現場監督に必要な能力3つと、身につく能力3つ

現場監督に必要な能力3つと、身につく能力3つ

現場監督は資格がなくても転職できます。しかし、現場監督として自分がやっていけるのか?そもそもやってみたいけど、向いているのか?と不安の方もいらっしゃると思います。そこで、現場監督に必要な能力3についてご紹介します。また、現場監督を行うことで3つの能力が身に付きます。働いてからどのようなスキルが身に付いていくのかについてもご紹介していきます。


現場監督に必要な能力3つ

・指示を出す力
・スケジュール管理能力
・コミュニケーション能力

3つの能力が現場監督には主に必要とされます。現場監督業は、設計者、営業、施工業者複数、お客様と数多くの人と関わります。複数の人間からの情報を一つにまとめ、現場をスムーズに進行させるだけでなく、各トラブルにも対応することが必要とされます。

それでは、これら3つについてまずご紹介いたします。

指示を出す力

指示を施行業者に出しますが、その指示の仕方が上手くなければいけません。指示が曖昧であったり、指示の仕方によっては、職人がやらないということもあるのです。

そして決して職人に対して命令になってはいけません。「お金を払っている立場だから、黙ってなんでもいうことを聞け」と勘違いしている現場監督もたまにいます。極端な言い方ですが、お金を払っているからといって、奴隷のように扱ってはいけません。相手が気持ちよく働ける環境を作るのも現場監督の仕事です。

職人からはこの人に任せていれば、現場のことは大丈夫と安心して働いてもらえるようにしましょう。細かい部分の仕様について、現場監督が「多分これで良いです。」などと曖昧な返事ばかりをしていると信頼されません。

職人も真面目に仕事をしようとしています。その仕事の仕上がりが悪くなるようなことをしてはいけません。そういった意気込みや仕事に対する熱意を職人と共有することも大切です。

スケジュール管理能力

工事を進めるにあたり、様々な業者の発注管理を行うため、スケジュール管理能力が必要です。また、工事は最初に決めたスケジュール通りに進むことはないと言って良いでしょう。

何ヶ月もの工事の間に、雨や台風などの天候の都合上、工事に入れなかったり、職人の病欠、部材・設備等の不足などが起こることもあります。現場での急な手直しなどもあります。

当初組んでいたスケジュールからのずれに対して、うまく職人を配置し、それに合わせて発注業務をこなす必要があります。また、そのスケジュール変更等を全ての工事関係者に伝える必要があります。ここまで行うとスケジュール管理だけでかなりの時間と労力を費やします。

コミュニケーション能力

全ての仕事に必要かもしれませんが、現場監督は複雑なコミュニケーション能力を必要とします。設計者、営業、職人、お客様と全ての人に対して同じ態度で接するわけにはいきません。その場の状況に合わせて柔軟にやり取りを行います。

また、設計と営業に伝えるけれども、職人には伝えてはいけない。職人にまでは伝えても良いけど、お客様には伝えてはいけない。お客様に伝えるが、職人には伝えてはいけない。などの連絡事項もあります。例えば金銭面のことは、発注側のことはお客様に伝えてはいけませんし、住宅費用等については職人に伝えることは望ましくありません。

コミュニケーションという普段の会話能力というものプラス、業務上の連絡等のやり取りについて気を配る必要があります。

現場監督で身につく能力

・図面を読む力
・トラブル解決能力
・予算管理能力

現場監督として働いていると身につく能力になります。実務経験が長いほどそれぞれの能力も上がっていきます。それでは順番にご紹介いたします。

図面を読む力

図面は、設計図、立面図、平面図、施工図、と言って様々な図面があります。工事現場にあるのは、施工図になります。この施工図にも、躯体の施工図から電気配線の施工図までそれぞれの工事種ごとに存在します。

これらの図面を読み解き、それぞれの図面を組み合わせたときに起きる矛盾や、現場で整合性が取れないなどのトラブルを未然に防ぐ目が身に付きます。

勤務経験3年以上してやっとほとんどのトラブル事案に気づくようになります。ここまでの能力が身につけば現場監督として問題ないレベルと言えるでしょう。

トラブル解決能力

現場でトラブルは付き物です。トラブルが起きないようにすることも大事ですが、トラブルが発生した際にどのように対処するかも重要な能力です。

トラブルを解決してこその現場監督になります。新人の頃は、トラブルに対して、どうしようと不安や焦りが出てきますが、ベテランになればトラブルをどう処理するかを考え素早く動けるようになります。

トラブル解決方法を知り、それに対し素早く行動して解決に導く能力が身に付きます。

予算管理能力

1000万円の発注を管理することを難しくしているのは、その発注が多いからです。複数の施工業者、複数の資材、何十個もの発注を合わせて1000万円などになります。

工事途中で追加発注なども行うため、最終的に利益が確保できていなかったということになってはいけません。先も読み、無駄な発注をせず、利益も確保しながら進めていくため、予算管理能力が身に付きます。



※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


現場監督

関連する投稿


朝礼は必要ない!?建設工事における目的・確認事項

朝礼は必要ない!?建設工事における目的・確認事項

毎日工事現場では、朝礼が行われます。一般企業でも朝礼を実施している会社はありますが、朝礼は朝の始まりの慣例で、特になくても問題ないのでは?と考えている方も多いかもしれません。しかし、工事現場において朝礼は非常に重要なものです。安全管理や工事内容を再度確認することで、その日1日を問題なく進行させることができます。この記事では、朝礼の目的や内容についてご紹介いたします。


