わたしたちの生活には電気が欠かせません。
そのため、住宅建築において電気工事は必ず必要になります。
しかし、電気工事は感電や漏電による火災などの危険がともなうことから、法律によって有資格者にしか工事は認められていません。
そして、その電気工事を行うときに必要な資格が「電気工事士」になります。
つまり「電気工事士」は、きわめてニーズの高い資格であり職業なのです。
そこで本記事では、「電気工事士」資格の概要と取得するとできる仕事についてご紹介したいと思います。
電気工事士資格の概要
電気工事士とは、電気工事を行うために必要な専門的な知識と技能を有することが認められた人に与えられる国家資格です。
なお「電気工事士法」の第1条には以下のことが定められています。
この法律は、電気工事の作業に従事する者の資格及び義務を定め、もつて電気工事の欠陥による災害の発生の防止に寄与することを目的とする
要するに、電気工事にはリスクがともなうため、従事するには必ず資格を取得しなくてはいけないということです。
ちなみに、この規定に違反した場合は、懲役や罰金などの罰則規定があります。
また電気工事士資格には、第一種電気工事士と第二種電気工事士の分類があり、それぞれ従事できる仕事の範囲が異なります。
電気工事士資格の試験について
電気工事士資格の試験は、第一種電気工事士と第二種電気工事士で内容が異なります。
いずれも筆記試験と技能試験があり、両方を合格することで電気工事士資格を取得できます。
■第一種電気工事士の資格試験
第一種電気工事士の試験は、筆記試験と技能試験があり、それぞれ年に1回ずつの実施となります。
第一種電気工事士試験は、年齢や学歴に関係なく誰でも受験が可能です。
ただし、技能試験を受験できるのは、筆記試験の合格者と筆記試験の免除者となります。
筆記試験の免除者とは、以下のいずれかに該当する人です。
一般財団法人電気技術者試験センター:第一種電気工事士試験
■第二種電気工事士の資格試験
第二種電気工事士の試験は、筆記試験と技能試験があり、上期と下期の年に2回ずつの実施となります。
第二種電気工事士試験も、第一種電気工事士試験と同様、誰にでも受験が可能で、また技能試験を受験できるのは筆記試験の合格者と筆記試験の免除者となります。
筆記試験の免除者とは、以下のいずれかに該当する人です。
一般財団法人電気技術者試験センター:第二種電気工事士試験
電気工事士の免状交付について
電気工事士試験を受けるうえで必要とされる受験資格はとくにありませんが、資格取得後に免状を申請し交付を受けなければ電気工事士として従事することはできません。
そして、免状の申請には一定の要件が定められています。
その要件とは以下の通りです。
■第一種電気工事士の免状申請要件
- 第一種電気工事士試験に合格した人
- 必要とされる実務経験を有する人(2021年4月1日以降に申請を行う場合は3年以上)
■第二種電気工事士の免状申請要件
- 第二種電気工事士試験に合格した人
- 経済産業大臣が指定する養成施設で必要な知識と技能に関する課程を修了した人
電気工事士の仕事内容
電気工事士は国家資格の名称であり、またその免状を受けている人のことをいいます。
電気工事士ができる仕事内容は大きく以下の2つです。
- 建築電気工事
- 鉄道電気工事
建築電気工事の具体的な内容とは「屋内配線工事」「外線配線工事」「冷暖房設備工事」「ビル管理」などです。
■第一種電気工事士と第二種電気工事士の仕事内容の違い
第一種電気工事士と第二種電気工事士では、それぞれ従事できる仕事の範囲が異なります。
第一種電気工事士
下記の第二種電気工事士で従事できる仕事に加え、最大電力500キロワット未満の工場やビルなどの工事に従事できます。
幅広く大規模な電気工事の仕事をするためには必要となる資格です。
第二種電気工事士
一般住宅や小規模な店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できます。
電気工事の仕事に従事するなら、まず狙いたい資格です。
まとめ
電気工事士は建築工事で欠かせない仕事であり、各方面で需要が高いことから受験者数も増加傾向にあります。
また電気工事といった分野では専門的な知識や技術が要求されるため、電気工事士は貴重な人材として今後も必要とされるでしょう。
電気を使う限りなくなることのない電気工事の専門家として、幅広く活躍できる電気工事士を目指してみてはいかがでしょうか。