住宅瑕疵担保責任保険に加入していれば安心!?瑕疵の内容、建設会社が倒産したとき請求先は?

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 お家は一生に一度のお買い物と言われ、人生で一番高額な買い物ではないでしょうか。何千万とする商品のため、何か不具合があったら修繕費用も高額になりとても困りますよね。そのため信頼できる有名な工務店やハウスメーカーに依頼をされる方も多いです。しかし、どれだけ有名で大きな工務店やハウスメーカーでも、予期しない不備が起こる可能性があります。そこで役立つのが瑕疵担保責任保険です。この記事では、その瑕疵担保責任保険についてどのようなものなのかわかりやすくご紹介いたします。


住宅瑕疵担保責任保険は、新築住宅は10年間と定められている

住宅瑕疵担保責任保険とは、2000年4月に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」において、建築事業者は新築住宅に10年間のあいだ瑕疵担保責任を負うことが定められています。瑕疵担保責任とは、通常目視によりすぐ確認できない隠れた欠陥に対し、建築事業者の責任の有無に関わらずその事業者が責任を負わなければならない制度になります。

瑕疵の4つ種類

・物理的瑕疵
 雨漏り、シロアリ被害、構造上の欠陥など。
・法律的瑕疵
 様々な法令に則っていない場合。
・心理的瑕疵
 その土地で殺人事件があった、火災で全焼したなど。
・環境的瑕疵
 周辺にゴミ処理施設、火葬情があるなど。

以上のように一般的な物理的瑕疵以外にも瑕疵が起きる場合があります。

責任を建築事業者が取るのは当然だけど、なぜ保険なのか

例えば一般的にものづくりのメーカーは、作った商品に不具合などがあれば回収をしたり、金額を返金したりと自主的な対応を取ることが求められます(詳しくは法律で定められています)。しかし住宅のように瑕疵担保責任保険に加入することはありません。なぜ住宅では瑕疵担保責任保険があるのでしょうか。
理由は、住宅が高額なためです。建築事業者が5000万円で販売したものをその不具合のため5000万円を返金するとなると、よほど現金余力のある企業でなければ倒産することもあります。実際、この保険制度が義務付けられる前は、このように瑕疵に対する修繕費用を建築事業者が出すことができず、不具合のある住宅はそのままという事例もありました。これでは入居者は何千万円も払ったのにもかかわらず、不具合のある住居を直すこともできないということになります。このように建築事業者に、現金余力がないもしくは倒産していた場合でも、この保険制度があるため不具合がある住宅の修繕を行うことができます。

入居から10年を過ぎると瑕疵担保責任の効力は無くなる

例え瑕疵があったとしても入居から10年を過ぎてしまった場合、保険制度を使えなくなる場合があります。入居から12年経ってから雨漏りをしても入居者が修繕費用を全額負担することになります。事業者の責任なのだから、事業者が負担して修繕して欲しいところではありますが、それではあまりにも事業者が不利なため、10年という期間が定められています。もともと瑕疵担保責任保険は購入者が有利な制度で、事業者にとっては10年以上あとも保険が切れた後にも責任を負うことになると、会社としてリスクを抱え過ぎることになります。
住宅購入者は10年以内に別業者などで住宅の総点検をするなどして万が一の瑕疵を発見することを心がけた方が良いでしょう。

住宅メーカーの保証延長(10年定期メンテナンス)

大手ハウスメーカーなどでは、建築のみでなくリフォームやメンテナンスまで事業展開しています。例えば建ててから10年後に塗装工事によるメンテナンスを行えば、さらに10年間の保証を延長してくれるというものがあります。瑕疵担保責任保険とは関係なく、企業が独自に行なっている保証になります。保証内容は会社によって異なりますが、ほとんどが構造上の不具合に対する保証で、住宅の雨漏り、傾きなどになります。10年間、構造上問題のない住宅はそれ以降不具合が発生することは少ないですが、より安心した生活を送る保険という意味でもこの延長保証を受けた方が良いでしょう。

建築事業者が倒産した際は、保険会社に請求

住宅に瑕疵が見つかった際、建築事業者に修繕依頼をかけ、建築事業者が保険会社に瑕疵を確認してもらい、その保険金で修繕を行います。もし建築事業者が倒産してしまっている場合には、その住宅の契約者が保険会社に請求することになります。その際、修繕にかかる費用などは修繕を行ってくれる業者を自分で探し見積書をもらう必要があります。

まとめ

一生に一度の買い物に瑕疵があり、修繕する費用を自分で出すもしくはそのまま泣き寝入りせざるを得ないという状況は非常に心苦しいですよね。そこで瑕疵担保責任保険の制度ができ、購入者は安心して住宅を購入することができます。こういった制度を知らずにいると損をしてしまうこともあるため、しっかりと販売者、購入者ともに知識をつけておくことが大事です。




※この記事はリバイバル記事です。

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