[まずはココから]建物は、倒れない構造で出来ている
当たり前ではないか!と思われるかもしれませんが、これを理解していれば、どのような工法も何となく理解できるようになります。建築工法には、様々な工法がありますが、簡単にいうと「部材を組み合わせたときに、倒れない組み方」=「工法」になります。この倒れない組み方に、住みやすいような機能をプラスしています。例えば、雨漏りしないという最低限のことや断熱効果、外観の美しさを追求して建造物が建っています。
つまり、ツーバイフォー工法も倒れない構造で、住みやすい家づくりに適した部材の組み合わせ方ということです。
ツーバイフォーとは、部材の名前
ツーバイフォー工法のツーバイフォーとは部材の名前になります。その部材は「木材」です。木材?と思った方もいらっしゃるかもしれません。正確には、ツーバイフォーの規格に沿って切り出された木材になります。ツーバイフォー(2×4)は2インチ×4インチの木材を意味します。実はとても簡単で、この2×4の木材を使用して建てられた住宅がツーバイフォー工法で建てられた住宅という意味になります。2インチ×4インチは、約5.08cm×10.16cmになります(ただし、2×4材は建築用語として残っている名前で、実寸はこれよりも小さくなっています。)長さは特に決まっていません。
■なぜ2インチ×4インチのサイズ?効率が良いから
どのサイズの部材でも家屋は立ちますが、一つのサイズにした方が部材の費用もかかりませんよね。しかし、なぜ2インチ×4インチのサイズが選ばれたのでしょうか?それは、製材サイズの扱いがしやすいからです。2×12の部材をとっておけば、これを半分にすれば2×6材が2本になります。3本にすれば2×4材を作れます。2×8材を半分にすれば2×4材が2本できます。このように製材においても非常に便利で扱い易いためこのようなサイズになっています。
ツーバイフォー工法は面で支える構造
ツーバイフォー工法は、面を作ることで建造物が倒れないようにしています。具体的にはツーバイフォー材で四角形を作ります。このままでは、四角形は揺れや重さに耐えきれず、平行四辺形に歪んでしまいます。そこで、この四角形に合板(平たい板)を付けます。このようにすることでこの四角形は直角を保つことができます。このような面を床、壁としていくことで倒れない構造物を作っています。
ツーバイフォー工法の特徴
ツーバイフォー工法で建てられた家がどのような特徴を持っているのか、簡単にご紹介します。工法というのは、建物が倒れない構造をとる部材の組み合わせ方とご説明しましたが、この部材の組み合わせ方によって特徴があるという意味になります。
■3つのメリット
・工期が比較的短い
ツーバイフォー材という決まった規格の部材を使うため、システム化された工事のため、工期も比較的短くなります。在来工法では、現場で大工の手作業が必要になるため、工期は比較的長くなります。
・耐震性が良い
面で支える構造のため、比較的地震による揺れが小さく、耐震性が良いです。在来工法は線で支えているため、揺れに比較的弱いと言えます。
・断熱性能が高い
合板によって面を作っているため、高気密、高断熱効果が期待できます。そのため省エネ効果が得られます。
■3つのデメリット
・結露が生じやすい
高気密、高断熱のため、内部と外気に温度差が生じ結露が発生し、カビなども発生しやすいと言えます。
・間取りの変更がしにくい
面で決まった構造をとっているため、リフォームなどで間取りの変更をすることは難しいです。その面を壊してしまったら、倒れない構造が壊れてしまうためです。
・開口部を広くしにくい
窓を大きくしにくいということになります。面で構造を形成しているため、その面に大きな穴を開けてしまうと強度が下がることになります。
ツーバイフォー工法の工事順序
簡単に工事順序をご紹介します。(建てる建造物や工務店などによって違う場合もあります)
↓1F床を組み立てる
↓1F壁パネルを組み立てる
↓2F床を弓立てる
↓2F壁パネルを組み立てる
↓屋根を組み立てる
↓屋根材、外装材、サッシ等を取り付ける
になります。
まとめ
ツーバイフォー工法は、倒れないツーバイフォー材を使用した面で支えている構造で建造物を建てる方法になります。アメリカなどでは9割以上がこの工法で建てられており、非常に優秀な工法です。日本でもコストやその工期の短さから導入している企業も多くあります。少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
※この記事はリバイバル記事です。