住宅ローンの種類
住宅ローンは大きく分けて、公的ローンと民間ローンの2種類があります。公的ローンは公的機関による融資で、民間ローンは銀行や生命保険会社などが取り扱っています。
■公的ローン
公的ローンは、財形住宅融資と自治体融資があります。
・財形住宅融資
大企業などに勤めるサラリーマン向けの融資制度になります。財形貯蓄は、福利厚生の一環として導入している企業の従業員が利用できるもので、給与から天引きされ確実に貯蓄が可能になるものです。提携先(銀行、保険会社、証券会社など)によって商品が変わり、定期預金、貯蓄型生命保険、投資信託などが扱われています。
融資を受ける条件は、財形貯蓄を1年以上続けており、貯蓄残高が50万円以上ある人です。融資上限額は、財形貯蓄残高の10倍以内で最高4000万円までとなっています。金利は、5年ごとに見直しが入る5年固定金利型です。
・自治体融資
地方自治体が行っているもので、内容や条件は各自治体によって異なります。
■民間ローン
民間ローンは大きく分けて、提携ローンと非提携ローンに分かれています。都市銀行、地方銀行、生命保険会社、ノンバンクなどの民間機関が取り扱っています。
・提携ローン
提携ローンは、金融機関と不動産会社もしくは勤務先が提携している住宅ローンです。通常のローンと比べて金利などが優遇されており、購入者にとって審査が簡便で手続きも早く便利になっています。ただし、希望する住宅ローンが利用できないというデメリットもあるため、非提携ローンを選ぶことも可能です。
・非提携ローン
提携ローン以外を非提携ローンと言います。非提携ローンは、自分で自由に選択できるというメリットがあります。
金利、返済方式の種類とおすすめ
住宅ローンは、金利と返済方式を選択する必要があります。
(金利)
・固定金利
借入時に契約で定めた金利が、返済期間まで変わらないタイプです。他のタイプよりも比較的高い金利設定となっています。返済金額が将来にわたって変わらないため、管理がしやすくリスクが少ないと言えます。ただし、変動金利に比べると負担は大きくなる傾向にあります。
・固定金利選択型
固定期間終了後に変動型か固定金利型を選択することができます。市場金利が安定していない場合に、こちらのタイプを選択される方もいます。
・変動金利型
金利が年2回見直され、返済額には5年ごとに反映されるものが一般的です。借入時の金利から変動していくため、管理が多少しにくく、金利上昇によるリスクもあります。しかし、金利が他のタイプよりも圧倒的に低いため、このタイプを選択される方がほとんどです。
(返済方式)
・元利均等方式
元金と利息を合わせて、毎月の返済額を一定に保つ方法です。返済負担が比較的少ないため、こちらの方式で返済される方が多いです。
・元金均等方式
毎月同じ額の元金に対し、利息を足した金額を返済していく方式です。毎月の返済額は、初回から徐々に減っていきます。返済負担は比較的大きいですが、返済総額は元利均等方式よりも少なくなります。返済負担が大きいため、元利均等方式で借入を行い、10年や20年といったタイミングで繰り上げ返済をする場合と、どちらがライフプラン等に合っているかで検討すると良いです。
民間ローンはどの金融機関を選ぶ?
民間ローンは、メガバンク、地方銀行、信用金庫、ネット銀行、フラット35などから選ぶことができます。それぞれの特徴についてご紹介いたします。
・メガバンク
メガバンクでの住宅ローンは、比較的金利が低く設定されており、利用される方も多いです。倒産リスクもなく、対応が早く安心できるメリットがあります。団体信用保険においても、保証が手厚く、ワイド団信といった持病等がある方でも入れるものもあります。
・地方銀行
メガバンクよりも比較的金利が高くなる傾向があります。ただし提携ローンなどにより金利をかなり抑えた銀行もありますので、一概に高いとは言えません。
メガバンクよりも顧客に寄り添った対応を行ってくれるため、借り入れがしにくい条件でも比較的審査基準が低くなるように設定されている銀行もあります。移住などによる住宅取得で、住宅ローンを利用する場合には、勤務先や年収が審査基準に入らないといった銀行もあります。
・信用金庫
信用金庫は、地域社会の利益を優先としており、独自の審査基準があります。金利は地域差があります。メガバンクなどでは審査が通りにくい、個人事業主などでも親身に対応してくれることが多いです。
・ネット銀行
原則インターネット上での審査が行われ、金利が比較的低い特徴があります。事前審査は審査が甘く、本審査が厳しいと言った特徴があるようです。直接相談などができないため、対応が弱いところがデメリットになります。
・フラット35
民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携している、長期固定金利の住宅ローンです。最長35年の借入が可能で、借入期間や住宅金額に対する借入金額の割合で金利が変わります。
団体信用生命保険に加入せずに借入することも可能なため、健康不安がある方に向いています。
一般的に、提携ローンを選択しメガバンクや地方銀行からの借入を検討し、審査が受からなかった場合にはフラット35などを検討していくと言った場合が多いです。