マンション管理士は役に立つ?難易度、今後の見通し

マンション管理士は役に立つ?難易度、今後の見通し

マンション管理士という資格をご存知でしょうか?マンションの管理業務において、法令や実務、管理組合の運営円滑化、構造や設備などに関する管理全般を扱います。このマンション管理士資格は、国家資格であり難易度も高いものですが独占業務ではなく、あまり役に立つものではないのではとされていました。しかし、2022年の法改正によりマンション管理計画認定制度ができ、マンション管理士が注目されています。この記事では、難易度や今後の資格の有用性についてご紹介いたします。


2022年の法改正によりマンション管理士が注目されている

令和2年6月24日に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律」が交付されました。改正マンション管理適正化法に「マンション管理計画認定制度」ができ令和4年4月1日から施行されます。

何が注目されているかというと、マンション管理士は名称独占資格であり独占業務がありませんでした。独占業務とは、有資格者でないとその業務を遂行することができないというものです。法改正により、独占業務とはなっていないものの、マンション管理士でないと対応が難しい制度に変わっていく傾向が掴めます。

これからマンション管理士の資格の有用性が高まり、受験者数の増加や需要増加が見込まれます。

マンション管理士の資格試験と難易度

・マンション管理士の受験資格
マンション管理士には受験資格はありません。そのため学歴や実務経験などは一切必要なく、資格試験合格することで資格を得ることができます。

・難易度
難易度は非常に高く、合格率は約9%となっています。受験者数が約1.3万人に対し、合格者は約1000人程度です。
必要勉強時間は500時間程度とされており、宅建士よりやや難しく、行政書士や社労士より比較的易しいとされているようです。

・試験内容
(1)マンション管理に関する法令及び実務に関すること
(2)管理組合の運営の円滑化に関すること
(3)マンションの建物および付属設備の構造および設備に関すること
(4)マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること

マンション管理計画認定制度によるマンション管理士の有用性

マンション管理計画認定制度の概要、マンション管理士の有用性などについてご紹介いたします。

マンション管理計画認定制度とは

マンション管理計画認定制度とは、マンション管理計画が基準を満たした場合に公共団体から認定を受けられるという制度です。海外では、マンションの管理状況などは開示されており、マンション取引における重要な情報ともなっています。
また、マンションは築年数が経つにつれ、その状態も経年劣化してきますが、日本では適切な管理を行なっていないマンションもあり、それらは築年数が経つにつれ劣化状況が著しくなり、危険な建造物として放置されてしまうといったリスクも懸念されます。建て替えに関しても入居者で構成された組合で適切に管理できるかというとそうではありません。

これらの問題を解決するために、マンションの管理計画を適切に立て、メンテナンス等を実施することが期待されています。

認定基準について

マンション管理計画認定制度の認定基準は、以下のようになります。
・修繕その他管理の方法
・修繕その他の管理に係る資金計画
・管理組合の運営状況
・管理適正化指針、市区独自の管理適正化指針に照らして適正なものであること

これらの認定基準を満たすことで、適切なマンションの管理を行われていると評価されます。購入希望者が適切にマンションの管理状況などを把握できることで、市場価値なども維持でき、建造物として危険でなくなります。
また、新築マンションにも認定基準が適用され、フラット35の金利優遇がされます。これらのことから、マンション管理計画認定を受けることは健全なマンション運営において必須となっていくことが予想されます。

マンション管理士の有用性

マンション管理計画認定の流れは以下の通りです。
↓マンション管理センターに認定申請
↓マンション管理士による確認
↓適合証の発行
↓地方公共団体へ認定申請
↓合格認定

マンション管理士が確認を行い、適切な管理計画となっているのかについて判断するという流れが必要になってきます。入居者による組合だけでは書類申請などが難しくなる見込みです。

(必要認定申請書類例)
・認定申請書
・総会議事録の写し
・管理規約の写し
・賃借対照表
・収支決算書
・各戸の修繕積立金滞納額がわかる書類
・長期修繕計画の写し
・組合員、居住者の名簿の保証書

関連するキーワード


住宅

関連する投稿


【営業が変わる!4ステップ】お客様が住宅契約を決める理由

【営業が変わる!4ステップ】お客様が住宅契約を決める理由

営業にとって、お客様の住宅契約を決める理由がわかれば苦労することはありません。しかし、お客様が契約する理由を見つけることは不可能です。なぜなら、お客様も「これがあったら契約する」というものを明確に決めている方はいないからです。これを勘違いしている営業もいるのではないでしょうか?そのため、お客様が住宅契約を決める理由をヒアリングすることが、営業の仕事だと思い込んでしまっている方もいらっしゃいます。この記事では、営業の考え方がガラッと変わるかも知れない、お客様が住宅契約を決める理由をご紹介いたします。


【難しくない!】1つだけ守れば良い。現場監督のコミュニケーション

【難しくない!】1つだけ守れば良い。現場監督のコミュニケーション

現場監督は、よくコミュニケーション能力が必要で、発注者(もしくは施工会社)とお客様、職人と板挟みになってしまう、と聞きます。現場監督は、工事現場の一種の連絡ツールです。そのため、この連絡ツールとなっている現場監督がうまくコミュニケーションを取れないと、予期せぬトラブルに発展することもあります。しかし、いわゆる「話がうまい」「誰とでも仲良くなれる」といったようなコミュニケーションスキルは必ずしも必要ではありません。この記事では、1つだけ守れば、現場監督としてのコミュニケーションが上手くいく方法をご紹介いたします。


