お客様が相見積もりを取る理由は?住宅営業の考え方

お客様が相見積もりを取る理由は?住宅営業の考え方

お客様が相見積もりをとっていると、対応をすること自体が億劫になったり、相見積もりを取るならウチはやりません!と言う工務店もあります。お客様が相見積もりを取る心理は、失敗したくない、損したくないからですが、昔は相見積もりということはほとんどありませんでした。近年お客様が相見積もりを取るようになった理由や、営業が考えるべきことをご紹介いたします。


お客様が相見積もりを取る理由

お客様はなぜ相見積もりを取るのでしょうか?昔は、他の人に頼むというのは失礼という認識がありましたが、今ではいろいろなところに意見を聞くというのが浸透してきました。大きな理由は、悪徳業者が多くなってきたり、お医者さんもセカンドオビニオンなど他にも意見を聞くというのが当たり前になってきたからです。

このような考え方に変わってきた上で、以下のような3つの理由があります。
・知識がない
・同じ住宅なら安い方を(損したくない)
・人を見ていない(信頼しているようでしていない)

それではお客様が相見積もりを取る心理を一つずつご説明いたします。

住宅の知識がない

お客様は住宅、建設関係の専門知識を持っていません。そこで悪徳業者がいても何がおかしいのか気づくことができません。

そこで悪徳業者を避ける方法が相見積もりなのです。3社ほど相見積もりを取れば、3社全て悪徳業者ということはほとんどありませんから、リスク回避になります。しかしたまに相見積もりをとって、悪徳業者を選んでしまうお客様もいます。

このようなお客様には、正しい知識を提供して、悪徳業者を選ばないような話をしてあげると良いです。

同じ住宅なら安い方を(損したくない)

住宅にこだわりがない場合など、どこの工務店でも同じものなら、できるだけ安いところに頼みたいという心理です。ローコスト住宅や、建売住宅の購入を考えている方に多いです。

1900万円の住宅と2000万円の住宅を販売している会社があったとします。会社も違えば、間取りや住宅性能も少し違いますが、お客様はどこがどのように違くて、本当にその100万円に差があるのかはわかりません。そういった場合には、安い方を購入するのがお得に感じるため1900万円の住宅を選びます。

金額勝負になってしまうと、営業の説明もほとんど意味をなさなくなることがあります。無駄な時間を消費しないようにすることと、金額が負けていても契約を取ってくるトークを身につける必要があります。

人を見ていない(信頼しているようでしていない)

相見積もりを取るということは、断るということに対して、相手を不快にさせてしまうなどの感覚をあまり持っていない場合もあります。簡単に言うと、通販で選ぶような感覚です。住宅情報サイトなどは、ほとんど通販のように気軽に閲覧できる反面、このようなお客様が増えてきているのも事実です。

お客様は、どこの会社でもある程度しっかりやってくれるだろうという信頼をしている反面、ここの会社だから頼みたいという信頼はしていません。

しかし、何千万もする工事ですので、お客様、工務店とお互いに信頼しあって取引を行わないと後々トラブルになることもあります。

業者の相見積もりに対する対応

業者側も相見積もりに対して様々な対応を取ります。営業がいない小さな工務店などは、口コミなどで、冷たい対応をされたなどの低評価をつけられたりします。大体その理由が、お客様が相見積もりなどを取り、真剣な対応をしていないと業者が判断した場合です。

そこでなぜこのようなことが起こるのか、以下3つの業者の対応についてご紹介します。
・慣れている(変わらない対応)
・態度が悪くなる
・積極的に営業をかけてくる

慣れている(変わらない対応)

相見積もりを取られていることが当たり前で、営業である程度対処できるという会社に多いです。特に態度を変えずに、通常通りの打ち合わせを行い、相見積もり状況を把握しながらもお客様に対して、どうしますか?という中立的な対応をします。比較的業務に余裕のある会社で、このような対応をすることが多いです。

態度が悪くなる

相見積もりを取るならウチは工事しないよ?という業者もいます。小さい工務店などはこのようなところも多いです。理由は、打ち合わせを何回も行ったにも関わらず、他社に頼みますと言われると、その打ち合わせ時間に対してタダ働きになってしまい、仕事にならないからです。また、断りの連絡も入れずに、急に連絡を絶ってしまうお客様もいます。

