太陽光発電は売電ではなく自宅で使用した方がお得!?

太陽光発電は売電ではなく自宅で使用した方がお得!?

太陽光発電は、再生可能エネルギーとして最も身近で各住宅に設置が促されているものです。エネルギーを自給自足するために、太陽光発電を用いることで家庭の使用電気量を一部賄うことができます。太陽光発電を考える際に、設置コスト、メンテナンスコスト、売電単価で考えることが多いですが、家庭での使用量も考慮する必要があります。そして近年は電気代高騰、再生可能エネルギー発電促進賦課金の高騰により、太陽光発電の設置をされる方も増えてきています。この記事では、売電ではなく自宅で使用すると考えた場合、太陽光発電は設置がお得になってきているという紹介記事です。


電気代の上昇|過去10年間で約22%UP

電気代は2010年には20.4円/kWhであったものが、2019年には24.8円/kWhと、平均単価が約22%も上昇しています。そして現在も値上がりをし続けており、値下がりをする傾向にはありません。少なからず2010年の単価に戻ることは難しいでしょう。

22%も上昇していると、夏の各家庭で月に1万円かかっていた電気代が1.2万円程度になってしまうということで、年間にすると3万円以上は上がることになります。これだけ電気代が上がってくると、最低限の生活をする上で物価上昇とも重なり、生活は苦しくなってきていると実感している方も多いです。

電気代が上がっていることで、太陽光発電を導入しようと考える方が増えてきています。

再生可能エネルギー発電促進賦課金が約15倍に

再生可能エネルギー発電促進賦課金という、実質電気料金にプラスして支払っている料金があります。こちらは、2012年に導入されてから0.22円/kWhだったものが、2022年では3.45円と毎年値上がりを続けています。

そのため電気代は再生可能エネルギー発電促進賦課金を足すと実質、2010年には20.4円/kWhであったものが、28.25円/kWhとなってきているということです。約38%の上昇と考えると、夏の各家庭で月に1万円かかっていた電気代が1.38万円程度になってしまうということで、年間にすると5万円以上は上がることになります。

再生可能エネルギー発電促進賦課金とは

再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、電気を利用している国民全員から再生可能エネルギーを購入する費用をもらうという形を取ったものです。

ここでいう再生可能エネルギーとは、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電の5つを指します。これらの再生可能エネルギーの普及拡大のために、国が始めたのがFIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)です。
FIT制度による買取価格は、徐々に値下がりしており2022年で17円/kWhとなっています。買取価格が下がっているので再生可能エネルギー発電促進賦課金も下がるかと思いきや、こちらは上昇しています。

FIT制度は10年間同料金で買取を続ける制度ですので、FIT制度を初めてから、太陽光発電を導入する家庭が増えていくにつれ電力会社の買取額も増えていくもしくはほぼ変わらないことが見込まれます。

太陽光発電による電気は自宅で利用した方がお得

単純に、売電価格が17円/kWh、従量課金で再エネ賦課金も足すと28.25/kWhですので、売電するよりも電力会社から電力を買うのではなく、自宅で使用した方が11.25円/kWhもお得です。

FIT制度による買取価格が減少していることで、太陽光発電はダメと言っている方もいますが、投資や事業として太陽光発電を導入している(売電から利益を得る)仕組みは、確かに売り上げが下がることになるので難しい面もあるかもしれません。

しかし、家庭での電気料金が上がっている昨今では、自宅で使用することによって太陽光発電の恩恵を多く受けることができます。太陽光発電を導入する際には、このように自宅で電気を使用した場合のシミュレーションを組んだ方がお得度がより明確になるでしょう。

在宅ワークで共働きをされている方などは、日中の電気使用量が多くなりますので特に太陽光発電を導入し、自宅で電気を使用した方がお得でしょう。

新築住宅を建てる方は太陽光発電必須か!?

これから電気料金、再生可能エネルギー発電促進賦課金は上がっていくことは間違い無いでしょう。太陽光発電システムの設置費用は年々下がってきているため、新築時に設置することでさらにコストを抑えられますので、電気代を抑えるために太陽光発電は推奨されるようになってくるでしょう。

関連するキーワード


住宅

関連する投稿


戸建て住宅の需要が20~30代で増加|コロナの影響で生活スタイルの変化が要因

戸建て住宅の需要が20~30代で増加|コロナの影響で生活スタイルの変化が要因

 戸建て住宅の需要が若者世代で増加傾向にあるようです。新型コロナウイルスの影響で、リモートワークなどが浸透したことにより、都心部などで勤務する必要性が薄まってきたことが要因になります。また、地方で住宅を購入すれば、都心部でワンルームの家賃を払うよりもお得だと考えている方も多いのではないでしょうか。


住宅営業は平日休み|平日休みのメリット10選

住宅営業は平日休み|平日休みのメリット10選

住宅営業マンは平日休みとなっています。土日休みの企業で勤務していた方は、平日休みとなってしまうことに違和感などを感じる方も多いかと思います。これから転職を考えている方も、土日休みじゃないと嫌だと考えている方もいるかもしれません。しかし、平日休みに慣れてしまうと土日休みが嫌だという方もいらっしゃいます。この記事では平日休みのメリットについてご紹介していきます。


