自分で業者手配をし住宅を建てることはできる
自分で業者を全て手配することができれば、住宅を建てることは可能です。工務店やハウスメーカーと同じように業者に手配するだけですので、手順としては簡単です。設計に関しても、設計は設計士に直接依頼し建築基準法に則ったものを作成することができます。
しかし、これには様々な問題があります。ここでは大きく5つについてご紹介いたします。
[問題1]金額が安くならない
[問題2]業者が工事をしてくれない
[問題3]時間がかかる
[問題4]ハウスメーカーのような工事はできない
[問題5]正しい手順の知識が必要
これらの問題について知ると、例え建築士などの専門家でさえも自身で業者に発注することは非常に面倒です。工務店を経営している方は、自社でモデルハウスのように設計施行することもありますが、大工などは自分の家は建てないという方もいらっしゃいます。
■[問題1]金額が安くならない
そもそもですが、金額が安くなりません。通常であれば、仲介業者を省けば安くなると思われますが、実際には総工事費用はあまり変わりません。むしろ高くなることもあります。
理由は、個人からの発注に対して、工務店やハウスメーカーが発注している金額で工事業者が請け負ってくれることはほぼ無いからです。工事業者は定期的に受注があるから、ある程度安い金額で請け負うことができるため、単発の仕事しかない個人からは通常より高い金額で取引をします。そのため、本来安くなるはずであった仲介料も相殺されてしまいます。
例えば、大量生産している商品を1つだけオーダーメイドで頼むと高くなるのと、同じようなイメージです。
工事業者は、大量発注であったとしても、毎回違う施工で、毎回オーダーメイドだからあまり変わりないのでは?と思った方もいるかもしれません。
しかし、工事業者はアフターフォローの責任も負わなければなりません。工務店やハウスメーカーが請負元であれば、責任を負うのはそれらの会社です。しかし、直接工事業者が請け負うと、工事業者自らが責任を負うことになり、それらのリスクも考慮すると高くせざるを得ないのです。
■[問題2]業者が工事をしてくれない
業者がそもそも工事を請け負ってくれないということも多いです。問題1で述べたように、定期的に工務店やハウスメーカーから依頼があるために、工事を別のところから請け負えるキャパシティがありません。また、素人からの工事依頼の場合には、工期のズレや工事の手直しの理不尽な指示などがある場合もあります。
前述したように、工事業者の責任が大きくなってしまうため、業者としては後々面倒になります。つまり、業者にとって個人から仕事を受注することは、あまりメリットがないのです。
■[問題3]時間がかかる
施主側にとって、工事を始めてから終わるまでに非常に時間がかかります。自身で全てを手配して発注するとなると、かなりの時間が奪われます。また、工事現場の確認やトラブル対応などによりほとんどの時間がなくなってしまうことが予想されます。
建設完了までの納期に関しても、各業者の工事がズレ込み工事完成が遅くなります。以上のように、工事開始から非常に時間がかかってしまいます。
■[問題4]ハウスメーカーのような工事はできない
ハウスメーカーのような特殊な工事をすることはできません。例えハウスメーカーの下請け業者であっても、同じ材料を仕入れることも使うこともできません。
ハウスメーカーは独自の建材を開発し、構造部分に使用しているのでどこの業者に頼んでもハウスメーカーのような住宅を建てることはできません。
■[問題5]正しい手順の知識が必要
工事の正しい手順を知っている必要があります。建築士の資格を持っているかに関わらず、現場での経験がないと難しいでしょう。工事の正しい手順を知らなければ、業者の選定も難しいですし、いつどこの業者に入って貰えば良いかがわかりません。
結論:セミDIYなら少しお得
様々な問題がありますが、セミDIYなら少しお得になります。建築士を入れて、設計をしてもらいそれぞれの工事手順をレクチャーしてもらうのです。後の工事は自分で行うことができれば、問題ない品質の住宅を建てることができます。
ただし、自分でDIYするとなると、DIYという軽いものではなく、1年以上自分の時間をかなり削る必要があるのでご注意ください。