このような対応をお客様に経験された工務店などは、相見積もりを取るなんておかしい!と考えています。このような失礼なお客様は断って当然と考えているところが多いです。

*相見積もりを取るならウチでやらないし、相見積もりを取らせない自信がある会社ですよという営業戦略を取っている会社も稀にあります。

積極的に営業をかけてくる

相見積もりに対して積極的に営業をかけてくる会社もあります。営業を主体にしている会社に多いです。理由は、相見積もりを取っていると言うことは、購入意思が固く、早く契約をする傾向にあるからです。

営業のとるべき対応

「お客様が相見積もりをとる理由を聞く」
「会社の相見積もりに対する対応を説明する」

この2つを行うべきです。このようにすれば、お客様の駆け引きをしようとしてくる態度を緩和し、業者側の精一杯お客様のために提案しますよという態度を伝えることができます。

変に相見積もりを取ることでお互いにうまくコミュニケーションを取れないことは、お客様にとっても業者にとっても不利益です。契約してから良い工事にするためにもこれらの確認を行うようにしましょう。



※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


住宅 営業

関連する投稿


【PC初心者】住宅事務の基礎スキルまとめ

【PC初心者】住宅事務の基礎スキルまとめ

住宅事務に転職しようと考えている方は、事務職としてどのようなスキルが必要かについて悩まれる方もいるかと思います。しかし特別なスキルを必要としている企業は少ないです。住宅事務に必要なスキルは、初歩的なPCスキルで十分です。住宅関係の専門知識や、住宅業界特有の仕事内容などは、働いてから簡単に身につくからです。ただし、PCスキルが全くない状態だと、仕事そのものが進まず、仕事とは関係ないPCの操作方法から教えなくてはいけません。せっかく人を雇ったのに、PC教室のような役割を会社がするわけにはいかないのです。この記事では、どの程度のPCスキルが一般的に必要とされているのかについてご紹介いたします。


住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界へ転職する場合、営業や施工管理、設計などいくつかの職種が選択肢となります。 そして、実際の工事を担当する「職人」もそのひとつです。 ものづくりにおいて、「職人」の存在は欠かせません。 住宅業界でも同様で、まったくなにもない「ゼロ」の状態から建物をつくれるのは、「職人」の技術があることで実現します。 しかし「職人」を職業にするとしてもメリットとデメリットがあるため、その両方を理解したうえで検討することが重要です。 そこで本記事では、住宅業界で「職人」として転職するメリットとデメリットについてご紹介したいと思います。


住宅業界のリペア業とは?資格は必要?

住宅業界のリペア業とは?資格は必要?

住宅の建築工事では着工から竣工まで多くの専門業者が携わりますが、そのひとつに「リペア業」があります。 「リペア業」とは、住宅の建築工事で使用する仕上げ材や家具、設備などについたキズを補修する業者のことをいい、「補修屋」と呼ばれることもあります。 比較的歴史の浅い技術ですが、住宅の建築工事では補修の工程が当たり前に設定されるなど、非常に注目の業種です。 では、「リペア業」の仕事は具体的にどのようなことを行うのでしょうか? また、「リペア業」の技術を習得し活躍するには資格が必要なのでしょうか? そこで本記事では、住宅業界で注目の「リペア業」とはどのような仕事なのか、そして活躍するために資格は必要なのかなど、詳しく解説したいと思います。


【クレーム対策】住宅基礎のクラックは施行不良なの!?

【クレーム対策】住宅基礎のクラックは施行不良なの!?

住宅業界、建築業界はクレーム産業と言われるほどクレームが多いです。クレームが怖くて業界から離れてしまった方や、業界に飛び込みにくいという方もいらっしゃるかもしれません。ただし、しっかりとした知識を身につけて、お客様対応を行なっていればそこまで大きいクレームになることは滅多にありません。そこで、住宅基礎のクラックは、住宅の基盤でもあり、お客様を不安にさせるものです。しかし、実際には化粧モルタルのクラックであり、基礎にはクラックが入っていないことがほとんどです。そういった知識を簡単にわかりやすくまとめましたので、施主様、工事担当者ともに、正しい知識をつけ、クレームに対処しましょう。


