戸建て住宅の現場監督は、非常に忙しい仕事といったイメージがあるかもしれません。
では具体的にどのような内容の仕事をしているのでしょうか?
現場監督といっても、土木工事と建築工事で仕事内容は変わり、また建築工事でもビルのような大規模な工事と戸建て住宅のような小規模な工事でも異なります。
今回は、戸建て住宅の現場監督の1日について、一般的な例をご紹介したいと思います。
戸建て住宅の現場監督の1日の流れ
戸建て住宅の現場監督のおもな1日の流れをご紹介いたします。
戸建て住宅の現場監督は、ゼネコンのような大規模な建築物を扱う場合と違って、ひとりの施工管理者が複数の現場を担当します。
また現場監督の仕事は非常に多岐にわたり、日替わりでやるべきことが変わる点も特徴のひとつです。
例えば、生コン打設や建て方など時間が決まっている重要工事は早めに行って準備をしたり、あるいは書類の作成がたまっていれば終日内勤をしたりすることもあります。
状況に応じて優先度の高いことから計画的に行うことがポイントで、また任せられる内容はできるだけ任せるよう仕組みをつくることも重要な仕事です。
それでは、戸建て住宅の現場監督のとある1日を見ていきましょう。
■8:00 現場到着
まず1件目の担当現場へ直行します。
実際に工事をする職人の多くは8:00から作業を開始します。
早く始めてしまうと騒音による近隣クレームになることがあるため、ルールを決め徹底を促すことが重要です。
そして、現場内に危険な状況はないか、あるいは危険な行為は行われていないかなど安全面の確認を行い、もしあるようなら速やかに排除する必要があります。
また前面道路やトイレ、アプローチなど現場内の掃除は、気持ちの良い環境づくりをするうえで効果的です。
近隣の人と会ったら挨拶することも現場監督として忘れてはいけません。
その他、検査や図面との照合、納まりなど、品質に関連する内容のチェックも必要に応じて適宜行います。
■10:00 休憩
職人とコミュニケーションをとりながら一緒に休憩をします。
休憩中は仕事のことよりプライベートな会話も多くなりますが、近隣に響き渡るような大声は避けたほうがよいでしょう。
■10:30 他の現場へ移動
休憩が終わったら、職人に当日の予定と安全への徹底を改めてお願いし、次の現場へ移動します。
次の現場までの距離が遠い場合は移動だけでも時間がかかりますが、運転ができないと仕事がやりにくくなるため必ず安全運転で向かうことが重要です。
■11:00 2件目の現場到着
新規現場の現地調査を行います。
配置図面を見ながら境界を確認したり、地盤面の高さを計測したりします。
工事車両を停められるだけの十分な駐車スペースがあるか確認し、なければ駐車場を借りる必要があるため予算に組み込まなければいけません。
また重機作業のシミュレーションを行い、道路へ配置しなくてはいけない場合は管轄警察に道路使用許可を申請する必要があります。
■昼食
昼食と休憩の時間です。
しっかりと体力を温存します。
■13:00 3件目の現場到着
3件目の現場は、内装の大工工事が終了するため木完検査を行います。
壁ボードの割れや欠けはないか、ビスの浮きやピッチに問題はないか、また建具枠に隙間はないかなどさまざまなポイントをチェックします。
検査で問題があれば、速やかに大工へ是正をお願いすることが重要です。
そして、フローリングなどの材料が余っていたら、後工程のクロス工事などでじゃまになるため、撤去しなくてはいけません。
持ち帰って在庫とするか、あるいは廃材として処分するかなどの対応になりますが、いずれにせよ現場監督が行うことが多くのケースです。
■15:30 帰社
事務所で内勤業務を行います。
道路使用許可の申請書や施工計画書など、工事に関するさまざまな書類を作成するのも現場監督の仕事です。
また、原価管理をするための工事台帳は、会社ごとに専用ソフトを導入し共有していることが多く、必要な情報を入力しながらムダなコストが発生しないようチェックします。
材料の発注は、間違うと工期の遅れにつながるため慎重に行うことが重要です。
そして、とくに夕方以降は電話も多くなる時間帯でもあります。
工事の進捗や翌日の予定などを確認し、工程のズレが生じるようなら工程表の修正と後工程への連絡など調整が必要です。
その他、工程会議や安全会議など、工事業者が参加する会議は夕方から始まることもあります。
■18:30 帰宅
業務が終了したら帰宅します。
まとめ
現在、建築業界も働き方改革によって労働環境の改善が積極的に図られています。
まだ他の業種と比較しても残業時間が多く休みも少ない傾向にありますが、取り組みが進んでいることは間違いありません。
そして現場監督自身も、早めに仕事を終わらせるよう効率化できる工夫をしていくことも必要になるでしょう。
※この記事はリバイバル記事です。