【簡単わかりやすい】戸建て住宅工事の検査まとめ

【簡単わかりやすい】戸建て住宅工事の検査まとめ

戸建住宅工事では、様々な検査が行われています。住宅は非常に高価な商品であり、不具合があったときに容易に交換ができないことや、欠陥により人の命に関わることもあるため、法令遵守の求められている基準が厳しいです。義務として行わなければならない基本的検査、義務ではないがより安心した検査となる任意的検査があります。これらについてわかりやすく簡単にご紹介いたします。


住宅の現場監督が雨の日にやっておきたいこと【5選】

住宅の現場監督が雨の日にやっておきたいこと【5選】

住宅の新築工事では、雨が降ると工事を止めなくてはならないケースがあります。 工事を止めなくてはならないケースとはおもに外部工事になりますが、内部の工事については、屋根や防水、その他雨仕舞が終われば天候に関係なく進められます。 また、雨が降って工事が止まったとしても基本的に現場監督は休みにはなりません。 できる仕事をやる必要があり、そして日頃から忙しい現場監督にとっては滞っている業務を大きく前に進めるチャンスでもあります。 そこで本記事では、雨が降って工事が止まったときにやっておきたいことについて、とくに重要な5つをご紹介したいと思います。


現場に労働基準監督署がやってきた!役割、現場監督の気持ち

現場に労働基準監督署がやってきた!役割、現場監督の気持ち

住宅業界だけでなく、建設業界では馴染みの深い(?)労働基準監督署についてご紹介いたします。労基(ろうき)と略して言われますが、今日は労基がくるぞ!などと会社としては身構える日になります。書類関係や現場をチェックされ、違反などがあれば是正勧告などの指導が入ります。違反が重大なもので、指導に従わない場合、行政処分もあります。現場監督は問題がないように書類関係の準備や現場を普段から安全管理等しっかりと行う必要があります。


【現場監督がよく使う建設用語】斫り(はつり)とはなに?

【現場監督がよく使う建設用語】斫り(はつり)とはなに?

住宅の新築工事において実際に施工を行うのは専門業者です。 しかし、場合によっては現場監督が行うケースもあり、例えば、きわめて小規模な「斫り(はつり)作業」もそのひとつとなります。 「斫り」は、工事現場でよく使用されるワードですが、いったいどのような作業のことをいうのでしょうか? そこで本記事では、現場監督がよく使う建設用語「斫り」について、具体的にどのような作業なのか解説したいと思います。


最新の投稿


【営業も知っておくべき】住宅購入に使える補助金まとめ

【営業も知っておくべき】住宅購入に使える補助金まとめ

住宅購入は費用も多くかかり、なかなか踏み切れない方も多いです。しかし、日本経済を潤すために住宅の売買については、国も様々な施策を行っています。そこで、お客様に補助金制度を勧めることで購買意欲を高めることができます。多くの制度があり、条件も細かく設定されているものもあります。お客様が調べても、購入する住宅がその制度の条件にあっているかなどがわからない場合もあります。営業はしっかりとそれぞれの制度について理解しておきましょう。


【かんたんまとめ】住宅購入にかかるお金の知識

【かんたんまとめ】住宅購入にかかるお金の知識

住宅購入には、建物の価格だけでなく、それらの手続きにかかる様々な諸費用がかかります。これらの費用についての知識を、営業が持っていなければ、お客様は契約してからこんなに予算を用意できないという事態になってしまいます。事前にお客様が手持ち資金の不足がないように、どの程度の金額が何にかかるのかについて説明できるようにしましょう。営業はお金の話をしっかりできてこそ、お客様から信頼され、契約に結びつきますので、しっかりと把握しておきましょう。


住宅を建てる際の土地についての基礎知識まとめ

住宅を建てる際の土地についての基礎知識まとめ

住宅を建てるには土地が必要です。土地は広さだけで、特に他に気にしたことは無い!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、実は土地一つとっても様々な知っておかなければならない知識があります。住宅関係の仕事をする以上、全て把握しておきましょう。土地の種類から、住宅を建てる上で注意しなければならない条件などについて、わかりやすくご紹介いたします。


住宅の構造とは?木造や鉄骨造などわかりやすくご紹介!

住宅の構造とは?木造や鉄骨造などわかりやすくご紹介!

住宅構造は、非常に多くの種類があり、専門家でないと複雑に感じるかもしれません。簡単に、木造や鉄骨造というものを勉強しても、ハウスメーカーによって様々な構法に各名称がつけられている場合もあります。この記事では、構造というものがどのようなものなのかについて簡単にご紹介し、それぞれの一般的な構法についてもご紹介いたします。


朝礼は必要ない!?建設工事における目的・確認事項

朝礼は必要ない!?建設工事における目的・確認事項

毎日工事現場では、朝礼が行われます。一般企業でも朝礼を実施している会社はありますが、朝礼は朝の始まりの慣例で、特になくても問題ないのでは?と考えている方も多いかもしれません。しかし、工事現場において朝礼は非常に重要なものです。安全管理や工事内容を再度確認することで、その日1日を問題なく進行させることができます。この記事では、朝礼の目的や内容についてご紹介いたします。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 資格 現場監理 働き方改革 台風