【体験談】住宅営業管理職は給与が下がることがある?実績に伴う歩合制度の会社の場合

【体験談】住宅営業管理職は給与が下がることがある?実績に伴う歩合制度の会社の場合

 住宅営業に転職を考えている方は、売り上げを上げて出世したときどのような仕事をするのか、営業管理職となったとき歩合はどのような制度になるのかなど気になる方は多いかと思います。この記事は住宅営業を中小企業で10年勤務した際に、私が実際に経験した給与事情をご紹介いたします。少しでも住宅営業に転職を考えている方のキャリアプランニングのお役に立てればと思います。


住宅営業管理職は部下の売り上げを作ることが仕事

 会社によって住宅営業管理職は大きく二つに分かれると思います。
1.部下だった時と同じように、自分で営業を行い、部下の見込みなどの管理
2.部下の見込みに同伴し、契約まで持っていく仕事

私は2の体制をとっている会社に勤務していました。ここで入社6年の頃に管理職へと昇進しました。今まで自分で見込みを作り、上司に打ち合わせから契約の際に同伴もしくは資料作りなどお客様へのアプローチを一緒に行ってもらっていました。自分で見込みを作れるようになっていたので、売上も安定して伸びていきました。
 そして管理職になったとき自分で見込みを作る必要はなくなります。営業は見込みを新規で作ることが何より大変ですから、当初は昇進して仕事が楽になると思っていました。しかし、実際はその逆で仕事自体は店舗にいることが多く楽なのですが、仕事が難しくなりました。部下に見込みを作らせるということが、自分でできたことでも他人にやらせるというのはなかなかできませんでした。工場のライン仕事など、教えれば誰でも同じようにできるというわけではなく、営業は話すことが仕事です。私が話して受け答えする言葉を全て同じようにするということはできません。そこで難しい内容などは部下とロールプレイングをしてうまく話せるようにしたり、お客様が何を求めているのかなどを打ち合わせして見込み度合いを上げる作業をすることになります。これが主な管理職の仕事で、部下の数字が店舗の売上数字となります。

管理職になって給与が6割程度まで下がった

 管理職に昇進して年収が上がるだろうと考えていましたが、実際は下がりました。。。昇進したら給与は上がるのは当然でしょ?と思われるかもしれません。確かに基本給は役職手当がつくことで上がりました。しかし歩合給が下がったのです。管理職は管理職の歩合制度があり、売上に対する歩合率が部下だったときよりも低くなります。そのため給与が6割程度に下がった月もありました。
 私が勤めていた会社では部下が歩合率10%でもらえるところ、管理職は歩合率が3%などになっていました。部下を3人もっていたので、自分が1軒売ったときの歩合と部下が1人1軒売ったときの歩合給がおおよそ同じということになります。つまり部下に売らせることが難しかった私にとって、自分で1軒売った方が成績も付き給与も高かったのです。このときは何で昇進なんてしてしまったのか、ずっと部下のまま売れ続けていた方が給与も良かったじゃないかと思いました。しかし他の管理職の方々は部下に売らせることができ、実際は管理職の時の方が年収が100~200万円程度多くなっているようでした。(もちろんあまり変わらなかったり低い人もいました)

1年かかり、給与を元に戻すことに成功|給与は1.3倍程度

 部下に売らせることができなければ、給与が低いままで、さらにこの状態が続けば降格してしまいます。いくら給与が低くなったとは言ってもせっかく昇進してすぐに降格というのは恥ずかしく何とか店舗の売上を上げなければと考え、元の給与に戻すのに1年もかかりました。部下との信頼関係を築き、自分のやっていたことをやってもらうこと、部下の見込みに対して戦略を練ったり、資料作りなどをサポートして部下が営業しやすい環境を作りました。
 管理職に昇進してからの給与は部下だった時と比べて1.3倍程度になりました。体力的には管理職の方が楽で、部下にやらせるという点で不安定な要素はありますが、優秀な部下がついたことで比較的安定した売上を作ることができました。中途で新人社員が入ってきたときなど、人員配置が変わると売上を作ることが大変な時期もありました。

営業が苦でなければ管理職でない方が良い?

