【住宅建築の基礎知識】屋根材の種類や特徴を徹底解説

【住宅建築の基礎知識】屋根材の種類や特徴を徹底解説

戸建て住宅の屋根に使用する屋根材には非常に多くの種類があります。 屋根は、建物を雨や紫外線から守る役割があり、また建物のイメージを左右する要素でもあります。 住宅会社によって異なる部分ではありますが、どのような種類が存在し、またどのような特徴があるのか知っておくとよいでしょう。 そこで本記事では、戸建て住宅に使われる代表的な屋根材の種類と特徴について徹底解説したいと思います。


戸建て住宅の屋根に使用する屋根材には非常に多くの種類があります。
屋根は、建物を雨や紫外線から守る役割があり、また建物のイメージを左右する要素でもあります。

住宅会社によって異なる部分ではありますが、どのような種類が存在し、またどのような特徴があるのか知っておくとよいでしょう。
そこで本記事では、戸建て住宅に使われる代表的な屋根材の種類と特徴について徹底解説したいと思います。

戸建て住宅の屋根材の種類や特徴とは

戸建て住宅の屋根材は非常に多くの種類があり、それぞれ特徴や性能が異なります。
屋根材のおもな種類とは、以下の通りです。

  • 粘土瓦
  • セメント瓦
  • スレート屋根
  • 金属屋根
  • アスファルトシングル

粘土瓦

粘土瓦とは、粘土を成形し、高温で焼いてつくる屋根材です。
古い住宅では最も使われていたもので、「陶器瓦」や「いぶし瓦」などいくつかの種類に分かれます。

ちなみに、「陶器瓦」は高温で焼き上げた後に釉薬を用いて仕上げる屋根材をいい、「いぶし瓦」は釉薬を用いず燻して仕上げた屋根材のことをいいます。
粘土瓦は、耐久性が非常に高くメンテナンスの手間を大きく省ける一方、重量が大きいため建物の耐震性には不利となることなどがおもな特徴です。

期待耐久年数は、屋根材のなかで最も長い50年以上となります。

セメント瓦

セメント瓦とは、セメントと砂を混ぜ合わせてつくる屋根材です。
これは、いわゆる「モルタル」を瓦状に成形するわけですが、顔料を練り込んだり、あるいは成形後に塗装したりして着色します。

セメント瓦は、粘土瓦よりも材料コストが割安であることから、よく使われていた時期がありました。
ところが、粘土瓦と同様に重量が大きいうえ、劣化にともなう色あせが生じることなどから、現在は国内での製造はほとんど行なわれていません。

期待耐久年数は、30~40年程度となります。

スレート屋根

スレート屋根とは、セメントなどを主原料とし、薄く平板状につくる屋根材です。
新築住宅で非常によく使われる人気の高い屋根材であり、代表的なものとして「カラーベスト」や「コロニアル」などがあります。

以前は、アスベストを含ませて製造していましたが、法律で禁止されたためノンアスベスト品となっています。
スレート屋根は、施工性に優れ、材料コストが割安である一方、屋根材のなかでも耐久性は低く、割れや欠損が生じやすいことなどがおもな特徴です。

期待耐久年数は、20〜25年程度となります。

金属屋根

金属屋根とは、金属板を薄く板状にしてつくる屋根材です。
過去には、トタンが使われていた時期がありましたが、現在では「ガルバリウム鋼板」が登場し、非常に多くのシェアを占めるようになっています。

また、軽量であることから、既存の屋根の上に重ね張りをする「カバー工法」にも適しており、リフォーム市場においても多く採用されています。
金属屋根は、耐久性に優れ、耐震性にも有利である一方、若干材料コストが高く、錆びが生じてしまう可能性があることなどがおもな特徴です。

期待耐久年数は、30〜35年程度となります。

アスファルトシングル

アスファルトシングルとは、ガラス繊維の基材にアスファルトなどを配合してつくる屋根材です。
とくにアメリカでは主流として使われており、また日本国内においてもカラーバリエーションが豊富でさまざまなデザインを楽しめるとして人気が高まっています。

アスファルトシングルは、柔らかく施工性に優れ、軽量で耐震性にも有利となる一方、強風に弱いため剥がれてしまう可能性があることなどがおもな特徴です。

期待耐久年数は、20〜30年程度となります。

まとめ

住宅の屋根材はいくつかの種類があり、それぞれコストや耐久年数など特徴が大きく異なります。
また、建物の印象を左右する要素でもあるため、屋根材の選定にはデザイン性にも考慮する必要があります。

また、屋根は建物を雨や紫外線から守る重要な役割を担うことから、機能面にも注目することも重要です。

関連するキーワード


新築工事 住宅

関連する投稿


【現場監督がよく使う建設用語】斫り(はつり)とはなに?

【現場監督がよく使う建設用語】斫り(はつり)とはなに?

