施工管理職はキャリアプランをどう立てる?資格や転職について

施工管理職はキャリアプランをどう立てる?資格や転職について

施工管理職は、建築業界の中でも建築士とは違い、現場により近い職業を対象にした職種です。建築士が企画を行うとすると、施工管理技士は現場を動かす専門家です。そのため、現場のことについては建築士よりも施工管理職の方が知っているということもあります。建築業界は慢性的な人手不足であり、施工管理職の人材も不足していると言われています。そのため、高待遇で求人を募集している企業もあり、これから施工管理職としてキャリアを積み重ねようと考えている方も多いです。この記事では、施工管理職がどのようなキャリアを重ねていくことができるのか例とともにご紹介いたします。


未経験者の施工管理職

建築業界未経験、もしくは現場工事に携わったことのない方が施工管理職に挑戦する場合は、どのようなキャリアプランを立てれば良いでしょうか?
大学から建築学科に通い、新卒で建築業界に入っていた方だけが、施工管理職に就けるというわけではありません。未経験でもキャリアを形成することは可能です。

例えば、未経験者の場合でも施工管理職に就くことは可能になります。リフォームなどの比較的簡易的な工事業者の施工管理職に就き、そこで経験を積むことができます。施工管理職は、まずは資格を取得していくことがキャリアには必須になりますので、その順についてご紹介いたします。

資格取得の順

学歴や実務経験により、受験資格の要件が変わりますので、ここではそれらが一切ないとして考えます。学歴や実務経験が豊富な方は、以下の順が比較的早く取得できると考えて問題ありません。

↓2級施工管理技士 筆記のみ
(技能との同時受験は、受験資格要件あり)
↓2級施工管理技士 技能のみ
(筆記試験合格で、受験資格を満たします)
↓1級施工管理技士やその他資格

基本的には、上記のように2級施工管理技士の資格を取得することからキャリアが本格的にスタートできます。施工管理職は、資格手当を導入している企業も多く転職でも有利になります。1級施工管理技士を取得すると、ゼネコンなどでの大規模工事にも携われるようになります。

施工管理技士としてのキャリアは、ゼネコンなどでの待遇が1番厚いと言えます。しかし、ゼネコンなどにうまく転職できることも限られていますので、その他の資格などを取得し、他人との差別化やマッチした企業を探すことが堅実です。

施工管理職のキャリアプラン例

施工管理職のキャリアプランについてご紹介いたします。
(一般例)
新卒で食品メーカーに勤務していたが、給与の低さやキャリアプランが築きにくく、特に広く通用する資格等も無いため、興味を持っていた建築業界(リフォーム業)に転職。
リフォーム業では、外装工事、室内リフォーム、外構工事など幅広く管理を行い、工程管理、安全管理、原価管理、品質管理を1人でこなせるようになる。
その後、施工管理技士の資格を取得し、戸建て住宅の建設に携わる仕事に転職。転職動機は、新築住宅の建設に携わり、その知識や経験を身につけるため。
数年働き、1級施工管理技士の資格を身につけ、さらに待遇の良い会社に転職を成功。40代で、年収600万円になり安定した収入を得る。

上記は一般例になりますが、人手不足もあり順調に資格を取得しキャリアを形成することは比較的容易ではないでしょうか。さらに、建築業界は住宅関連だけではありませんので、その他の資格取得などにより様々な転職が可能です。

その他の資格を取得

施工管理技士は、その他の資格を取得することでさらに専門的な職業に就くことができ、専門職であれば待遇も厚いものが多くなりキャリアプランに選択肢が増えます。
・建築士
・福祉住環境コーディネーター
・建築物環境衛生管理技術者
・建築設備士
・建築基準適合判定資格者検定
・測量士
・インテリアコーディネーター
・照明、空間デザイナー
・危険物取扱者など

上記のような資格を取得することで、建築一般の知識にプラスしてより専門的な知識と能力を得ることができます。資格を取得していれば、転職活動を行う上で自身の興味のある職に就くことができます。

キャリアプランを築くコツ

まずは長期的なキャリアを見据えた上で、目先の着実に取得できる資格を取得していきましょう。2級施工管理技士の資格を取得し、まずは資格を持ちながら実務経験を積みましょう。その中で、建築業の中でもどのような職があり、自分が興味のある分野なのかを見極めましょう。

キャリアプランを築いても、それ通りにうまくいくかはわからないため、最初は不安かもしれません。ただ、施工管理職の場合には職を失うということは、人手不足であまり考えられないため、比較的安心してキャリアを地道に形成していきましょう。

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