【住宅建材の基礎知識】石膏ボードとは?特徴や種類を徹底解説

【住宅建材の基礎知識】石膏ボードとは?特徴や種類を徹底解説

住宅建築の内装工事で使用する代表的な材料といえば「石膏ボード」になるでしょう。 おもに、壁や天井をつくるときの下地や仕上げとして用いられる、非常に使い勝手のよい材料です。 また、「石膏ボード」にも、いくつかの種類があり、用途に合わせて使い分けることが重要になります。 そこで本記事では、建築工事には欠かせない「石膏ボード」について、その特徴や種類などを徹底解説したいと思います。


住宅建築の内装工事で使用する代表的な材料といえば「石膏ボード」になるでしょう。
おもに、壁や天井をつくるときの下地や仕上げとして用いられる、非常に使い勝手のよい材料です。

また、「石膏ボード」にも、いくつかの種類があり、用途に合わせて使い分けることが重要になります。
そこで本記事では、建築工事には欠かせない「石膏ボード」について、その特徴や種類などを徹底解説したいと思います。

石膏ボードとは?

「石膏ボード」とは、石膏を芯材として専用の原紙で包み、板状につくった建材のことで、「プラスターボード」と呼ばれることもあります。
おもに、内装工事において、壁や天井の下地として、また表面に化粧加工を施した「化粧石膏ボード」はそのまま仕上げとして使われています。

石膏ボードの特徴について

石膏ボードは、内装建材として最も多く使用されるものになります。
なぜなら、非常に多くのメリットが得られるためです。

しかし、一方でデメリットもあることは注意しておかなければなりません。
石膏ボードの特徴について、おもなメリットやデメリットをご紹介いたします。

石膏ボードのメリット

石膏ボードのおもなメリットは以下の通りです。

  • 材料コストが安い
  • 火に強い
  • 施工性がよい

材料コストが安い

石膏ボードは、その他の建材と比べても非常に材料コストが安く経済的です。
この点が最も多く使われている理由といえるかもしれません。

火に強い

石膏ボードは、芯材の石膏は燃えない素材であり、また、その石膏には20%程度の結晶水が含まれています。
そのため、万が一の火災のときでも、延焼を防ぐ効果が期待できます。

施工性がよい

石膏ボードは、カッターや定規、やすりなどの簡単な道具だけで、自由な大きさにカットできます。
また、配管の穴あけや、施工後の加工、補修なども簡単に行えます。

石膏ボードのデメリット

石膏ボードのおもなデメリットは以下の通りです。

  • 水に弱い
  • 釘やビスが効かない
  • 衝撃に弱い

水に弱い

石膏ボードは、吸水すると、もろくなって壊れやすくなります。
そのため、水回りに施工する場合は、防水性のある材料を使うことが重要になります。

釘やビスが効かない

石膏ボードは、単体で釘やビスを効かせられません。
そのため、石膏ボードを施工する場合は、木材や鋼製の下地を設け、その部分に釘やビスを打ち込んで固定する必要があります。

また、施工後、石膏ボードの上に重量のあるものを設置する場合は、あらかじめ合板など補強下地を設けておくことも重要です。

衝撃に弱い

石膏ボードは、衝撃が加わると割れてしまうことがあります。
持ち運びのときに壁などにぶつけたり、また施工後にも強い衝撃が加わったりすると、凹みや割れが生じる可能性があるため注意が必要です。

石膏ボードの種類について

石膏ボードには、多くの種類があり、用途によって使い分ける必要があります。
おもな石膏ボードの種類について、簡単にご紹介いたします。

石膏ボード

一般的な石膏ボードは、壁や天井の下地として使用されています。
また、防火構造や準耐火構造、そして遮音構造などをつくるときの構成材としても使われます。

普通硬質石膏ボード

普通硬質石膏ボードは、一般的な石膏ボードよりも曲げ破壊荷重が硬質なものです。
硬質性が要求される間仕切や通路、廊下などの壁で使われます。

シージング石膏ボード

シージング石膏ボードは、防水処理を施したものです。
キッチンや洗面所など、おもに水回りの壁などで使われます。

強化石膏ボード

強化石膏ボードは、無機質繊維などを入れて、耐火性や耐衝撃性を向上させたものです。
壁や天井の下地として、また準耐火構造や耐火構造、そして遮音性構造の構成材としても使われます。

