リノベーション中古住宅で失敗してしまうポイント

リノベーション中古住宅で失敗してしまうポイント

中古住宅の市場流通が促されるようになっており、新築住宅を購入するよりも安価に手に入ることから戸建て住宅、マンションともにリノベーション済みの物件が人気になってきています。中古物件を購入してから自身でリノベーションをしなければいけない場合、購入費用プラス追加費用をかける必要があるため購入を踏みとどまるという方が多かったです。そこでリノベーションを専門家が行うことで、付加価値をつけ住みために追加工事をする必要なく住宅を手に入れることができるようになります。しかし、リノベーション中古住宅は見えない部分で機能が劣っていることもあり、住んでみて初めて欠点に気づくこともあります。そのような中古住宅購入において失敗してしまうポイントについてご紹介


中古住宅を買ってもらうためにしていること

中古住宅は、その状態は新築よりも必ず見劣りします。たとえ購入価格が500万円安かったとしても、あまりに見た目が悪ければ欲しがる人は少ないです。食品でも全く味は変わらないとしても、見た目があまりにも悪いものは安くても買わないという購買心理と一緒です。

そこで中古住宅を買ってもらうために、売主は様々な工夫をしています。この工夫がどのようなものなのかを知っておくことで、中古住宅を購入する際に失敗することが少なくなります。

中古住宅をなぜ買わないか

まず中古住宅よりも新築住宅を好んで購入される理由はなんでしょうか。日本の場合には耐震基準が更新されていることもあり、旧耐震基準の住宅というものは敬遠されます。国としても耐震性能が高い住宅ストックを増やそうとしているため、築年数が30年以上経過している物件などは売れにくいです。

そして見た目の問題です。外観はさることながら内装に関しても、中古住宅はあまり魅力的に見えないことが多いです。売りに出される際には、あらゆる修繕リフォームを行ってから売りに出すオーナーは少ないです。なぜならもう住まない住宅にお金をかけたく無いからです。そこで、リノベーション物件は、不動産などが安く買い取った上で不動産がリノベーションを施してから販売するということも多いです。

リノベーションにより購買意欲を高める

リノベーションとありますが、工事内容としては外装の塗装、クロス、フローリングの張り替え、トイレ、浴室交換、キッチン交換といった比較的簡単な工事です。見た目はほぼ新築のようになりますので、リノベーションと言っていますが工事内容としては上物を交換しただけですので、住宅性能は変わりません。

住宅性能というのは、断熱性能、耐震性能などの構造に関わる部分の性能のことを指します。これらの性能が住みやすさに直結するのですが、あまり住宅についての知識がない方は、内装の綺麗さで中古物件を選んでしまう方も多いです。

リノベーションをする売り手のメリット

売り手は、中古物件をリノベーションすることでどのようなメリットがあるでしょうか?買い手は、売り手の意図を見抜いて購入する必要があります。

住宅は不動産が仲介しているので安心と安易に考えてはいけない商品です。住宅については不動産も詳しく状態を把握していないことも多いです。外見は目視で判断できますが、壁の中に隠れている部分については調査せずに扱っているためです。

安く改装し、高く販売したい

売り手は基本的に、物件を安く改装し、高く販売できるようにリノベーションを行っています。例えば、クロス、トイレ、浴室、キッチンをリノベーションした場合と、これらプラスでフローリングもリノベーションした場合で、どちらも同じ値段で売れるのであればフローリング工事はしません。

つまり、見た目を最低限にリノベーションし、断熱や防音性などの性能は上げなくても売れるのであれば、そういった工事はしないということです。中古住宅を購入する際には、最低限、断熱性能と耐震性に関しては現在の新築建売住宅程度の性能を有しているようなものを選択しましょう。

失敗ポイントまとめ

中古住宅を購入する際に、リノベーションされているのに失敗してしまっというポイントについてまとめます。

・耐震性能
・断熱性能
・水回り
に特に注意しましょう。

耐震性能が低い

築年数が40年を超えるものは、耐震性能が著しく低い可能性があり、築20年程度より新しい物件の方が耐震性能に関しては安心です。1981年に耐震基準が変わったことや、2000年の建築基準法改正などが理由です。

耐震性能を上げる工事というものは、見た目にはわからないものなので、買い手も内見して実際に欲しくなるような要因でもありません。そのため工事費用に対して販売価格があまり上げられないため、利益が出ません。耐震性能を上げた中古物件はあまり出回っていないでしょう。

断熱性能が低い

断熱性能も耐震性能と同じように、見た目ではわからないもので、工事費用もかかります。
クロス張り替えなどは、リフォームの中でも費用がかからない工事で、断熱性能を上げるためには壁を壊して施工する必要があるため、工事費用がかなりかかります。
このような理由で、断熱性能を挙げた中古物件も少ないです。

水回りの劣化

水回りと言っても配管の劣化が特に問題です。配管工事は壁や床を一度壊す必要があるため、大掛かりな工事になり、コストが高くなります。
リノベーション物件のために配管工事まで行うことはかなり少ないと言えるでしょう。

関連するキーワード


住宅

関連する投稿


スケルトン・インフィル住宅は、長期優良住宅で何世代も住みやすい間取りの実現に最適

スケルトン・インフィル住宅は、長期優良住宅で何世代も住みやすい間取りの実現に最適

 スケルトン・インフィル(SI)住宅というものが注目され始めています。長期優良住宅という70~100年以上、住み続けられる構造上の耐久性が高い住宅が、国からも推奨されています。しかし、100年住み続ける場合にも、2世代、3世代と世帯主も代わり、世帯人数も変わることが予想されます。世帯人数に合わせた間取り設計が必要になりますが、従来の構法では自由に間取りを変えることなどが困難でした。それを解消できるのがSI住宅になります。


