【実例から学ぶ】売れる住宅営業マンのヒアリング能力とは?お客様のニーズを知るポイント10選その③

【実例から学ぶ】売れる住宅営業マンのヒアリング能力とは?お客様のニーズを知るポイント10選その③

 営業マンのヒアリング能力についてポイント7までご紹介いたしました。そろそろなぜ先輩営業マンと同じ質問をしているはずなのに、お客様のニーズを引き出せていなかったり、提案内容に差が出ていることを理解できたのではないでしょうか。その③では、お庭、近所の施設、住宅費用の考え方についてお伝えしていきます。お客様のニーズは専門家の営業マンが対応するだけで全く違ったものになることもありますので、実例を交えてご紹介していきます。


《ポイント8》庭での過ごし方の希望を知ろう

 一軒家を持つと必ず敷地内に庭がありますよね。庭とは言わなくても小さな花壇などがあると思います。お客様がどのように利用したいのかを知ることで、様々な提案ができるようになります。まず庭が欲しいかどうか、今は欲しくなくても将来的には家庭菜園のために欲しい、または少し花を植えるだけのスペースが欲しいなどのご要望をヒアリングしましょう。近年は敷地内に雑草が生えて手入れをすることが面倒なため、ほとんど土間打ちにしてしまったり、防草シートと砂利で手入れをほぼしなくていいようにするというニーズも多いです。こういった外構工事はコストがかかるためあらかじめ建物価格と一緒に考えておくとお客様も予算が立てやすくなります。
 例えば庭を活用してウッドデッキなどでBBQをよくやりたいというお客様もいらっしゃるかと思います。そのような場合には庭をウッドデッキと人工芝、土間打ちなどでご提案すると良いでしょう。しかしここでウッドデッキについてもしっかりと説明する必要があります。建売住宅などに付いているウッドデッキは5年もすれば腐食し交換が必要になります。全交換すると50-100万円、撤去処分だけでも約10万円などかかる場合もあります。こういったデメリットをお伝えすると、当初はウッドデッキ付きの建売住宅を考えていたけれども、ウッドデッキがなくても庭が広めで将来的に高価な腐食しにくいウッドデッキをつけられる住宅にしたというお客様もいらっしゃるようです。
 売りたい物件に合わせて、営業マンの一つのアドバイスでお客様のウッドデッキが欲しいというニーズも違った形になった例になります。このような方法を知っていれば、ウッドデッキ付きの物件ではご要望に合うところがなかったけれども、ウッドデッキ無しの物件と選択肢を広げたことで契約に繋がるといったこともあります。

《ポイント9》近所の施設の要望を知ろう

 生活環境として近所の施設の充実は非常に重要な要素ですよね。お客様は近所にどのような施設があって、それぞれどの程度のアクセスの良さなのかを知ることで、引っ越した後の生活をイメージすることができます。駅、スーパー、コンビニ、病院、学校、公園などの施設で、徒歩何分なのか、バス移動の時間、タクシーの呼びやすさなどもお客様が知りたい情報でしょう。
 例えば中学校などでは、自転車通学がOKかどうかで距離が変わってきます。徒歩30分の位置に中学校がある住宅で、あるご夫婦は将来のことを考えて選択肢から外していました。しかし営業マンが、そこの中学校は自転車通学がOKで生徒の半数が自転車通学をしているといった情報を伝えました。するとそのご夫婦は自転車通学なら10分程度で毎日通えるということで、そこの住宅を購入することを決めました。このようにお客様は、「中学校から徒歩10分以内」というニーズを示していましたが、実は「子供が10分程度で中学校に通える」というニーズであったのです。細かい違いですが、営業マンの提案力によりお客様も決めることができたのです。

《ポイント10》住宅価格だけでなく、毎月のローン返済額・光熱費込みの出費を考えよう

 お客様は住宅価格に目が行きがちですが、実は住宅性能によって光熱費が変わってくるため毎月の出費を考えることが必要です。電気代は断熱性能や吹き抜けがあるかなどでも変わってきますし、ガスもプロパンか都市ガスか、またはオール電化や太陽光発電があるとまた変わってきます。
 例えば2800万円の住宅と、3000万円の住宅があったとします。お客様の予算としては2800万円の住宅を購入予定だったのですが、トップ営業マンは3000万円の住宅を勧めることで200万円の単価アップを図ることができました。その方法は、3000万円の住宅はオール電化であり、2800万円の住宅はプロパンガスでした。4人家族の場合、プロパンガスでは光熱費が月々約20000円、オール電化では15000円が平均だとお伝えし、月々5000円オール電化の方が安くなります。35年で210万円の差額となり、2800万円と3000万円の住宅ではローン完済までほとんど差がなくなります。このような提案からオール電化の安全性や50年以上住む場合にはさらに光熱費を抑えることができるため、お客様は3000万円の住宅を購入することに決めました。こういった一つ一つのお客様のニーズを知ると同時に、オール電化などの知識もつけておくことが営業マンにとって重要なヒアリング能力を強化してくれるものとなります。

まとめ

 売れる住宅営業マンのヒアリング能力ポイント10選はいかがでしたでしょうか。その①から③まで3つの記事でご紹介いたしました。ヒアリングというのはただ質問をして情報を得るということではなく、お客様のニーズがどこにあるのかを知るためにまずそのゴール設定をして質問をするものです。これが同じ質問をしても営業マンによって違う提案になる理由です。トップ営業マンになるために少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。




※この記事はリバイバル記事です。

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