【現場監督がよく使う建設用語】コンクリートのジャンカとは?

【現場監督がよく使う建設用語】コンクリートのジャンカとは?

住宅の新築工事では、コンクリートを使う工事が多くあります。 そして、コンクリート工事は、工場から運んできたフレッシュコンクリートを現場で流し込むことが一般的です。 ところが、適切な施工が行われないと、さまざまな不具合が起こることも少なくありません。 コンクリートの「ジャンカ」もそのひとつですが、この現象は、品質の低下を招く原因となるため、発生した場合は適切な処置が必要となります。 では、コンクリートの「ジャンカ」とは、具体的にどのようなものであり、品質にどのような影響を与えるのでしょうか? そこで本記事では、コンクリートの「ジャンカ」について、詳しく解説したいと思います。


住宅の新築工事では、コンクリートを使う工事が多くあります。
そして、コンクリート工事は、工場から運んできたフレッシュコンクリートを現場で流し込むことが一般的です。

ところが、適切な施工が行われないと、さまざまな不具合が起こることも少なくありません。
コンクリートの「ジャンカ」もそのひとつですが、この現象は、品質の低下を招く原因となるため、発生した場合は適切な処置が必要となります。

では、コンクリートの「ジャンカ」とは、具体的にどのようなものであり、品質にどのような影響を与えるのでしょうか?
そこで本記事では、コンクリートの「ジャンカ」について、詳しく解説したいと思います。

コンクリートのジャンカとは

コンクリートのジャンカとは、打設後に骨材が一部に集中することによって、表面に空隙が生じる現象のことをいいます。

コンクリートは、セメントと粗骨材(砂利)、細骨材(砂)、水を混ぜ合わせてつくります。
そして、打設した後に型枠を撤去し、粗骨材が集まった状態で仕上げ表面に現れたものがジャンカです。

ジャンカは、見た目に悪いのはもちろんのこと、品質にも影響を与えることがあるため、発生した場合は適切な処置を施す必要があります。

ジャンカが発生する原因について

ジャンカが発生するのは、施工時の問題が挙げられます。
施工時の問題とは、おもに締固め不足です。

打設工事は、型枠内にフレッシュコンクリートを流し込み、施工者がバイブレーター(振動機)を差し込んで空気を抜きながら締め固める作業を行います。
ところが、この締固めが十分に行われないと、粗骨材が一部分に集まった状態で硬化してしまうのです。

よって、施工者は正しい施工をすることが重要であり、また現場監督は適切に行うよう指導を行う必要があります。
また、高所からの打設など、施工環境によっては、材料が分離してジャンカが発生しやすくなるケースもあります。

ジャンカが品質に与える影響について

ジャンカが発生すると、完成品質に影響を与えることがあるため、十分に注意しなくてはなりません。
おもな影響とは、以下のようなことです。

  • 見た目の印象が悪い
  • 中性化の促進

見た目の印象が悪い

まずジャンカは、見た目の印象が非常に悪いという特徴があります。
ジャンカが発生していると一目でわかるため、仮に施主の目にふれたときには大きな不安を与えてしまうかもしれません。

ジャンカは、型枠を撤去した段階ですぐにわかる現象です。
場合によってはトラブルになる可能性もあるため、できるだけ早期に補修を検討する必要があるでしょう。

中性化の促進

ジャンカは、コンクリートの中性化を促進させる恐れがあります。
中性化とは、通常、強いアルカリ性を示すコンクリートが、空気中の炭酸ガスと反応することによって少しずつアルカリ性を失っていく現象をいいます。

そして、ジャンカは、表面に空隙が生じることで、かぶり厚さが十分に確保できないケースも多く、中性化が進みやすくなるのです。

なお、かぶり厚さに関する詳しい内容は、「【現場監督がよく使う建設用語】鉄筋の「かぶり」とはなに?」の記事を参考にしてください。

また、中性化は、コンクリートの劣化現象であり、内部の鉄筋にまで及ぶと耐久性を損ねる原因となるため、十分に注意しなくてはなりません。
というのも、コンクリート内部はアルカリ性を保つことで鉄筋を腐食から守っていますが、中性化が進行すると錆びを引き起こすためです。

