住宅業界でのテレワークは、どのような業務をしているのか

住宅業界でのテレワークは、どのような業務をしているのか

 住宅業界にこれから転職を考えている方は、テレワークがどの程度普及しており、自分の働く部署ではテレワークをしているのか、これからの働き方がどうなるのか気になるかと思います。新型コロナウイルスの影響もあり、テレワークを導入する企業が多くなってきており、テレワークを行うことで業務効率が上がったという事例もあります。そのため本格導入し、これからはテレワークを基本の働き方とする企業も出てきています。そこで、この記事では住宅業界でのテレワークについて業務内容などをご紹介致します。


住宅業界におけるテレワーク普及率は低い!?

 住宅業界ではテレワーク普及率はあまり高く無いようです。2020年12月の時点で従業員10名以上の企業で約25%のテレワーク普及率に対し、住宅業界では2020年4月のデータで不動産業界のデータでは約8%程度のようです。時期が同じデータが業界別で発表されていないため正確にはわかりませんが、住宅業界のテレワーク普及率は高くなさそうです。

 住宅業界は、基本的には現場仕事がメインといっても良いでしょう。住宅は工事によって建つわけですから、全従業員がテレワークをしていたら何も作れません。ただ、その中でもテレワークを導入できる部署に関しては、企業努力を重ねているようです。

参考サイト)https://www.jutaku-s.com/news/id/0000027142
https://news.mynavi.jp/article/20201218-1597658/

テレワークができない職種

・施工管理
施工管理職はテレワークをしていては、現場の管理はできません。リモートで行おうと思えば、カメラを通して職人をチェックするなどは可能ですが、それは現場の管理というよりも、職人が働いているかの管理程度の意味合いになってしまいそうです。現場で工事を行っている以上、誰かが現場にいることになります。テレワークの完全導入は難しいと言えるでしょう。

・営業(内見や契約時など)
営業も完全テレワークは難しいと言えます。お客様の内見の付き添いや、契約、住宅設計の打ち合わせなど、テレビ会議だけでは難しいときもあります。内見もVRなどの技術も開発されていますが、やはり実物を見てから契約になりますし、細かい打ち合わせは、テレビ会議だけでは不十分なこともあります。営業の業務自体はテレアポをすることもありますが、やはり最初のアプローチは直接出向くことが多いようです。

各職種のテレワーク業務

 ここでは各職種のテレワーク業務についてご紹介いたいします。業界全体としてテレワーク普及率は低めですが、テレワークでも可能な職種についてはしっかりと導入しているところもあるようです。

営業のテレワーク

 テレアポ、資料作成、土地情報の取得などは電話とメールで行うことがほとんどなので、在宅でできる仕事になります。ただ、1日のうち仕事をこれだけということはあまりなく、営業活動を行うことの方が多いです。そのためお客様宅へ訪問する日や、住宅展示場に出向く際には、出社となります。

営業の今後のあり方

 お客様がネットである程度、物件情報を詳しくみれるような取り組みがなされてきています。物件の内見もVRで見れたり、スマホでパノラマ写真を見ることで内見したり、ライブ配信を行い、物件の中を紹介するなどの取り組みもされています。
 このような手法により、営業もアナログなアポ取りだけではなく、リモートでお客様がある程度住宅購入の意思を固めた上で契約手続きになることもあります。また、契約手続き自体をリモートで行うことも可能になってきているようです。ただ、高額な商品であることと、契約における注意事項が細かいため、対面契約をしていることがほとんどというのが現状のようです。

施工管理のテレワーク

 施工管理職はテレワークは出来ないと言っても過言ではありません。そもそも工事現場には施工管理者が付いていなければならないという場合もあるため、テレワークの導入はほとんど無理でしょう。施工管理者がテレワークしているときは、単純に仕事がないときかもしれません。

設計のテレワーク

 設計色はテレワークの普及が比較的進んでいるようです。お客様との細かい打ち合わせもリモートで行うことが比較的多くなってきたようです。しかし、最終打ち合わせや、重要な打ち合わせの際には直接会うということも行い、在宅と出社をそのときに合わせて勤務する形が多いようです。