人口減少により住宅業界も衰退していくのか!?これからの転職は考え直した方が良いのか

人口減少により住宅業界も衰退していくのか!?これからの転職は考え直した方が良いのか

 転職を考える際に、業界規模や市場、今後の市場推移などを把握することは将来を考える上で非常に重要です。住宅業界というのは、人口に直接的に関わってくる業界と言えます。日本は人口減少が進んでおり、少子高齢化していっています。そこで実際に住宅業界の現場と、今後の予測をご紹介いたします。


クレームの少ない住宅営業マンが実践する4つのポイント|基本を抑えて、あなたもできる営業マンになろう

クレームの少ない住宅営業マンが実践する4つのポイント|基本を抑えて、あなたもできる営業マンになろう

 営業マンにはクレームの多い営業マンと少ない営業マンがいます。クレームが多い営業マンは、売上にかかるプレッシャーと、お客様からの精神的負担が大きくなります。営業活動における体力と精神力の両方が疲弊していきます。この記事では、クレームの少ない営業マンが実践する行動をご紹介いたします。


住宅営業は自腹でクレーム解決!?転職前に知っておく自衛の4つのポイント|ブラック企業を避けよう

住宅営業は自腹でクレーム解決!?転職前に知っておく自衛の4つのポイント|ブラック企業を避けよう

 よく住宅営業で、クレームが起きた際に営業の責任とされてしまうという話を聞くのではないでしょうか。営業マンが自腹でお金を払い、クレーム処理をするということも聞きます。他の業界ではこのような話をほとんど聞かないため、不安になる求職者も多いです。そこで、どのような場合に自腹を切ることになってしまうのか、そういったブラック企業での自衛手段をご紹介いたします。


最新の投稿


戸建て住宅の需要が20~30代で増加|コロナの影響で生活スタイルの変化が要因

戸建て住宅の需要が20~30代で増加|コロナの影響で生活スタイルの変化が要因

 戸建て住宅の需要が若者世代で増加傾向にあるようです。新型コロナウイルスの影響で、リモートワークなどが浸透したことにより、都心部などで勤務する必要性が薄まってきたことが要因になります。また、地方で住宅を購入すれば、都心部でワンルームの家賃を払うよりもお得だと考えている方も多いのではないでしょうか。


建設業界の働き方が変わる!建設キャリアアップシステムとは

建設業界の働き方が変わる!建設キャリアアップシステムとは

人口減少と高齢化の加速にともない、建設業界の働き方も大きく変わろうとしています。 とくに次世代を担う人材が不足しているという点は深刻な問題であり、若い世代が働きたいと魅力を感じる環境づくりは急務となっています。 国としても、建設業の働き方改革を加速化させるいくつかの取り組みを策定していますが、そのひとつが「建設キャリアアップシステム」です。 「建設キャリアアップシステム」とは、建設業に携わる技能士のキャリアなどを見える化し、適正な評価のもとに待遇向上を目指すものになります。 そこで本記事では、「建設キャリアアップシステム」の取り組みについて、その内容をくわしく解説したいと思います。


【超重要】現場監督が行う原価管理の仕事

【超重要】現場監督が行う原価管理の仕事

現場監督の仕事は幅広く、現場で起こるあらゆることに取り組まなくてはいけません。 また、工事を進めるうえでムダを抑え、会社の財務健全性を保つために必要な仕事となるのが「原価管理」です。 「原価管理」は、「現場監督よりも経理の仕事では?」と思う人がいるかもしれません。 しかし、建設業界における「原価管理」は、現場監督が行うその他の管理業務との関連性も強いため、一元的に実行していくことが必要なのです。 そこで本記事では、現場監督が行う「原価管理」の仕事について、その詳しい内容をご紹介したいと思います。


住宅営業は平日休み|平日休みのメリット10選

住宅営業は平日休み|平日休みのメリット10選

住宅営業マンは平日休みとなっています。土日休みの企業で勤務していた方は、平日休みとなってしまうことに違和感などを感じる方も多いかと思います。これから転職を考えている方も、土日休みじゃないと嫌だと考えている方もいるかもしれません。しかし、平日休みに慣れてしまうと土日休みが嫌だという方もいらっしゃいます。この記事では平日休みのメリットについてご紹介していきます。


人口減少により住宅業界も衰退していくのか!?これからの転職は考え直した方が良いのか

人口減少により住宅業界も衰退していくのか!?これからの転職は考え直した方が良いのか

 転職を考える際に、業界規模や市場、今後の市場推移などを把握することは将来を考える上で非常に重要です。住宅業界というのは、人口に直接的に関わってくる業界と言えます。日本は人口減少が進んでおり、少子高齢化していっています。そこで実際に住宅業界の現場と、今後の予測をご紹介いたします。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 風水 現場監理 働き方改革