鉄筋は錆びると膨張するため、内側からコンクリートを破壊しながら、その範囲を拡大していくことになります。
つまり、コンクリートの長寿命化を図るには、鉄筋を腐食から守ることがポイントであり、中性化を促すジャンカを発生させないよう施工することも重要なのです。

まとめ

コンクリートのジャンカは、見た目が悪いだけでなく、品質の低下を招く原因にもなりかねない現象です。
そして、ジャンカを防止するには、適切に施工されることがポイントとなります。
そのため、現場監督は、施工業者に対して正しい施工を確実に行うよう指導する必要があり、また完成後の検査を行って確認することが重要になるでしょう。

関連する投稿


【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

現場監督は、あらゆる業務を行わなければなりませんが、「現地調査」もそのひとつです。 「現地調査」とは、工事が始まる前に実際の現場を確認する事前調査のことをいい、新築工事やリフォームなど、工事によって調査する内容は変わります。 また現場監督は、工事に取り掛かる前に施工計画を作成しますが、現地を確認しなければ実行性のある計画がつくれるとは限りません。 施工計画に不備があれば工事は混乱し工程に狂いが生じる恐れもあるため、「現地調査」は非常に重要なのです。 そこで本記事では、現場監督が行う「現地調査」について、おもに新築工事が始まる際に確認しておきたいことをご紹介いたします。


【要注意】現場監督の靴のにおい対策とは?

【要注意】現場監督の靴のにおい対策とは?

現場監督にとって、気になることのひとつに「靴のにおい」があります。 とくに新築住宅だけでなく、引き渡し後のアフターサービスやリフォームなども担当している場合は十分に注意しておかなければなりません。 といいうのも、強いにおいがある状態で家のなかに入ると、施主はいやな気持ちになることが予想されるためです。 せっかく品質の優れた建物を建てても、それだけで満足度が下がってしまうかもしれません。 そこで本記事では、現場監督が注意しておきたい「靴のにおい」について、その原因と対策についてご紹介したいと思います。


【超重要】建設業の安全パトロールとは?

【超重要】建設業の安全パトロールとは?

建設業界はさまざまな課題を抱えていますが、とくに施工管理者にとって最重要といえるのは労働災害を防止するための取り組みではないでしょうか。 施工管理の仕事は、多岐に渡ります。 なかでも、現場に携わる人たちが安全に作業できる環境をつくることは最優先に取り組む必要があり、そしてその取り組みのひとつが「安全パトロール」です。 そこで本記事では、施工管理者が行う「安全パトロール」について、その目的やチェックするべきポイントなどをご紹介いたします。


【管工事施工管理技士】受験資格や取得するとできる仕事とは?

【管工事施工管理技士】受験資格や取得するとできる仕事とは?

建設業界でキャリアアップを図るには、資格を取得することが重要なポイントとなります。 とくに施工管理の仕事で活躍したい場合は「施工管理技士」資格が有効です。 「施工管理技士」の資格は7つの種類がありますが、建築工事では欠かせない管工事に携わるなら「管工事施工管理技士」を取得するとよいでしょう。 ただし、「施工管理技士」資格は誰にでも取得できるわけではなく、一定の条件を満たし、かつ試験に合格しなくてはなりません。 そこで本記事では、「管工事施工管理技士」の受験資格や取得するとできる仕事についてご紹介したいと思います。


【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

現場監督をしていて、新人は特に忘れっぽい人がいます。このような方は、意外に多いです。仕事ができない人というわけではなく、現場監督になるとそのようなことが起こります。理由は、住宅の現場監督は、タスクが以上な量になってしまうからです。細かい伝達内容などが発生し、それをその場で対処したり、数時間後に対処したり、場合によっては別日に対応するなど、非常に複雑になります。1つ1つのタスクは非常に簡単ですが、10個など多くなってくると、全てを覚えておくことは不可能に近いです。この記事では、住宅現場監督が、タスクに埋もれずに、効率的に業務を遂行できる方法としてメモをご紹介いたします。