 自身で営業をかけ見込みを新規で作ることが苦にならない方は、管理職で歩合が下がる会社の場合、自身で営業を続けていた方が給与も良く楽だと思います。実際にベテラン営業マンではそういう方も多いです。外回りなどを続けていくのが嫌な方であれば管理職の方が体力的にも楽です。また、管理職になってしまうと実際に自分で新規で見込みを作る能力は落ちてきてしまいます。管理職からまた部下に戻ったときにはそのときまた苦労することになるので、管理職になるかはしっかりよく考えた方が良いかもしれません。私はたまたま何とか売れるようになりましたが、管理職となって売れなくなり降格した方は、以前ほど自身で営業しても売れなくなってしまったという方も多いです。

まとめ

 管理職になったとき、必ずしも給与が上がるわけではないということがわかったかと思います。転職先の企業がどのような営業体制、歩合制度を導入しているかをよく確認しましょう。





※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


住宅 営業

関連する投稿


注文住宅営業の仕事内容とは?見込み出し、契約、顔つなぎ、アフターフォローなど

注文住宅営業の仕事内容とは?見込み出し、契約、顔つなぎ、アフターフォローなど

 注文住宅の営業は、未経験の方や契約して終わりの営業をしてきた方にとってはどのような仕事内容か想像がしにくいと思います。営業なので契約して売り上げを作ることが仕事ですが、注文住宅営業の場合はそれだけではありません。数千万円の工事を請け負う契約をさせていただくため、契約から工事の内容まである程度内容、工程を把握しながら、完成後もアフターフォローを行うことが営業の仕事になります。この記事ではこれから転職する方向けにわかりやすく仕事内容をご紹介していきます。


住宅営業の求人「飛び込み営業なし」は本当?求人情報や面接から見抜く方法まとめ

住宅営業の求人「飛び込み営業なし」は本当?求人情報や面接から見抜く方法まとめ

 住宅営業で一番キツいというイメージがあるのは飛び込み営業ではないでしょうか。飛び込み営業というのは、いわゆる訪問販売で一軒一軒インターホンを押してマンションやアパートの住人に営業をかけていく方法です。1日歩き通しのため体力も精神もキツいイメージがあると思います。住宅営業は飛び込み営業を行っている会社も多く、そのため求人情報で「飛び込み営業なし」と書いているところがあります。それが本当なのか、求人情報や面接から見抜く方法をご紹介します。


住宅業界では自分がミスをしなくてもクレームになることも|実際にあったクレーム例をご紹介

住宅業界では自分がミスをしなくてもクレームになることも|実際にあったクレーム例をご紹介

 住宅業界はクレーム産業と言われるほどクレームが多い業界です。これから転職をする際に、クレーム対応をしなければならないのか、自分のミスでクレームになるのか、クレームに対処できるのかなど不安を抱えている方が多いです。場合によっては、クレームが解決しないで裁判になり、大変な労力と心労があるのではないかとイメージするかと思います。しかし、ほとんどはクレームと言っても誠意に対応すれば解決する場合がほとんどです。この記事では具体的なクレーム例とその解決した方法をご紹介していきます。


【要注目】住宅業界の今後はどうなる?

【要注目】住宅業界の今後はどうなる?

新型コロナウィルスの世界的な流行により、経済へのダメージは大きくその深刻さは計り知れません。 もちろん住宅業界への影響も大きく、今後どうなっていくのかという点は多くの人が注目するところでしょう。 また、少子高齢化とともに住まいのあり方にも変化が見られ、ニーズも多様化していることから、新たな可能性にも期待が高まっています。 そこで本記事では、住宅業界は今後どうなっていくのか、またとくに拡大が期待される新たな需要についてもご紹介したいと思います。


【住宅建築の基礎知識】新築工事で実施する検査の種類とは?

