コンクリートについて詳しく解説

【まとめ】コンクリートについて詳しく解説

住宅関係者は、住宅の基礎施工において、コンクリートの施工現場などを見ることも多いと思います。コンクリートといっても、いざコンクリートとは何かを聞かれると、建築士の資格を持っていない方は答えられないのではないでしょうか。しかし、住宅関係の仕事についている以上、コンクリートは基礎中の基礎であり、知識としても知らないままではよくありません。この記事では、意外に細かいことまで知られていない、世の中に最もありふれた建築資材であるコンクリートについてわかりやすく詳しくご紹介いたします。


コンクリートの成分と性質

コンクリートは、セメント、骨材(砂、砂利など)、その他(混和材料など)で構成されています。セメントは、コンクリートとして骨材を固めます。

建築資材として、住宅、ビル・マンション、その他建築物、道路、ダム、橋梁、トンネル、港湾設備など、非常に広く使われています。性質として、圧縮力には強く、引張力には弱いです。その弱点を補うために、鉄筋がコンクリートの中にある鉄筋コンクリートとして使用されることが多いです。住宅の基礎なども鉄筋を張り巡らせてから、コンクリートを流し込んでいるのはこのためです。

セメントは、固まる役割

セメントは、ポルトランドセメント、混合セメント、特殊セメントの3つに大きく分かれます。普通ポルトランドセメントが、約70%以上使用されています。
混合セメントは、高炉スラグや天然シリカ、石炭の焼却灰などとポルトランドセメントを混合したものです。特殊セメントは、アルミナを混ぜたものなどがあります。

ポルトランドセメントは、クリンカと石膏を混ぜたものです。クリンカは、石灰石と粘土を混ぜて焼いたもののことで、この成分が水と反応することで硬化します。

骨材は、強度を上げ、低コストを可能にする

コンクリートには、セメントと骨材が入っています。セメントと砂を混ぜたものは、モルタルと言われ、大きな砂利が入っているものがコンクリートです。

単純に考えると、セメント、モルタル、コンクリートと順番に不純物(砂、砂利)が含まれるようになり、強度も下がりそうですが、なぜコンクリートが構造資材として使われているのでしょうか。実は、一見すると骨材は不純物に見えますが、骨材があった方が強度が高いのです。

・骨材は、発熱を抑制
セメントは水と反応して固まりますが、その際に発熱反応を起こします。少量の反応では、そこまで発熱はありませんが、建築資材として大量のセメントを反応させると、内部の熱が100度を超えることもあります。つまり、セメントが外気に触れている部分と内部の温度差が激しくなり、ひび割れなどの不具合を生じます。

そこで、砂や砂利といった骨材は、セメント成分と反応することなく、その反応を緩やかにし、発熱を抑える効果があります。

・骨材の収縮抑制
骨材を入れることで、セメントの収縮を抑えることができます。セメントは水と反応し、固まる際、水分が蒸発することと、固まることにより体積が収縮します。収縮が激しいと、その部分でひび割れが起きることが多く、それを抑制するために骨材を入れています。骨材は、コンクリート中のセメント成分の割合を減らすことで、この収縮を抑えることができます。

・低コスト化
コンクリートの成分である、セメント、骨材では、セメントの方が高価になります。そのためセメントの割合を減らすことは、資材の価格自体を下げることになるため、骨材を入れています。骨材を入れることで、低コストかつ強度も上がるため、セメント、モルタル、コンクリートでは、コンクリートが建築資材として最も使用されています。

なぜコンクリートは固まるのか

コンクリートの固まる成分は、セメントですが、このセメントはなぜ固まるのでしょうか。よく乾燥したから固まると思っている方もいるのですが、実は、違います。
コンクリートは、水和反応によって固まります。ただし、非常に複雑な反応過程を経るため、それだけではないということを覚えておいてください。




※この記事はリバイバル記事です。

まず、セメントの成分と石膏が反応し、エトリンガイトというものが析出し、凝結します。その後、エトリンガイトが水和反応を起こし、モノサルフェート水和物が形成され、硬化していきます。

つまり、乾燥して固まっているのではないことがわかります。さまざまな成分が水と反応し、新たな成分が生成され、それら成分が個体であるためコンクリートとして固まります。

よくシャブコンといって、水を大量に入れたコンクリートは強度が低く、建築物として耐久性もなくなるため、問題になることがあります。コンクリートが乾燥して固まるのであれば、水を多く入れても問題ないだろうと考えてしまうかもしれません。水を多く入れたところで、乾燥すれば同じと考えてしまうからかもしれません。
しかし、コンクリートは複雑な水和反応により固まるということを知っていればどうでしょうか。水の割合が多いことで、この複雑な水和反応に変化が生じ、固まる成分が違うものになったり、割合が違うものになってしまうことは想像がつくと思います。水も重要なコンクリートの素材であり、固まった後に乾燥して無くなるものではないのです。




※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


住宅 資材

関連する投稿


働き方改革!施工管理者の残業を減らそう

働き方改革!施工管理者の残業を減らそう

働き方改革が進んでいますが、施工管理の慢性的な長時間労働は、まだ改善の余地があります。会社によっては、全く変わらない状況のところもあります。長時間労働は、労働者を疲弊させるだけでなく、業界としても人手をすり減らしていくことは、長期的にデメリットしかありません。ではなぜ、施工管理は残業時間が多くなってしまうのでしょうか?業務を効率化させる方法は、何か、なぜ浸透していないのかについてご紹介いたします。