最新の投稿


【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

現場監督は、あらゆる業務を行わなければなりませんが、「現地調査」もそのひとつです。 「現地調査」とは、工事が始まる前に実際の現場を確認する事前調査のことをいい、新築工事やリフォームなど、工事によって調査する内容は変わります。 また現場監督は、工事に取り掛かる前に施工計画を作成しますが、現地を確認しなければ実行性のある計画がつくれるとは限りません。 施工計画に不備があれば工事は混乱し工程に狂いが生じる恐れもあるため、「現地調査」は非常に重要なのです。 そこで本記事では、現場監督が行う「現地調査」について、おもに新築工事が始まる際に確認しておきたいことをご紹介いたします。


テナントの意味、テナント工事のABC

テナントの意味、テナント工事のABC

テナントビルは、オフィスビルや商業ビルの賃貸のことを意味します。テナントは、借りる方で、ビルなどのオーナーと契約することになります。テナントが入るにあたり、内装のリフォームで工事が必要になります。これがテナント工事です。テナント工事には、ABCという工事区分がありますが、どれがどれなのかしっかりと把握しているでしょうか?これらを把握すると同時に、なぜ把握する必要があるのか、また工事区分により何に注意しなければならないのかを知っておきましょう。この記事では、テナントの意味から、どのようなトラブルがあるのか、ABC工事区分についてわかりやすくご紹介いたします。


【クレーム対策】住宅基礎のクラックは施行不良なの!?

【クレーム対策】住宅基礎のクラックは施行不良なの!?

住宅業界、建築業界はクレーム産業と言われるほどクレームが多いです。クレームが怖くて業界から離れてしまった方や、業界に飛び込みにくいという方もいらっしゃるかもしれません。ただし、しっかりとした知識を身につけて、お客様対応を行なっていればそこまで大きいクレームになることは滅多にありません。そこで、住宅基礎のクラックは、住宅の基盤でもあり、お客様を不安にさせるものです。しかし、実際には化粧モルタルのクラックであり、基礎にはクラックが入っていないことがほとんどです。そういった知識を簡単にわかりやすくまとめましたので、施主様、工事担当者ともに、正しい知識をつけ、クレームに対処しましょう。


コンクリートの品質って何?見た目ではわからない

コンクリートの品質って何?見た目ではわからない

住宅工事において、基礎はコンクリートがどの工法でもほとんど用いられています。そこで、誰しも住宅関係の仕事をしたことがある方は、聞いたことがあるのではないでしょうか?コンクリートにも品質があることを。コンクリートは見た目では、どれもコンクリートであり、それに違いがあるようには見えません。しかし、実際にはコンクリートというものは、材料を現場で混ぜ合わせ、それから固まっていくものです。材料やその配分が悪ければ、コンクリートの性能が全く違うものになります。見た目にはわからずとも、実際に試験を行うと、強度も低くなってしまっているのです。この記事では、コンクリートの品質についてわかりやすくご紹介いたします。


コンクリートの性質まとめ|なぜ住宅に使われているのか

コンクリートの性質まとめ|なぜ住宅に使われているのか

コンクリートは、建築物に最も広く使用されている建材の1つです。大規模な公共物やビル・マンションから一般住宅までありとあらゆる場面で活躍しています。このコンクリートが、なぜここまで汎用性の高いもので、他の建材では普及しない理由は何でしょうか。コンクリートの持つ性質について、さまざまな観点から見ていくことで、コンクリートについての知識を深めていきましょう。コンクリート打ちっぱなしの住宅はもちろん、木造住宅でもコンクリートは基礎として使われています。住宅関係で働く方は、建材についても知識を広く持っておきましょう。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 台風 知識 現場監理 働き方改革