事務のテレワーク

 事務はテレワークが盛んかと言われるとそこまででも無いようです。事務は印刷物を扱ったり、出社している方の仕事が円滑に進むようにサポートしている人材ですので、出社を基本としているところも多いようです。自宅でも印刷物は扱えますが、コピー代や、個人情報の取り扱いには注意しなければならないため、会社で業務を行うほうが効率的な場合もあります。

まとめ

 住宅業界のテレワーク普及率はあまり高くなく、課題も多く残っており、完全テレワーク導入するというわけにはいかないでしょう。しかし、お客様の要望により、内見のAR技術の導入なども進み、どんどんとデジタル化が進んでいます。その変遷の中で、住宅業界のテレワークのあり方も徐々に変わってくるかもしれません。



※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


住宅 テレワーク

関連する投稿


【住宅事務必見!】ビジネス書類の作り方|ポイント解説

【住宅事務必見!】ビジネス書類の作り方|ポイント解説

事務の仕事で、文書作成で頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?文書を手紙などで書くこと習慣もなくなってきて、ましてやビジネス用になると何を書けば良いのか、言葉遣いや、書いてはいけない文言はないかなど、気にし出すと手が付けられないとなってしまった経験もあるのではないでしょうか。この記事では、ビジネス書類の作り方のポイントをわかりやすく簡単にご紹介いたします。


【PC初心者】住宅事務の基礎スキルまとめ

【PC初心者】住宅事務の基礎スキルまとめ

住宅事務に転職しようと考えている方は、事務職としてどのようなスキルが必要かについて悩まれる方もいるかと思います。しかし特別なスキルを必要としている企業は少ないです。住宅事務に必要なスキルは、初歩的なPCスキルで十分です。住宅関係の専門知識や、住宅業界特有の仕事内容などは、働いてから簡単に身につくからです。ただし、PCスキルが全くない状態だと、仕事そのものが進まず、仕事とは関係ないPCの操作方法から教えなくてはいけません。せっかく人を雇ったのに、PC教室のような役割を会社がするわけにはいかないのです。この記事では、どの程度のPCスキルが一般的に必要とされているのかについてご紹介いたします。


住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界へ転職する場合、営業や施工管理、設計などいくつかの職種が選択肢となります。 そして、実際の工事を担当する「職人」もそのひとつです。 ものづくりにおいて、「職人」の存在は欠かせません。 住宅業界でも同様で、まったくなにもない「ゼロ」の状態から建物をつくれるのは、「職人」の技術があることで実現します。 しかし「職人」を職業にするとしてもメリットとデメリットがあるため、その両方を理解したうえで検討することが重要です。 そこで本記事では、住宅業界で「職人」として転職するメリットとデメリットについてご紹介したいと思います。


住宅業界のリペア業とは?資格は必要?

住宅業界のリペア業とは?資格は必要?

住宅の建築工事では着工から竣工まで多くの専門業者が携わりますが、そのひとつに「リペア業」があります。 「リペア業」とは、住宅の建築工事で使用する仕上げ材や家具、設備などについたキズを補修する業者のことをいい、「補修屋」と呼ばれることもあります。 比較的歴史の浅い技術ですが、住宅の建築工事では補修の工程が当たり前に設定されるなど、非常に注目の業種です。 では、「リペア業」の仕事は具体的にどのようなことを行うのでしょうか? また、「リペア業」の技術を習得し活躍するには資格が必要なのでしょうか? そこで本記事では、住宅業界で注目の「リペア業」とはどのような仕事なのか、そして活躍するために資格は必要なのかなど、詳しく解説したいと思います。


【クレーム対策】住宅基礎のクラックは施行不良なの!?

【クレーム対策】住宅基礎のクラックは施行不良なの!?