【住宅建築の基礎知識】新築工事で実施する検査の種類とは?

新築工事中は、適正な品質を確保するため、あるいは法律が守られていることを確認するため、さまざまな検査が行われています。 また検査は、施工管理者による検査だけでなく、その他にもいくつかの専門機関によって行われることになります。 複数の視点から実施することで、建築主の安心と利益保護につながるわけです。 そこで本記事では、新築工事ではどのような検査が実施されているのか、おもな種類とその内容について解説したいと思います。


最新の投稿


【2021年版】施工管理技士の新しい試験制度を徹底解説

【2021年版】施工管理技士の新しい試験制度を徹底解説

2020年の建築業法改正により施工管理技士の技術検定制度で見直しが行われ、2021年4月から新しい制度での技術検定が開始することが決まっています。 新制度は、これまでよりも受験資格が緩和され多くの人が受験できるようになったことや、新たな資格が設けられたことなどがおもな内容となっています。 また試験科目にも若干の変更が加えられているため、今後の対策も変わってくるでしょう。 そこで本記事では、2021年から始まる施工管理技士の新しい試験制度について徹底解説したいと思います。


工事現場で新型コロナウイルスに感染しないための対策とは?

工事現場で新型コロナウイルスに感染しないための対策とは?

新型コロナウイルスの流行によって、わたしたちの生活は大きな変化を余儀なくされました。 企業の働き方もテレワークが当たり前となるなど、感染拡大を防止するための対策は定着しつつあるようです。 一方、建設業界のコロナ対策も取り組みが進んでいますが、テレワークが難しく、また「密」になりやすい工事現場ではどのような対策を講じているのでしょうか。 そこで本記事では、工事現場で新型コロナウイルスに感染しないための対策としてどのようなことが行われているのかご紹介したいと思います。


まったくの初心者がCADスキルを習得するための勉強法

まったくの初心者がCADスキルを習得するための勉強法

建築に携わる仕事をしているなら、身につけておくと役に立つスキルのひとつにCADスキルがあります。設計士が扱うような専門的な建築CADソフトでなくとも、汎用性のあるAutoCADや無料で建築作図に特化したJw_cadの操作ができれば、施工管理職や営業職でも業務の大きな力となり仕事の幅も広がるでしょう。また、CAD操作のレベルが上がれば、CADを専門的に扱う「CADオペレーター」として働くことも可能です。この記事では、これから建築業界で働こうと考えている方や、既に建築業界で働いている方でCADを学びたい方に向けて、CADの技術を習得のために必要な勉強法について解説しています。


注文住宅と建売住宅の違いは?特徴とメリットデメリットについて解説

注文住宅と建売住宅の違いは?特徴とメリットデメリットについて解説

家は人の一生の内で、大変大きな買い物になると思います。だからこそ、家を買う時には本当に納得して家を買いたいと思いますよね。家を買うと決めたら、まずはじめに「注文住宅」で買うか「建売住宅」で買うかを選択されると思います。ところで、皆さんは注文住宅と建売住宅の違いを知っていますか?ハウスメーカーや住宅不動産販売に就職を目指す方も、注文住宅と建売住宅の違いをしっかりと把握しておきましょう。この記事では、注文住宅と建売住宅の違いについて解説しています。


注文住宅営業の仕事内容とは?見込み出し、契約、顔つなぎ、アフターフォローなど

注文住宅営業の仕事内容とは?見込み出し、契約、顔つなぎ、アフターフォローなど

 注文住宅の営業は、未経験の方や契約して終わりの営業をしてきた方にとってはどのような仕事内容か想像がしにくいと思います。営業なので契約して売り上げを作ることが仕事ですが、注文住宅営業の場合はそれだけではありません。数千万円の工事を請け負う契約をさせていただくため、契約から工事の内容まである程度内容、工程を把握しながら、完成後もアフターフォローを行うことが営業の仕事になります。この記事ではこれから転職する方向けにわかりやすく仕事内容をご紹介していきます。