完璧な接客とは
まず、営業は完璧な接客がお客様に信頼されるポイントだと考えている方もいらっしゃいます。しかし本当にそうでしょうか?完璧な接客をここでは、超高級服飾店などの店員としてみましょう。超高級ブランド店の店員は、接客の研修を多く受け、一般的な服飾店などの販売員とは言葉遣いなども違っています。お客様に失礼のないように質問の受け答えを行い、お客様が購入しやすいように適度なコミュニケーションを取ります。
住宅営業の場合にも、同じような接客対応を行うことで売れそうでしょうか?答えは、違うのではないでしょうか。どれだけ卒のない対応をこなし、お客様に対して失礼のないように営業をかけていたとしても、お客様はあなたのことを覚えてさえいないかもしれません。
お客様が求めるものが違う
完璧な接客を求めている方というのは、高いものを買うという行為や、そのブランドを買いに来ているということを体感しに来ています。つまり、接客自体にも高級感を求めているということです。
一方で、住宅を購入しに来ている方はどのような方でしょうか?もちろん会社を気に入ってくれているということはありますが、高級だからそのメーカーの住宅にしたい、ブランドイメージを体験しに来ているといったものではありません。ではお客様は、住宅営業に何を求めに来ているのでしょうか。
住宅営業にお客様が求めているもの
住宅営業にお客様が求めているものは、大きく3つあるのではないでしょうか?
・自分の知識を埋めていってくれる
・心から納得させてくれる
・一緒にプロジェクトを成功させてくれる人材
これだけでは何を言っているのかわからないかもしれないので、1つ1つご説明いたします。
■自分の知識を埋めていってくれる
お客様は住宅購入のために、様々な知識が不足しています。注文住宅を建てるためにも知識が必要ですが、購入するというアクションも実は知識が必要です。これらの知識をうまく埋めていってくれることをお客様は営業に望んでいます。
ここでいう知識を埋めるというのは、建築知識を勉強していくサポートいうより必要な情報をかいつまんで効率的に教えてくれるということです。お客様は建築の専門家になりたいわけではありません。あくまでも目的を達成するために効率的に知識を与えてくれる人を必要としています。
住宅営業が意識することは、お客様によって欲しいと思っている知識が違うということです。これを知る作業がヒアリングです。ヒアリングというのは、お客様が知りたい情報が何かを探る工程であるということを認識しましょう。お客様が欲しくもない知識を説明しても、記憶にすら残らないものです。
■心から納得させてくれる
住宅を購入しようとしているお客様は、購入するための納得要素が欲しいのです。購入を考えていても、すぐに購入しないのは納得する理由を探している状態だからです。
この納得ポイントというのもお客様によって違います。金額、間取り、立地という基本的なものだけでなく、営業の人当たりや感覚的なものも含まれます。分譲住宅であれば、雨の日に内見したものより、晴れている日に内見をした方がより欲しくなるということもあります。
お客様が欲しいという感情をピークまで持っていき、これを購入しても安心できる、納得して購入できるという状態を作り出すことが大事です。
■一緒にプロジェクトを成功させてくれる人材
ゼロの状態から、新しいプロジェクトを立ち上げたことと、住宅購入は似ているのではないでしょうか?ゼロの状態から、プロの住宅専門家にコンサルを依頼し(営業のこと)、一緒になって満足のいく住宅を購入するということです。
このように考えると、住宅営業がすべきことは決して売り込むという行為が必要ではないということがわかるのではないでしょうか?住宅営業で活躍する方も、前職で営業をしていた方よりも、営業未経験者が活躍していることが多いといったのも、このような営業手法に気づくことができるからかもしれません。
住宅営業に必要なのは、3つを理解したコミュニケーション能力
お客様は、
・自分の知識を埋めていってくれる
・心から納得させてくれる
・一緒にプロジェクトを成功させてくれる人材
の3つを理解している営業から住宅を購入しているのではないでしょうか。
売れる営業というのは、洗練された接客術というものではなく上記のような営業を行っている人です。少しでも住宅営業の参考になれば幸いです。