住宅業界、建築業界はクレーム産業と言われるほどクレームが多いです。クレームが怖くて業界から離れてしまった方や、業界に飛び込みにくいという方もいらっしゃるかもしれません。ただし、しっかりとした知識を身につけて、お客様対応を行なっていればそこまで大きいクレームになることは滅多にありません。そこで、住宅基礎のクラックは、住宅の基盤でもあり、お客様を不安にさせるものです。しかし、実際には化粧モルタルのクラックであり、基礎にはクラックが入っていないことがほとんどです。そういった知識を簡単にわかりやすくまとめましたので、施主様、工事担当者ともに、正しい知識をつけ、クレームに対処しましょう。


最新の投稿


【施工管理なら知っておきたい】工事現場に仮囲いをする目的とは?

【施工管理なら知っておきたい】工事現場に仮囲いをする目的とは?

住宅の新築工事は、周囲に「仮囲い(かりがこい)」と呼ばれるフェンスを設置して行うことが一般的です。 「仮囲い」は、工事を進めるうえで重要な目的があり、とくに施工管理者は万全な計画を立てて確実に設置する必要があります。 では工事期間中に設置する「仮囲い」の重要な目的とはどのようなことでしょうか? また必ず設置しなくてはならないものなのでしょうか? そこで本記事では、施工管理者が知っておきたい工事現場に設置する「仮囲い」の目的について、詳しく解説したいと思います。


【現場監督の安全管理】工事現場の「5S活動」とはなに?

【現場監督の安全管理】工事現場の「5S活動」とはなに?

現場監督の重要業務のひとつに安全管理があります。 安全管理は、現場に潜む危険を排除し、安全に作業を進めるための環境をつくることが大きな目的です。 そして、安全な環境づくりにはさまざまなアプローチの方法がありますが、なかでも「5S活動」は効果が高いとして多くの現場で取り組まれています。 では「5S活動」とは具体的にどのような活動なのでしょうか? また、取り組むことでどのような効果が期待できるのでしょうか? そこで本記事では、住宅の工事現場で行う「5S活動」とはどのような活動なのか、そして取り組むことで期待できる効果などについて解説したいと思います。


現場監督が工事現場の近隣トラブルを防ぐためにやっておきたい3つのこと

現場監督が工事現場の近隣トラブルを防ぐためにやっておきたい3つのこと

工事期間中、現場監督がとくに注意しておきたいことといえば「近隣トラブル」です。 いったん「近隣トラブル」が起こると、解決のために奔走しなくてはならないことから、工事に集中して取り組めなくなる恐れがあります。 しかし、現場監督としてやるべきことをしっかりやっておけば、多くの「近隣トラブル」は防ぐことが可能です。 そこで本記事では、「近隣トラブル」を防ぐために現場監督がやっておきたいことについて、とくに重要な3つのことをご紹介したいと思います。


【法律違反になることも!】住宅事務の書類の送り方まとめ

【法律違反になることも!】住宅事務の書類の送り方まとめ

住宅事務員は、書類を業者に送ることもあれば、お客様に送ることもあります。そのため文書にも様々なものがあり、契約書、見積書、納品書、完工書、チラシ、資料などを送付します。これらをどの郵送サービスを使えば良いかを考え、その準備にも手間がかかります。また、信書に該当するものは、適切な郵送サービスでないと法律違反になります。書類の送り方をマスターし、トラブルを起こさずに適切な対応ができるようにしましょう。この記事では、書類の送り方や、新書についての取扱についてご紹介いたします。


【住宅事務必見!】ビジネス書類の作り方|ポイント解説

【住宅事務必見!】ビジネス書類の作り方|ポイント解説

事務の仕事で、文書作成で頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?文書を手紙などで書くこと習慣もなくなってきて、ましてやビジネス用になると何を書けば良いのか、言葉遣いや、書いてはいけない文言はないかなど、気にし出すと手が付けられないとなってしまった経験もあるのではないでしょうか。この記事では、ビジネス書類の作り方のポイントをわかりやすく簡単にご紹介いたします。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 知識 職人 資格