【業界裏事情】安い住宅は手抜き工事?工務店よりハウスメーカーの方が安心なのか

【業界裏事情】安い住宅は手抜き工事?工務店よりハウスメーカーの方が安心なのか

 戸建て住宅の価格を見ていると、分譲住宅などは3000万円でも、ハウスメーカーで建てた住宅は5000万円以上します。ほとんど同じエリアで同じような坪数でこのような価格帯になっていることが多いです。もちろんハウスメーカーで建てた方が住宅性能が高いのだろうというイメージがあるかもしれませんが、一方で安い住宅は手抜き工事なのではないか、という不安や疑念を抱くこともあるかと思います。ハウスメーカーの方が手抜き工事の心配は少ないのか、この記事ではご紹介していきます。


そもそも手抜き工事って何?欠陥住宅とは限らない

 手抜き工事とは、意図的に業者が部材や使用予定の材料を減らしたり、工数を減らして楽にする(予算を減らす)ことを言います。ですが、「手抜き工事をしたら欠陥住宅」というわけではありません。欠陥住宅というのは、手抜き・不本意なミスに関わらず、構造上、性能上問題がある場合に使われる言葉になります。つまり、住宅の性能に問題がなければ、手抜きがあっても欠陥住宅とまでは言わないということになります。ただ手抜きがあれば全く性能が落ちないということはほとんどないため、欠陥とするかは裁判などでも判断が難しいようです。

 それでは手抜き工事はというと、性能上は問題はないが、筋交いが少ない、断熱材が少ない(予定のものよりグレードが低いもの)など、仕上がった時点で見えない住宅の内部で手抜きが行われていることが多いです。また、明らかな構造上の欠陥ではないため、何十年と住んでいても気づかないもののことがほとんどです。このようなことはプロでも壁に穴を開けて内部を確認しなければわからないものです。そのため、住宅を購入する方はこのような手抜き工事が行われていないだろうと信じて購入するしかありません。このような信用がブランド力とであり、後述するハウスメーカーは比較的住宅価格が高く設定されています。

ハウスメーカーでも手抜き工事はある

 絶対にハウスメーカーは安心だと考えている方も少なくないです。ですが実際はハウスメーカーでも手抜き工事はあります。なぜかというと、ハウスメーカーといっても現場に入るのは下請業者になるからです。この下請業者も管理されていますが、わからないところで手抜きをすることはあります。
 手抜き工事はリフォームするときによくわかるようです。実際に大手ハウスメーカーのリフォームを行った際、外装下地の内部の一部材が無かったりなどがよくあるそうです。構造上大きな欠陥とはなりませんが、ハウスメーカーだから手抜きは一切ないと考えるのではなく、しっかりともし手抜きがあった場合はどのように対処すべきかを考えておき、証拠画像や図面や打ち合わせ資料、設計書などは保存するようにしましょう。

ハウスメーカーの方が安心な3つのポイント

 ハウスメーカーでも手抜きはあるとお伝えしましたが、やはりハウスメーカーの方が安心だと言えるでしょう。

1.十分な予算
 予算が厳しいと手抜きは多くなります。下請業者が利益を出すために材料費を削減、工数を減らして人件費などを削減するからです。ハウスメーカーは予算に余裕がある場合が多いので、手抜き工事が起きにくいと言えるでしょう。

2.徹底した管理(世間への影響度)
 下請業者の管理もハウスメーカーはしっかり行っています。手抜き工事や欠陥住宅となるとハウスメーカーは大打撃を受けることになります。このようなリスクは地方の工務店などより大きいものとなってしまうため、施工管理を徹底して行っています。

3.充実したアフター
 ハウスメーカーは比較的倒産リスクも低く、アフターメンテナンスがしっかりしているところも多いです。

工務店で手抜き工事が多いわけではない(価格は部材の値段とブランド代の違い)

