住宅建築の内装工事で使用する代表的な材料といえば「石膏ボード」になるでしょう。
おもに、壁や天井をつくるときの下地や仕上げとして用いられる、非常に使い勝手のよい材料です。
また、「石膏ボード」にも、いくつかの種類があり、用途に合わせて使い分けることが重要になります。
そこで本記事では、建築工事には欠かせない「石膏ボード」について、その特徴や種類などを徹底解説したいと思います。
石膏ボードとは?
「石膏ボード」とは、石膏を芯材として専用の原紙で包み、板状につくった建材のことで、「プラスターボード」と呼ばれることもあります。
おもに、内装工事において、壁や天井の下地として、また表面に化粧加工を施した「化粧石膏ボード」はそのまま仕上げとして使われています。
石膏ボードの特徴について
石膏ボードは、内装建材として最も多く使用されるものになります。
なぜなら、非常に多くのメリットが得られるためです。
しかし、一方でデメリットもあることは注意しておかなければなりません。
石膏ボードの特徴について、おもなメリットやデメリットをご紹介いたします。
■石膏ボードのメリット
石膏ボードのおもなメリットは以下の通りです。
- 材料コストが安い
- 火に強い
- 施工性がよい
材料コストが安い
石膏ボードは、その他の建材と比べても非常に材料コストが安く経済的です。
この点が最も多く使われている理由といえるかもしれません。
火に強い
石膏ボードは、芯材の石膏は燃えない素材であり、また、その石膏には20%程度の結晶水が含まれています。
そのため、万が一の火災のときでも、延焼を防ぐ効果が期待できます。
施工性がよい
石膏ボードは、カッターや定規、やすりなどの簡単な道具だけで、自由な大きさにカットできます。
また、配管の穴あけや、施工後の加工、補修なども簡単に行えます。
■石膏ボードのデメリット
石膏ボードのおもなデメリットは以下の通りです。
- 水に弱い
- 釘やビスが効かない
- 衝撃に弱い
水に弱い
石膏ボードは、吸水すると、もろくなって壊れやすくなります。
そのため、水回りに施工する場合は、防水性のある材料を使うことが重要になります。
釘やビスが効かない
石膏ボードは、単体で釘やビスを効かせられません。
そのため、石膏ボードを施工する場合は、木材や鋼製の下地を設け、その部分に釘やビスを打ち込んで固定する必要があります。
また、施工後、石膏ボードの上に重量のあるものを設置する場合は、あらかじめ合板など補強下地を設けておくことも重要です。
衝撃に弱い
石膏ボードは、衝撃が加わると割れてしまうことがあります。
持ち運びのときに壁などにぶつけたり、また施工後にも強い衝撃が加わったりすると、凹みや割れが生じる可能性があるため注意が必要です。
石膏ボードの種類について
石膏ボードには、多くの種類があり、用途によって使い分ける必要があります。
おもな石膏ボードの種類について、簡単にご紹介いたします。
■石膏ボード
一般的な石膏ボードは、壁や天井の下地として使用されています。
また、防火構造や準耐火構造、そして遮音構造などをつくるときの構成材としても使われます。
■普通硬質石膏ボード
普通硬質石膏ボードは、一般的な石膏ボードよりも曲げ破壊荷重が硬質なものです。
硬質性が要求される間仕切や通路、廊下などの壁で使われます。
■シージング石膏ボード
シージング石膏ボードは、防水処理を施したものです。
キッチンや洗面所など、おもに水回りの壁などで使われます。
■強化石膏ボード
強化石膏ボードは、無機質繊維などを入れて、耐火性や耐衝撃性を向上させたものです。
壁や天井の下地として、また準耐火構造や耐火構造、そして遮音性構造の構成材としても使われます。
■石膏ラスボード
石膏ラスボードは、一般的な石膏ボードの表面にくぼみを複数つけたものです。
おもに、塗り壁の下地材として使われます。
■化粧石膏ボード
化粧石膏ボードは、表面にクロス柄や木目などの化粧加工を施したものです。
その他の石膏ボードと異なり、そのまま仕上げとして使えるものになります。
■吸音用あなあき石膏ボード
吸音用あなあき石膏ボードは、孔あけ加工を施して吸音効果を高めたものです。
吸音性を要する室内の天井仕上げ材として使われます。
まとめ
石膏ボードは、あらゆる建築工事において欠かせない材料です。
非常にコストパフォーマンスに優れ、使い勝手がよいことから、内装工事の中心となる建材といえます。
優れた建材ではありますが、デメリットもあるため、その点においては注意して取り扱うことが重要です。