石膏ラスボード

石膏ラスボードは、一般的な石膏ボードの表面にくぼみを複数つけたものです。
おもに、塗り壁の下地材として使われます。

化粧石膏ボード

化粧石膏ボードは、表面にクロス柄や木目などの化粧加工を施したものです。
その他の石膏ボードと異なり、そのまま仕上げとして使えるものになります。

吸音用あなあき石膏ボード

吸音用あなあき石膏ボードは、孔あけ加工を施して吸音効果を高めたものです。
吸音性を要する室内の天井仕上げ材として使われます。

まとめ

石膏ボードは、あらゆる建築工事において欠かせない材料です。
非常にコストパフォーマンスに優れ、使い勝手がよいことから、内装工事の中心となる建材といえます。
優れた建材ではありますが、デメリットもあるため、その点においては注意して取り扱うことが重要です。

関連するキーワード


建材 住宅

関連する投稿


【PC初心者】住宅事務の基礎スキルまとめ

【PC初心者】住宅事務の基礎スキルまとめ

住宅事務に転職しようと考えている方は、事務職としてどのようなスキルが必要かについて悩まれる方もいるかと思います。しかし特別なスキルを必要としている企業は少ないです。住宅事務に必要なスキルは、初歩的なPCスキルで十分です。住宅関係の専門知識や、住宅業界特有の仕事内容などは、働いてから簡単に身につくからです。ただし、PCスキルが全くない状態だと、仕事そのものが進まず、仕事とは関係ないPCの操作方法から教えなくてはいけません。せっかく人を雇ったのに、PC教室のような役割を会社がするわけにはいかないのです。この記事では、どの程度のPCスキルが一般的に必要とされているのかについてご紹介いたします。


住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界へ転職する場合、営業や施工管理、設計などいくつかの職種が選択肢となります。 そして、実際の工事を担当する「職人」もそのひとつです。 ものづくりにおいて、「職人」の存在は欠かせません。 住宅業界でも同様で、まったくなにもない「ゼロ」の状態から建物をつくれるのは、「職人」の技術があることで実現します。 しかし「職人」を職業にするとしてもメリットとデメリットがあるため、その両方を理解したうえで検討することが重要です。 そこで本記事では、住宅業界で「職人」として転職するメリットとデメリットについてご紹介したいと思います。


住宅業界のリペア業とは?資格は必要?

住宅業界のリペア業とは?資格は必要?

住宅の建築工事では着工から竣工まで多くの専門業者が携わりますが、そのひとつに「リペア業」があります。 「リペア業」とは、住宅の建築工事で使用する仕上げ材や家具、設備などについたキズを補修する業者のことをいい、「補修屋」と呼ばれることもあります。 比較的歴史の浅い技術ですが、住宅の建築工事では補修の工程が当たり前に設定されるなど、非常に注目の業種です。 では、「リペア業」の仕事は具体的にどのようなことを行うのでしょうか? また、「リペア業」の技術を習得し活躍するには資格が必要なのでしょうか? そこで本記事では、住宅業界で注目の「リペア業」とはどのような仕事なのか、そして活躍するために資格は必要なのかなど、詳しく解説したいと思います。


【クレーム対策】住宅基礎のクラックは施行不良なの!?

【クレーム対策】住宅基礎のクラックは施行不良なの!?

住宅業界、建築業界はクレーム産業と言われるほどクレームが多いです。クレームが怖くて業界から離れてしまった方や、業界に飛び込みにくいという方もいらっしゃるかもしれません。ただし、しっかりとした知識を身につけて、お客様対応を行なっていればそこまで大きいクレームになることは滅多にありません。そこで、住宅基礎のクラックは、住宅の基盤でもあり、お客様を不安にさせるものです。しかし、実際には化粧モルタルのクラックであり、基礎にはクラックが入っていないことがほとんどです。そういった知識を簡単にわかりやすくまとめましたので、施主様、工事担当者ともに、正しい知識をつけ、クレームに対処しましょう。


