住宅業界において営業職を担当する場合、お金に関する知識が重要になります。
多くの顧客にとっては一生に一度の大きな買い物であり、その資金計画は最大の関心事といってよいでしょう。
そのため、住宅購入時には、専門家による適切なアドバイスが非常に貴重なものになります。
そんなときに役立つのは、お金のプロフェッショナルとしての証である「ファイナンシャルプランナー」の資格です。
そこで本記事では、住宅業界で営業職として活躍したい人に有利な資格「ファイナンシャルプランナー」について、詳しく解説したいと思います。
そもそもファイナンシャルプランナーとは?
ファイナンシャルプランナー(以後、FP)とは、ライフプランの作成において、経済的な側面からアドバイスを行うお金の専門家のことです。
長い人生のなかには、住宅の購入や子育て、そして老後の生活などさまざまな重要なイベントがあり、お金に関する問題は避けて通れません。
将来の暮らしや目標、叶えたい夢をどう実現するのかなど、経済的な視点からサポートすることがFPの仕事です。
そしてFPとは、職業であると同時に資格の名称でもあります。
■2種類のファイナンシャルプランナー
FPとして活躍する人には、以下の通り大きく2つに分類できます。
- 企業系FP
- 独立系FP
企業系FP
「企業系FP」とは、FP資格を有する企業の社員が、その資格や知識を活かして自社商品の販売へとつなげるFPのことです。
保険会社や銀行など金融系の企業では、多くの人がキャリアアップの手段として取得しており、また近年では住宅業界の営業担当者の取得も増加しています。
住宅業界では、住宅ローンの返済プランやその他資金計画などを適切にアドバイスできる「企業系FP」がいると、信頼関係を構築するうえで有利になります。
独立系FP
「独立系FP」とは、企業に所属するのではなく、自身のスキルを活かして起業することにより活躍しているFPのことです。
「独立系FP」の多くは、「企業系FP」としての実務を積み重ねたうえで独立しており、得意とするサービスを提供しています。
ファイナンシャルプランナー資格の種類と概要について
FP資格にはいくつかの種類があり、大きくは国家資格と民間資格に分けられます。
いくつかのFP資格のなかから代表的なものについて、その概要をご紹介いたします。
代表的なFP資格とは以下の2つです。
- ファイナンシャル・プランニング技能士
- AFP、CFP
■ファイナンシャル・プランニング技能士
ファイナンシャル・プランニング技能士(以後、FP技能士)は、「一般社団法人金融財政事情研究会」と「特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(以後、日本FP協会)」の2団体が実施する国家資格です。
FPの国家資格となるのは「FP技能士」だけであり、1級・2級・3級があります。
いずれも、取得するには「学科試験」と「実技試験」の両方に合格しなくてはなりません。
ただし「FP技能士」は、一度取得すれば更新の手続きをする必要がなく、一生有効となります。
また、1級と2級には受験資格が設けられているため、受験申請をするには一定の要件を満たす必要があります。
なお、3級の場合は、受験資格は設けられていないため誰にでも受験が可能です。
日本FP協会公式サイトです。日本FP協会はファイナンシャル・プランニングの重要性を伝えるとともに、質の高いファイナンシャルプランナーの育成を通して、社会全体の利益の増進に寄与する特定非営利活動法人(NPO法人です)
■AFP、CFP
「AFP」および「CFP」資格は、「日本FP協会」が実施する民間資格です。
これらは、国家資格である「FP技能士」よりも歴史が古く、実は「AFP」や「CFP」の有資格者のほうが多いといわれています。
よって、これらは、民間資格でも非常に認知度が高く、権威ある資格と位置付けられているものです。
「AFP」は「アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー」、そして「CFP」は「サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー」の略で、「CFP」が上級資格となります。
ちなみに、「AFP」は「2級FP技能士」と、そして「CFP」は「1級FP技能士」と同等程度とされています。
「AFP」資格を取得するには、まず国家資格である「2級FP技能検定試験」に合格し、「AFP認定研修」を修了しなくてはなりません。
そして「AFP」の認定者が、6課目ある「CFP資格審査試験」にすべて合格し、「CFPエントリー研修」を修了すること、そして一定の実務経験を満たすことで「CFP」資格を得られます。
また「AFP」および「CFP」資格は、取得後にも一定の期間内で更新の手続きが必要となります。
まとめ
FP資格は、住宅業界における営業職としての活躍を目指すなら、取得しておきたい資格のひとつです。
FP資格にはいくつかの種類がありますが、国家資格である「FP技能士」と、民間資格である「AFP」および「CFP」のいずれかを取得しておけば、一定の評価を得られるでしょう。
また、FP資格の有資格者であれば、転職や独立にも有利になることもポイントです。