現場監督に必要な能力3つ
・指示を出す力
・スケジュール管理能力
・コミュニケーション能力
3つの能力が現場監督には主に必要とされます。現場監督業は、設計者、営業、施工業者複数、お客様と数多くの人と関わります。複数の人間からの情報を一つにまとめ、現場をスムーズに進行させるだけでなく、各トラブルにも対応することが必要とされます。
それでは、これら3つについてまずご紹介いたします。
■指示を出す力
指示を施行業者に出しますが、その指示の仕方が上手くなければいけません。指示が曖昧であったり、指示の仕方によっては、職人がやらないということもあるのです。
そして決して職人に対して命令になってはいけません。「お金を払っている立場だから、黙ってなんでもいうことを聞け」と勘違いしている現場監督もたまにいます。極端な言い方ですが、お金を払っているからといって、奴隷のように扱ってはいけません。相手が気持ちよく働ける環境を作るのも現場監督の仕事です。
職人からはこの人に任せていれば、現場のことは大丈夫と安心して働いてもらえるようにしましょう。細かい部分の仕様について、現場監督が「多分これで良いです。」などと曖昧な返事ばかりをしていると信頼されません。
職人も真面目に仕事をしようとしています。その仕事の仕上がりが悪くなるようなことをしてはいけません。そういった意気込みや仕事に対する熱意を職人と共有することも大切です。
■スケジュール管理能力
工事を進めるにあたり、様々な業者の発注管理を行うため、スケジュール管理能力が必要です。また、工事は最初に決めたスケジュール通りに進むことはないと言って良いでしょう。
何ヶ月もの工事の間に、雨や台風などの天候の都合上、工事に入れなかったり、職人の病欠、部材・設備等の不足などが起こることもあります。現場での急な手直しなどもあります。
当初組んでいたスケジュールからのずれに対して、うまく職人を配置し、それに合わせて発注業務をこなす必要があります。また、そのスケジュール変更等を全ての工事関係者に伝える必要があります。ここまで行うとスケジュール管理だけでかなりの時間と労力を費やします。
■コミュニケーション能力
全ての仕事に必要かもしれませんが、現場監督は複雑なコミュニケーション能力を必要とします。設計者、営業、職人、お客様と全ての人に対して同じ態度で接するわけにはいきません。その場の状況に合わせて柔軟にやり取りを行います。
また、設計と営業に伝えるけれども、職人には伝えてはいけない。職人にまでは伝えても良いけど、お客様には伝えてはいけない。お客様に伝えるが、職人には伝えてはいけない。などの連絡事項もあります。例えば金銭面のことは、発注側のことはお客様に伝えてはいけませんし、住宅費用等については職人に伝えることは望ましくありません。
コミュニケーションという普段の会話能力というものプラス、業務上の連絡等のやり取りについて気を配る必要があります。
現場監督で身につく能力
・図面を読む力
・トラブル解決能力
・予算管理能力
現場監督として働いていると身につく能力になります。実務経験が長いほどそれぞれの能力も上がっていきます。それでは順番にご紹介いたします。
■図面を読む力
図面は、設計図、立面図、平面図、施工図、と言って様々な図面があります。工事現場にあるのは、施工図になります。この施工図にも、躯体の施工図から電気配線の施工図までそれぞれの工事種ごとに存在します。
これらの図面を読み解き、それぞれの図面を組み合わせたときに起きる矛盾や、現場で整合性が取れないなどのトラブルを未然に防ぐ目が身に付きます。
勤務経験3年以上してやっとほとんどのトラブル事案に気づくようになります。ここまでの能力が身につけば現場監督として問題ないレベルと言えるでしょう。
■トラブル解決能力
現場でトラブルは付き物です。トラブルが起きないようにすることも大事ですが、トラブルが発生した際にどのように対処するかも重要な能力です。
トラブルを解決してこその現場監督になります。新人の頃は、トラブルに対して、どうしようと不安や焦りが出てきますが、ベテランになればトラブルをどう処理するかを考え素早く動けるようになります。
トラブル解決方法を知り、それに対し素早く行動して解決に導く能力が身に付きます。
■予算管理能力
1000万円の発注を管理することを難しくしているのは、その発注が多いからです。複数の施工業者、複数の資材、何十個もの発注を合わせて1000万円などになります。
工事途中で追加発注なども行うため、最終的に利益が確保できていなかったということになってはいけません。先も読み、無駄な発注をせず、利益も確保しながら進めていくため、予算管理能力が身に付きます。
※この記事はリバイバル記事です。