 ハウスメーカーの方が安心なポイントは多いかと思いますが、だからと言って工務店で手抜き工事が多いというわけではありません。あくまでも手抜きをしているのは一部業者であって、ほとんどの業者は手抜きはしていません。分譲住宅などがハウスメーカーよりもかなり価格帯が低いのは、材料のグレードが低い、ブランド代がないなどが理由になります。手抜き工事により価格が低いということではありません。しかし、建売住宅では工事現場の管理が行き届いているのかが不明なため疑念を抱かれやすいようです。

手抜きされた住宅を避ける方法3選

 どのようにして手抜き工事を避けることができるでしょうか。目に見えない部分で、専門的な工事であるため見抜くことは容易ではありませんが、ある程度自衛することはできます。

1.現場監督の熟練者(工事現場の見学)
 現場監督がどのような人材であるか、熟練した者を選ぶ。工事現場に赴き、職人が手抜きをしていないか直接確認する。

2.口コミの良い業者
 これが一番簡単に手抜きを回避する方法かもしれません。口コミの悪い業者は長続きせず、施工ミスであっても対応が良くない場合が多いです。

3.建物状況調査
 中古住宅などを購入する上で欠陥住宅などを避ける方法になります。第三者の専門家が住宅の劣化状況などを診断するものです。





※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


住宅 手抜き

関連する投稿


住宅営業の外回り・飛び込み5つのコツ

住宅営業の外回り・飛び込み5つのコツ

住宅営業で、外回り・飛び込み営業を成功させるためにはどうしたら良いでしょうか?住宅メーカーや工務店は、反響営業と言って、HPやチラシ、その他様々なチャネルからお客様の問い合わせがあります。しかし、小さい工務店や不動産、お客様の問い合わせが少なく、新規着工案件が少なくなってしまうこともあります。そのような際には、営業が外回りや飛び込み営業をすることもあります。採用情報でも、「飛び込み営業がありません!」と謳っている会社もありますが、仕事がなくなってくれば、飛び込み営業をする必要もでてきます。営業は、どのような営業スタイルでも対応できるようにしておくと良いかもしれません。


お客様に好かれる住宅営業4つのポイント

お客様に好かれる住宅営業4つのポイント

住宅営業は、お客様に好かれなければ中々成績が上がりません。住宅は大きな金額の買い物であるだけではなく、一生に一度の買い物と言われています。たとえ、住宅メーカーの絶対的な信頼があっても、営業が不誠実な対応や、お客様の満足度を高めることができなければ、契約にならず、工事が始まって引渡しの段階でクレームになることもあります。お客様に好かれるというのは、何でも言うことを聞くことではなく、信頼されるという意味です。住宅営業のプロとして、誠実に対応し、お客様に満足してもらう買い物をしてもらうことが重要です。


住宅展示場での接客4つのポイント

住宅展示場での接客4つのポイント

住宅営業の方は、住宅展示場で接客をすることもありますが、なかなか展示場での接客が上手くいかないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?住宅展示場は、住宅設計を依頼しようと考えているお客様もいらっしゃいますが、まだ購入を決めかねているという見込みの薄い方もいらっしゃいます。また、お客様とコミュニケーションが取れていない状態から、展示場の説明をしてしまうと、なかなか営業とお客様で意思疎通ができないこともあります。この記事では、住宅展示場での接客について4つのポイントにまとめてご紹介いたします。


工事請負契約書とは?住宅営業は全て理解しよう!

工事請負契約書とは?住宅営業は全て理解しよう!

工事請負契約書は、住宅営業にとって、成績を左右する一番大事な書類です。お客様の前で新人営業マンは、よくわからずに上司と一緒にお客様に書いてもらうこともあるのではないでしょうか。工事請負契約書は、お客様との取引の上で一番大事な書類です。それにもかかわらず、実は内容を全て理解していないという営業マンも、もしかしたらいるのではないでしょうか?この記事では、工事請負契約書というものが、どのようなものかをわかりやすくご紹介いたします。