住宅の新築工事において実際に施工を行うのは専門業者です。 しかし、場合によっては現場監督が行うケースもあり、例えば、きわめて小規模な「斫り(はつり)作業」もそのひとつとなります。 「斫り」は、工事現場でよく使用されるワードですが、いったいどのような作業のことをいうのでしょうか? そこで本記事では、現場監督がよく使う建設用語「斫り」について、具体的にどのような作業なのか解説したいと思います。


【暑中コンクリート】施工管理が注意するべき夏のコンクリート打設

【暑中コンクリート】施工管理が注意するべき夏のコンクリート打設

住宅建築において、基礎のコンクリート打設は非常に重要な工事のひとつになります。 施工管理としても、建物の強さを左右するコンクリート打設は適切な施工が行われることをしっかりとチェックしなくてはなりません。 しかし、夏のコンクリート打設は通常とは異なる難しさがあります。 この気温の高い時期に施工するコンクリートを「暑中コンクリート」と呼び、施工管理者は施工に向けて対策を講じる必要があるなど、とくに注意が必要です。 そこで本記事では、施工管理者が注意するべき「暑中コンクリート」について、リスクと対策をご紹介したいと思います。


住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い

住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い

住宅を購入する際、多くの人が利用する住宅ローンですが、なかでも定番といえるのは「フラット35」になるでしょう。 「フラット35」の最大の特徴は「固定金利型」であることです。 「固定金利型」であることで、借り入れの時点で返済金額がわかり、また計画も立てやすくなります。 また、この他にも民間銀行が取り扱う住宅ローンとは異なる特徴があるため、知識として理解しておくとよいでしょう。 そこで本記事では、「フラット35」の特徴や銀行ローンとの違いについて徹底解説したいと思います。


【住宅建築の基礎知識】セメント、モルタル、コンクリートの違いとは?

【住宅建築の基礎知識】セメント、モルタル、コンクリートの違いとは?

住宅建築においては、非常に多くの建材が使われています。 なかでも「セメント」「モルタル」「コンクリート」については、必ず使用されるポピュラーな建材となります。 しかし、これらがどのような建材なのか、またそれぞれの違いがよくわからないという人もいるのではないでしょうか? そこで本記事では、「セメント」「モルタル」「コンクリート」について、それぞれの特徴の違いなどを徹底解説したいと思います。


プレハブ住宅とはどんな住宅?種類や特徴を解説

プレハブ住宅とはどんな住宅?種類や特徴を解説

戸建て住宅はいくつかの種類に分けられますが、建築するときの工法によっても分類することが可能です。 代表的な工法といえば「木造軸組工法」や「木造枠組壁式(ツーバイフォー)工法」、「プレハブ工法」などが挙げられます。 そして、この「プレハブ工法」で建てられた住宅が「プレハブ住宅」です。 また「プレハブ住宅」は、さらにいくつかの種類に分かれており、それぞれ特徴が異なります。 そこで本記事では、「プレハブ住宅」とは具体的にどのような住宅のことをいうのか、そしてどのような種類や特徴があるのかなど、徹底解説したいと思います。


最新の投稿


【現場監督がよく使う建設用語】斫り(はつり)とはなに?

【現場監督がよく使う建設用語】斫り(はつり)とはなに?

住宅の新築工事において実際に施工を行うのは専門業者です。 しかし、場合によっては現場監督が行うケースもあり、例えば、きわめて小規模な「斫り(はつり)作業」もそのひとつとなります。 「斫り」は、工事現場でよく使用されるワードですが、いったいどのような作業のことをいうのでしょうか? そこで本記事では、現場監督がよく使う建設用語「斫り」について、具体的にどのような作業なのか解説したいと思います。


住宅現場で4Sを実践しよう!整理・整頓・清掃・清潔

住宅現場で4Sを実践しよう!整理・整頓・清掃・清潔

4Sという言葉を聞いたことがありますか?住宅の工事現場だけなどではなく、他業界でも多く用いられている言葉です。職場環境を改善するための活動で、整理、整頓、清掃、清潔、(しつけ)のことを4Sもしくは5Sと言います。この記事では、住宅現場において、4Sを行うことでどのようなメリットがあるのかについて、そもそも4Sとはどのようなことをすれば良いかからご紹介いたします。


住宅設計士必見!設計を体感できる日本住宅3選と現代住宅

住宅設計士必見!設計を体感できる日本住宅3選と現代住宅

良い住宅を建てるために多くの住宅設計事例を知ることが大切であることは言うまでもないかと思います。しかし、いくら写真や設計図などを見ていても、実際に体感するに越したことはありません。この記事では設計そのものを体感できる住宅についてご紹介いたします。


【暑中コンクリート】施工管理が注意するべき夏のコンクリート打設

【暑中コンクリート】施工管理が注意するべき夏のコンクリート打設

住宅建築において、基礎のコンクリート打設は非常に重要な工事のひとつになります。 施工管理としても、建物の強さを左右するコンクリート打設は適切な施工が行われることをしっかりとチェックしなくてはなりません。 しかし、夏のコンクリート打設は通常とは異なる難しさがあります。 この気温の高い時期に施工するコンクリートを「暑中コンクリート」と呼び、施工管理者は施工に向けて対策を講じる必要があるなど、とくに注意が必要です。 そこで本記事では、施工管理者が注意するべき「暑中コンクリート」について、リスクと対策をご紹介したいと思います。


住宅営業マンは嫌われる?いえ、あなたが嫌われているだけです

住宅営業マンは嫌われる?いえ、あなたが嫌われているだけです

住宅営業は、何千万円もするものを扱っているため施主様も非常に慎重になっています。そのせいで、施主様の感情を読み取ることができない営業マンが多いのも事実です。慎重になっているだけなのか、営業を警戒しているのか、それともあなたを嫌っているのか。営業は少し方法を間違えると嫌われる仕事です。反対に下手なことをしなければ、営業だから嫌われるというわけではないです。もし嫌われているのであれば、営業マンのあなたが原因です。原因についてそれぞれ解説していきます。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 資格 現場監理 働き方改革 知識