2030年まで新築6割に太陽光発電の義務化を検討
新築住宅の6割に太陽光発電を載せることを、温室効果ガスを減らす取り組みの1つとして国で進めています。2030年までに2013年と比べて温室効果ガスを46%削減することを目標としています。そして2050年には、実質温室効果ガス排出量をゼロにする(カーボンニュートラル)ことを見据えています。
世界でカーボンニュートラルを実現しようという動きがあり、120カ国以上が参加表明しています。環境問題という観点からだけでなく、経済的にもESG投資といって、環境に配慮した企業に投資をするという流れもできています。ESGは、環境(Environment)、社会(Society)、企業統治(Governance)を考慮していることを意味します。
温室効果ガスの排出を減らすために、自然エネルギーの使用を普及する必要があります。省エネにより電力消費を減らし、火力発電などの石油による発電などを減らすためです。
各住宅での外部からのエネルギー供給をほとんど必要なくするために、太陽光発電は比較的優れた方法です。各住宅で電気を創出し、使用量も減らす(省エネ)ことで火力発電などのエネルギーを必要としなくなります。
太陽光発電装置の設置には、コストの問題などもあり、国民に促しても導入するにはハードルが高いです。そのため、補助金制度を作ることで各個人が導入するための資金補助を行いハードルを下げる取り組みを行なっています。
太陽光発電設置に関する補助金制度
太陽光発電の単体設置に対する補助金制度は、国からの補助は無くなっています。自治体では独自の補助金制度を行なっているところもあります。
2022年に行われている太陽光発電に対する補助制度は、ZEHになります。ZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギーハウスのことで実質エネルギー消費をゼロにすることを目標にした建築物になります。
ZEH基準を満たした住宅を建てることで、住宅ローン控除や補助金の恩恵を受けることができます。太陽光発電を設置するだけでは、このZEH基準には達しません。エネルギー創出だけでなく、エネルギーを消費しない(省エネ、断熱性能など)仕組みが取られる必要があります。
■コストの問題点
太陽光発電設置には、コストの問題が大きく関わってきます。2010年などでは、太陽光発電の設置に300万円などの費用がかかっていました。しかし現在では80万円程度で設置が可能になってきており、コストの改善もなされてきています。
80万円の導入費用だけでなく、メンテナンスコストも考えると、太陽光発電を設置したことで各家庭での出費が減ることはありません。出費負担をなるべく減らす補助金だけでなく、ZEH住宅などは住みごごちも良いとして導入を促しています。
太陽光発電設置やZEH住宅は、初期コストが通常の住宅よりもかかります。しかし、補助金制度の利用と、実際の住みやすさを考慮すると設置した方が良いという声も多いです。
売電価格の変動動向(FIT)
再生可能エネルギーの固定価格買取制度として、FITがあります。国が10年間の間、固定価格で太陽光発電で創出された電気を買い取ってくれる制度です。
FIT制度の開始当初は、住宅用において1kwhあたり42円でしたが、どんどん値下がりし2022年には17円になっています。これだけ見ると後から設置するほど損に見えますが、太陽光発電の設置費用が安くなっていることから、その利益差は比較的小さいです。
売電価格が低くなってきていることから、売電収入を得ることより自家消費をした方が良い場合もあります。
■自家消費がお得
東京電力、従量電灯Bの電気料金は、120kWhまで19.88円、120-300kWhまで26.48円、それ以上で30.57円となっています。そして電気料金は今後上がることが予想されています。
1kWhあたり売電価格17円、東京電力での使用が20円以上となっています。つまり、太陽光発電で創られたエネルギーを買電するのはもったいないと言えます。自家消費をした方が実質安く電力を使用していますので、買電収入はあまり考慮しない方が良いです。
日中に在宅し、自家消費が多い方にとっては特に太陽光発電の恩恵を受けられるといって良いでしょう。
オール電化のメリット
太陽光発電設置に伴う、オール電化のメリットは、
・光熱費削減
基本料金等が一本化
・火災のリスク減
ガスコンロのように火を使う必要がありません
・停電時にお湯が使える
タンク内のお湯を使用できます。
よく聞くデメリットとして、停電時にお湯が使えないと言われていますが、実はオール電化でない住宅も給湯器は電気を使用している場合が多いです。オール電化住宅の方が、停電時にタンク内のお湯を使用できるというメリットがあります。