戸建て住宅の需要が20~30代で増加|コロナの影響で生活スタイルの変化が要因

戸建て住宅の需要が20~30代で増加|コロナの影響で生活スタイルの変化が要因

 戸建て住宅の需要が若者世代で増加傾向にあるようです。新型コロナウイルスの影響で、リモートワークなどが浸透したことにより、都心部などで勤務する必要性が薄まってきたことが要因になります。また、地方で住宅を購入すれば、都心部でワンルームの家賃を払うよりもお得だと考えている方も多いのではないでしょうか。


住宅営業は平日休み|平日休みのメリット10選

住宅営業は平日休み|平日休みのメリット10選

住宅営業マンは平日休みとなっています。土日休みの企業で勤務していた方は、平日休みとなってしまうことに違和感などを感じる方も多いかと思います。これから転職を考えている方も、土日休みじゃないと嫌だと考えている方もいるかもしれません。しかし、平日休みに慣れてしまうと土日休みが嫌だという方もいらっしゃいます。この記事では平日休みのメリットについてご紹介していきます。


人口減少により住宅業界も衰退していくのか!?これからの転職は考え直した方が良いのか

人口減少により住宅業界も衰退していくのか!?これからの転職は考え直した方が良いのか

 転職を考える際に、業界規模や市場、今後の市場推移などを把握することは将来を考える上で非常に重要です。住宅業界というのは、人口に直接的に関わってくる業界と言えます。日本は人口減少が進んでおり、少子高齢化していっています。そこで実際に住宅業界の現場と、今後の予測をご紹介いたします。


クレームの少ない住宅営業マンが実践する4つのポイント|基本を抑えて、あなたもできる営業マンになろう

クレームの少ない住宅営業マンが実践する4つのポイント|基本を抑えて、あなたもできる営業マンになろう

 営業マンにはクレームの多い営業マンと少ない営業マンがいます。クレームが多い営業マンは、売上にかかるプレッシャーと、お客様からの精神的負担が大きくなります。営業活動における体力と精神力の両方が疲弊していきます。この記事では、クレームの少ない営業マンが実践する行動をご紹介いたします。


最新の投稿


文系出身でも住宅建築の施工管理はできる?

文系出身でも住宅建築の施工管理はできる?

住宅建築に関わる仕事といえば、理系の人が適しているというイメージを持っている人が多いかもしれません。 とくに施工管理の仕事は、工事の責任者となるだけに専門的な知識が必要です。 では実際のところ、施工管理の仕事は文系出身の人でもできるのでしょうか? 結論として、もちろん可能であり、さらには未経験でも問題ありません。 また、実務経験を積み重ねスキルアップすることで、文系や理系に関係なく昇進や昇給のチャンスがあります。 そこで本記事では、文系出身でも施工管理の仕事が問題なく行える理由について解説したいと思います。


スケルトン・インフィル住宅は、長期優良住宅で何世代も住みやすい間取りの実現に最適

スケルトン・インフィル住宅は、長期優良住宅で何世代も住みやすい間取りの実現に最適

 スケルトン・インフィル(SI)住宅というものが注目され始めています。長期優良住宅という70~100年以上、住み続けられる構造上の耐久性が高い住宅が、国からも推奨されています。しかし、100年住み続ける場合にも、2世代、3世代と世帯主も代わり、世帯人数も変わることが予想されます。世帯人数に合わせた間取り設計が必要になりますが、従来の構法では自由に間取りを変えることなどが困難でした。それを解消できるのがSI住宅になります。


戸建て住宅の需要が20~30代で増加|コロナの影響で生活スタイルの変化が要因

戸建て住宅の需要が20~30代で増加|コロナの影響で生活スタイルの変化が要因

 戸建て住宅の需要が若者世代で増加傾向にあるようです。新型コロナウイルスの影響で、リモートワークなどが浸透したことにより、都心部などで勤務する必要性が薄まってきたことが要因になります。また、地方で住宅を購入すれば、都心部でワンルームの家賃を払うよりもお得だと考えている方も多いのではないでしょうか。


建設業界の働き方が変わる!建設キャリアアップシステムとは

建設業界の働き方が変わる!建設キャリアアップシステムとは

人口減少と高齢化の加速にともない、建設業界の働き方も大きく変わろうとしています。 とくに次世代を担う人材が不足しているという点は深刻な問題であり、若い世代が働きたいと魅力を感じる環境づくりは急務となっています。 国としても、建設業の働き方改革を加速化させるいくつかの取り組みを策定していますが、そのひとつが「建設キャリアアップシステム」です。 「建設キャリアアップシステム」とは、建設業に携わる技能士のキャリアなどを見える化し、適正な評価のもとに待遇向上を目指すものになります。 そこで本記事では、「建設キャリアアップシステム」の取り組みについて、その内容をくわしく解説したいと思います。


【超重要】現場監督が行う原価管理の仕事

【超重要】現場監督が行う原価管理の仕事

現場監督の仕事は幅広く、現場で起こるあらゆることに取り組まなくてはいけません。 また、工事を進めるうえでムダを抑え、会社の財務健全性を保つために必要な仕事となるのが「原価管理」です。 「原価管理」は、「現場監督よりも経理の仕事では?」と思う人がいるかもしれません。 しかし、建設業界における「原価管理」は、現場監督が行うその他の管理業務との関連性も強いため、一元的に実行していくことが必要なのです。 そこで本記事では、現場監督が行う「原価管理」の仕事について、その詳しい内容をご紹介したいと思います。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 風水 現場監理 働き方改革