コンクリートの品質って何?見た目ではわからない

コンクリートの品質って何?見た目ではわからない

住宅工事において、基礎はコンクリートがどの工法でもほとんど用いられています。そこで、誰しも住宅関係の仕事をしたことがある方は、聞いたことがあるのではないでしょうか?コンクリートにも品質があることを。コンクリートは見た目では、どれもコンクリートであり、それに違いがあるようには見えません。しかし、実際にはコンクリートというものは、材料を現場で混ぜ合わせ、それから固まっていくものです。材料やその配分が悪ければ、コンクリートの性能が全く違うものになります。見た目にはわからずとも、実際に試験を行うと、強度も低くなってしまっているのです。この記事では、コンクリートの品質についてわかりやすくご紹介いたします。


最新の投稿


【PC初心者】住宅事務の基礎スキルまとめ

【PC初心者】住宅事務の基礎スキルまとめ

住宅事務に転職しようと考えている方は、事務職としてどのようなスキルが必要かについて悩まれる方もいるかと思います。しかし特別なスキルを必要としている企業は少ないです。住宅事務に必要なスキルは、初歩的なPCスキルで十分です。住宅関係の専門知識や、住宅業界特有の仕事内容などは、働いてから簡単に身につくからです。ただし、PCスキルが全くない状態だと、仕事そのものが進まず、仕事とは関係ないPCの操作方法から教えなくてはいけません。せっかく人を雇ったのに、PC教室のような役割を会社がするわけにはいかないのです。この記事では、どの程度のPCスキルが一般的に必要とされているのかについてご紹介いたします。


住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界へ転職する場合、営業や施工管理、設計などいくつかの職種が選択肢となります。 そして、実際の工事を担当する「職人」もそのひとつです。 ものづくりにおいて、「職人」の存在は欠かせません。 住宅業界でも同様で、まったくなにもない「ゼロ」の状態から建物をつくれるのは、「職人」の技術があることで実現します。 しかし「職人」を職業にするとしてもメリットとデメリットがあるため、その両方を理解したうえで検討することが重要です。 そこで本記事では、住宅業界で「職人」として転職するメリットとデメリットについてご紹介したいと思います。


住宅業界のリペア業とは?資格は必要?

住宅業界のリペア業とは?資格は必要?

住宅の建築工事では着工から竣工まで多くの専門業者が携わりますが、そのひとつに「リペア業」があります。 「リペア業」とは、住宅の建築工事で使用する仕上げ材や家具、設備などについたキズを補修する業者のことをいい、「補修屋」と呼ばれることもあります。 比較的歴史の浅い技術ですが、住宅の建築工事では補修の工程が当たり前に設定されるなど、非常に注目の業種です。 では、「リペア業」の仕事は具体的にどのようなことを行うのでしょうか? また、「リペア業」の技術を習得し活躍するには資格が必要なのでしょうか? そこで本記事では、住宅業界で注目の「リペア業」とはどのような仕事なのか、そして活躍するために資格は必要なのかなど、詳しく解説したいと思います。


【建設業の転職活動】退職するときに返却するものとは?

【建設業の転職活動】退職するときに返却するものとは?

会社を退職するときには、さまざまな手続きを行わなければなりません。 また、退職後に必要となる書類などを受け取ることも重要ですが、同時に返却しなくてはならないものもあるため注意が必要です。 とくに建設業での返却物は多岐に渡るうえ、適切に返却されなければ場合によっては損害賠償の対象となる可能性もあります。 そうならないためにも、返却が必要なものは事前にチェックしておきましょう。 そこで本記事では、建設業の転職活動において、退職時に返却する必要があるのは具体的にどのようなものなのかご紹介したいと思います。


【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

現場監督は、あらゆる業務を行わなければなりませんが、「現地調査」もそのひとつです。 「現地調査」とは、工事が始まる前に実際の現場を確認する事前調査のことをいい、新築工事やリフォームなど、工事によって調査する内容は変わります。 また現場監督は、工事に取り掛かる前に施工計画を作成しますが、現地を確認しなければ実行性のある計画がつくれるとは限りません。 施工計画に不備があれば工事は混乱し工程に狂いが生じる恐れもあるため、「現地調査」は非常に重要なのです。 そこで本記事では、現場監督が行う「現地調査」について、おもに新築工事が始まる際に確認しておきたいことをご紹介いたします。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 知識 職人 資格