外構の基本|種類・役割や注意点

外構の基本|種類・役割や注意点

戸建て住宅において、施主様が気にしていないことも多い外構ですが、住宅環境を考える上では非常に重要な要素です。外構について工務店などの施工会社が、その予算や、必要性について認識していなければ、お客様が住んでから困ってしまいます。この記事では、外構の基本的な知識から、その役割、特に注意しなければならない境界などについてご紹介いたします。外構工事だけでも数百万円とかかることもあるため、設計時には最初に伝えておくべきことでもあります。


入居後のクレームを減らす!新築住宅設計時のポイント

入居後のクレームを減らす!新築住宅設計時のポイント

ハウスメーカー、工務店の営業などは、引き渡し後にお客様からクレームがあったという方は多いのではないでしょうか?クレームとは言わなくても、お客様の認識が、イメージしていたものと異なっており、不満が残ってしまうということもよくあります。こういったトラブルの中でも、汚れや、メンテナンスが必要だと思わなかったという不満が多いです。新築時には、メンテナンスのことをあまり営業も話したがらないです。そして、営業も建築士も、メンテナンスのことはほとんど知らないということもあります。この記事では、入居後のクレームを減らすために知っておくべき、住宅設計時のポイントについてご紹介いたします。


住宅電気設備の基礎|分電盤、配線計画など

住宅電気設備の基礎|分電盤、配線計画など

住むために欠かせないライフラインの一つである電気ですが、どのように住宅に引き込まれているのかをご存知ない方も多いのではないでしょうか?住宅関係で働く方は、最低限の知識は持っておくようにしなければいけません。また、住宅設計において、配線計画も非常に重要です。生活スタイルや一般的な配線を知っておきましょう。営業などは、設計者に任せることになりますが、工事中などにも各担当者が知識を持っていれば防げるミスもあります。では、住宅電気設備の基礎についてご紹介いたします。


【大誤算!?】注文住宅の予算組み|営業・設計

【大誤算!?】注文住宅の予算組み|営業・設計

注文住宅は、新築建売住宅、中古戸建て住宅、マンションなどに比べて高くなる傾向にあります。予算を十分にとっているとお客様が考えていても、実際にはその予算では十分でないということもあります。打ち合わせの初期段階で、予算がどの程度どの部分にかかるのかを把握しておかないと、後で不足してしまい、妥協した家づくりをしなければならなくなってしまいます。営業や設計がお客様に対して、説明しなければならない点と、お客様が誤算してしまいがちな点についてご紹介いたします。


最新の投稿


働き方改革!施工管理者の残業を減らそう

働き方改革!施工管理者の残業を減らそう

働き方改革が進んでいますが、施工管理の慢性的な長時間労働は、まだ改善の余地があります。会社によっては、全く変わらない状況のところもあります。長時間労働は、労働者を疲弊させるだけでなく、業界としても人手をすり減らしていくことは、長期的にデメリットしかありません。ではなぜ、施工管理は残業時間が多くなってしまうのでしょうか?業務を効率化させる方法は、何か、なぜ浸透していないのかについてご紹介いたします。


外構の基本|種類・役割や注意点

外構の基本|種類・役割や注意点

戸建て住宅において、施主様が気にしていないことも多い外構ですが、住宅環境を考える上では非常に重要な要素です。外構について工務店などの施工会社が、その予算や、必要性について認識していなければ、お客様が住んでから困ってしまいます。この記事では、外構の基本的な知識から、その役割、特に注意しなければならない境界などについてご紹介いたします。外構工事だけでも数百万円とかかることもあるため、設計時には最初に伝えておくべきことでもあります。


工事現場で行う効果的な防寒対策とは?

工事現場で行う効果的な防寒対策とは?

冬季は、寒さの影響によって工事現場でのパフォーマンスが低下するとともに、この季節特有の労災事故が起こりやすくなります。 そのため、冬の工事現場は防寒対策が必須となるのはいうまでもありません。 しかし、ただ重ね着をすればよいというわけではなく、効果を十分に発揮させるにはコツがあります。 そこで本記事では、冬の工事現場の重要テーマである防寒対策について、そのコツをご紹介したいと思います。


入居後のクレームを減らす!新築住宅設計時のポイント

入居後のクレームを減らす!新築住宅設計時のポイント

ハウスメーカー、工務店の営業などは、引き渡し後にお客様からクレームがあったという方は多いのではないでしょうか?クレームとは言わなくても、お客様の認識が、イメージしていたものと異なっており、不満が残ってしまうということもよくあります。こういったトラブルの中でも、汚れや、メンテナンスが必要だと思わなかったという不満が多いです。新築時には、メンテナンスのことをあまり営業も話したがらないです。そして、営業も建築士も、メンテナンスのことはほとんど知らないということもあります。この記事では、入居後のクレームを減らすために知っておくべき、住宅設計時のポイントについてご紹介いたします。


水回りはオシャレで綺麗に!各設備のポイント

水回りはオシャレで綺麗に!各設備のポイント

在宅ワークを導入する会社も増え、自宅で生活する時間が長くなり、生活スタイルの変化が起きています。住宅へのニーズも変化してきており、水回りは特に生活で、頻繁に利用するものですので、注文住宅においてもこだわる方が多くなってきています。水回り設備には、どのようなものがあり、どのように設計することがお客様満足度を上げるために必要なのか、簡単にまとめてご紹介いたします。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 営業 利益 職人 資格 転職