【強みを伝える】住宅営業が失敗する、自社商品の知ったつもり

【強みを伝える】住宅営業が失敗する、自社商品の知ったつもり

住宅営業は、他者と相見積もりなどで競合することが多いです。お客様は、メーカーや工務店などの様々な選択肢の中から1社を選びます。お客様の事前知識やイメージで1社に決めていることや、ほとんど決定している場合もありますが、営業の言葉だけでその決定が覆ることもあります。上司から、「他者に負けるな!」と言われつつも、どう営業をすれば良いのか、自社商品と他社商品の違いも知っているけど、それを活かせているかわからないという方もいらっしゃると思います。この記事では、住宅営業が自社商品をどのようにお客様にアピールすれば良いか、そのポイントについてご紹介いたします。


最新の投稿


住宅営業の外回り・飛び込み5つのコツ

住宅営業の外回り・飛び込み5つのコツ

住宅営業で、外回り・飛び込み営業を成功させるためにはどうしたら良いでしょうか?住宅メーカーや工務店は、反響営業と言って、HPやチラシ、その他様々なチャネルからお客様の問い合わせがあります。しかし、小さい工務店や不動産、お客様の問い合わせが少なく、新規着工案件が少なくなってしまうこともあります。そのような際には、営業が外回りや飛び込み営業をすることもあります。採用情報でも、「飛び込み営業がありません!」と謳っている会社もありますが、仕事がなくなってくれば、飛び込み営業をする必要もでてきます。営業は、どのような営業スタイルでも対応できるようにしておくと良いかもしれません。


お客様に好かれる住宅営業4つのポイント

お客様に好かれる住宅営業4つのポイント

住宅営業は、お客様に好かれなければ中々成績が上がりません。住宅は大きな金額の買い物であるだけではなく、一生に一度の買い物と言われています。たとえ、住宅メーカーの絶対的な信頼があっても、営業が不誠実な対応や、お客様の満足度を高めることができなければ、契約にならず、工事が始まって引渡しの段階でクレームになることもあります。お客様に好かれるというのは、何でも言うことを聞くことではなく、信頼されるという意味です。住宅営業のプロとして、誠実に対応し、お客様に満足してもらう買い物をしてもらうことが重要です。


住宅展示場での接客4つのポイント

住宅展示場での接客4つのポイント

住宅営業の方は、住宅展示場で接客をすることもありますが、なかなか展示場での接客が上手くいかないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?住宅展示場は、住宅設計を依頼しようと考えているお客様もいらっしゃいますが、まだ購入を決めかねているという見込みの薄い方もいらっしゃいます。また、お客様とコミュニケーションが取れていない状態から、展示場の説明をしてしまうと、なかなか営業とお客様で意思疎通ができないこともあります。この記事では、住宅展示場での接客について4つのポイントにまとめてご紹介いたします。


工事請負契約書とは?住宅営業は全て理解しよう!

工事請負契約書とは?住宅営業は全て理解しよう!

工事請負契約書は、住宅営業にとって、成績を左右する一番大事な書類です。お客様の前で新人営業マンは、よくわからずに上司と一緒にお客様に書いてもらうこともあるのではないでしょうか。工事請負契約書は、お客様との取引の上で一番大事な書類です。それにもかかわらず、実は内容を全て理解していないという営業マンも、もしかしたらいるのではないでしょうか?この記事では、工事請負契約書というものが、どのようなものかをわかりやすくご紹介いたします。


【強みを伝える】住宅営業が失敗する、自社商品の知ったつもり

【強みを伝える】住宅営業が失敗する、自社商品の知ったつもり

住宅営業は、他者と相見積もりなどで競合することが多いです。お客様は、メーカーや工務店などの様々な選択肢の中から1社を選びます。お客様の事前知識やイメージで1社に決めていることや、ほとんど決定している場合もありますが、営業の言葉だけでその決定が覆ることもあります。上司から、「他者に負けるな!」と言われつつも、どう営業をすれば良いのか、自社商品と他社商品の違いも知っているけど、それを活かせているかわからないという方もいらっしゃると思います。この記事では、住宅営業が自社商品をどのようにお客様にアピールすれば良いか、そのポイントについてご紹介いたします。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 営業 利益 知識 職人 仕事 働き方 転職