コンクリートの品質って何?見た目ではわからない

コンクリートの品質って何?見た目ではわからない

住宅工事において、基礎はコンクリートがどの工法でもほとんど用いられています。そこで、誰しも住宅関係の仕事をしたことがある方は、聞いたことがあるのではないでしょうか?コンクリートにも品質があることを。コンクリートは見た目では、どれもコンクリートであり、それに違いがあるようには見えません。しかし、実際にはコンクリートというものは、材料を現場で混ぜ合わせ、それから固まっていくものです。材料やその配分が悪ければ、コンクリートの性能が全く違うものになります。見た目にはわからずとも、実際に試験を行うと、強度も低くなってしまっているのです。この記事では、コンクリートの品質についてわかりやすくご紹介いたします。


最新の投稿


【PC初心者】住宅事務の基礎スキルまとめ

【PC初心者】住宅事務の基礎スキルまとめ

住宅事務に転職しようと考えている方は、事務職としてどのようなスキルが必要かについて悩まれる方もいるかと思います。しかし特別なスキルを必要としている企業は少ないです。住宅事務に必要なスキルは、初歩的なPCスキルで十分です。住宅関係の専門知識や、住宅業界特有の仕事内容などは、働いてから簡単に身につくからです。ただし、PCスキルが全くない状態だと、仕事そのものが進まず、仕事とは関係ないPCの操作方法から教えなくてはいけません。せっかく人を雇ったのに、PC教室のような役割を会社がするわけにはいかないのです。この記事では、どの程度のPCスキルが一般的に必要とされているのかについてご紹介いたします。


住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界へ転職する場合、営業や施工管理、設計などいくつかの職種が選択肢となります。 そして、実際の工事を担当する「職人」もそのひとつです。 ものづくりにおいて、「職人」の存在は欠かせません。 住宅業界でも同様で、まったくなにもない「ゼロ」の状態から建物をつくれるのは、「職人」の技術があることで実現します。 しかし「職人」を職業にするとしてもメリットとデメリットがあるため、その両方を理解したうえで検討することが重要です。 そこで本記事では、住宅業界で「職人」として転職するメリットとデメリットについてご紹介したいと思います。


住宅業界のリペア業とは?資格は必要?

住宅業界のリペア業とは?資格は必要?

住宅の建築工事では着工から竣工まで多くの専門業者が携わりますが、そのひとつに「リペア業」があります。 「リペア業」とは、住宅の建築工事で使用する仕上げ材や家具、設備などについたキズを補修する業者のことをいい、「補修屋」と呼ばれることもあります。 比較的歴史の浅い技術ですが、住宅の建築工事では補修の工程が当たり前に設定されるなど、非常に注目の業種です。 では、「リペア業」の仕事は具体的にどのようなことを行うのでしょうか? また、「リペア業」の技術を習得し活躍するには資格が必要なのでしょうか? そこで本記事では、住宅業界で注目の「リペア業」とはどのような仕事なのか、そして活躍するために資格は必要なのかなど、詳しく解説したいと思います。


【建設業の転職活動】退職するときに返却するものとは?

【建設業の転職活動】退職するときに返却するものとは?

会社を退職するときには、さまざまな手続きを行わなければなりません。 また、退職後に必要となる書類などを受け取ることも重要ですが、同時に返却しなくてはならないものもあるため注意が必要です。 とくに建設業での返却物は多岐に渡るうえ、適切に返却されなければ場合によっては損害賠償の対象となる可能性もあります。 そうならないためにも、返却が必要なものは事前にチェックしておきましょう。 そこで本記事では、建設業の転職活動において、退職時に返却する必要があるのは具体的にどのようなものなのかご紹介したいと思います。


【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

現場監督は、あらゆる業務を行わなければなりませんが、「現地調査」もそのひとつです。 「現地調査」とは、工事が始まる前に実際の現場を確認する事前調査のことをいい、新築工事やリフォームなど、工事によって調査する内容は変わります。 また現場監督は、工事に取り掛かる前に施工計画を作成しますが、現地を確認しなければ実行性のある計画がつくれるとは限りません。 施工計画に不備があれば工事は混乱し工程に狂いが生じる恐れもあるため、「現地調査」は非常に重要なのです。 そこで本記事では、現場監督が行う「現地調査」について、おもに新築工事が始まる際に確認しておきたいことをご紹介いたします。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 台風 知識 現場監理 働き方改革