働き方改革!施工管理者の残業を減らそう

働き方改革!施工管理者の残業を減らそう

働き方改革が進んでいますが、施工管理の慢性的な長時間労働は、まだ改善の余地があります。会社によっては、全く変わらない状況のところもあります。長時間労働は、労働者を疲弊させるだけでなく、業界としても人手をすり減らしていくことは、長期的にデメリットしかありません。ではなぜ、施工管理は残業時間が多くなってしまうのでしょうか?業務を効率化させる方法は、何か、なぜ浸透していないのかについてご紹介いたします。


外構の基本|種類・役割や注意点

外構の基本|種類・役割や注意点

戸建て住宅において、施主様が気にしていないことも多い外構ですが、住宅環境を考える上では非常に重要な要素です。外構について工務店などの施工会社が、その予算や、必要性について認識していなければ、お客様が住んでから困ってしまいます。この記事では、外構の基本的な知識から、その役割、特に注意しなければならない境界などについてご紹介いたします。外構工事だけでも数百万円とかかることもあるため、設計時には最初に伝えておくべきことでもあります。


入居後のクレームを減らす!新築住宅設計時のポイント

入居後のクレームを減らす!新築住宅設計時のポイント

ハウスメーカー、工務店の営業などは、引き渡し後にお客様からクレームがあったという方は多いのではないでしょうか?クレームとは言わなくても、お客様の認識が、イメージしていたものと異なっており、不満が残ってしまうということもよくあります。こういったトラブルの中でも、汚れや、メンテナンスが必要だと思わなかったという不満が多いです。新築時には、メンテナンスのことをあまり営業も話したがらないです。そして、営業も建築士も、メンテナンスのことはほとんど知らないということもあります。この記事では、入居後のクレームを減らすために知っておくべき、住宅設計時のポイントについてご紹介いたします。


最新の投稿


【現場監督がよく使う建設用語】ユンボとは?語源や必要な資格は?

【現場監督がよく使う建設用語】ユンボとは?語源や必要な資格は?

工事現場では、一般の人には伝わりにくい用語が使われることがありますが、「ユンボ」もそのひとつです。 「ユンボ」とは、「油圧ショベル」や「パワーショベル」など、土木工事で掘削用として使われる建設機械のことをいいます。 しかし、なぜ「ユンボ」と呼ばれているのか、その語源を知っている人は少ないのではないでしょうか? また、「ユンボ」は土木工事では欠かせませんが、誰にでも扱えるというものではなく、操作をするには資格が必要となります。 そこで本記事では、現場監督がよく使う建設用語である「ユンボ」について、その語源や必要となる資格などをご紹介したいと思います。


上棟式はしないといけないの?しない場合にやっておきたいこととは?

上棟式はしないといけないの?しない場合にやっておきたいこととは?

住宅の新築工事の期間中には、施主にとって多くのイベントがあります。 そのうち、とくに木造住宅では、上棟が重要な節目となり、なかには「上棟式」を行うケースがあります。 しかし、「上棟式」とはどのようなもので、また行う必要があるものなのでしょうか? そこで本記事では、新築住宅の「上棟式」はしないといけないのか、また住宅会社の立場として「上棟式」をしない場合にやっておきたいことなどについて、ご紹介したいと思います。


【営業が変わる!4ステップ】お客様が住宅契約を決める理由

【営業が変わる!4ステップ】お客様が住宅契約を決める理由

営業にとって、お客様の住宅契約を決める理由がわかれば苦労することはありません。しかし、お客様が契約する理由を見つけることは不可能です。なぜなら、お客様も「これがあったら契約する」というものを明確に決めている方はいないからです。これを勘違いしている営業もいるのではないでしょうか?そのため、お客様が住宅契約を決める理由をヒアリングすることが、営業の仕事だと思い込んでしまっている方もいらっしゃいます。この記事では、営業の考え方がガラッと変わるかも知れない、お客様が住宅契約を決める理由をご紹介いたします。


工事現場写真の撮り方・整理方法・カメラの選び方

工事現場写真の撮り方・整理方法・カメラの選び方

現場監督だけでなく、ときには営業も現場写真を撮ることがあります。現場写真は、工事現場の確認にとって一番重要です。たとえ目視で問題がないことを確認しても、それを他の人に証明しなければいけません。公共工事でも全ての工事には、写真撮影での記録の保持が求められます。しかし、写真の撮り方というものをしっかりと学ばずに、写真を撮ってしまっている方もいます。写真を撮ることが仕事となっている以上、写真の撮り方を学ぶことは必要で、実は注意しなければいけないポイントもあります。この記事では、現場写真の撮り方・整理方法・カメラの選び方までご紹介いたします。


現場監督の仕事のコツ|打ち合わせ記録

現場監督の仕事のコツ|打ち合わせ記録

現場監督は、毎日、様々な部署や取引先、職人、発注者などと打ち合わせを行います。その際に、お互いに何を確認したのか、決定事項は何かなどを共有する必要があります。電話やメールでやりとりを行っていたとしても、お互いの認識が異なっていることもよくありますし、時間が経てば忘れてしまうものです。相手も多くの連絡を行っており、情報がごちゃごちゃになってしまっていたなんていうこともあります。現場監督は、打ち合わせの記録を的確に行うことで、業務効率を上げ、予期せぬミスを防ぐこともできます。この記事では、実務に役立つ打ち合わせ記録の仕方をご紹介いたします。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


住宅 利益 新築工事 現場監督 施工管理 職人 営業 建築 資格