【屋根材まとめ①】種類、特徴についてこれを読めばほとんどわかる!住宅従事者向け

【屋根材まとめ①】種類、特徴についてこれを読めばほとんどわかる!住宅従事者向け

 屋根材について瓦を知っている方はほとんどだと思いますが、他はよく知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。スレートやコロニアルといった単語は家を購入したことのある方はご存知かもしれません。この記事では、各屋根材の知っておくべき名称と特徴についてご紹介していきます。屋根材はその材料だけでなく、商品や葺き方によって、原料は同じでも見た目は違うというものもあります。ここでは大まかにわかりやすいようピックアップしていきます。


屋根材の種類10選

スレート屋根

・化粧スレート
・天然スレート

瓦屋根

・粘土瓦
・セメント瓦、コンクリート瓦
・樹脂繊維セメント瓦

シングル屋根

・アスファルトシングル

金属屋根

・ガルバリウム鋼板
・銅板
・ステンレス
・トタン

現在一番使われている屋根材はスレート屋根になります。軽くて耐震性にも優れているため、ほとんどの分譲住宅ではスレート屋根になります。瓦屋根は昔ながらの日本家屋の屋根材になります。神社仏閣などでも使用されていますが、一般住宅でも普及している屋根材です。また、洋瓦と呼ばれる海外で用いられている瓦もあり色がオレンジ色などをしているのが特徴です。これらは洋風の住宅にも使用されています。シングル屋根は近年日本でも多く扱われて始めたもので、北米で100年以上前から普及している屋根材です。金属屋根はトタン屋根は聞いたことがある方も多いと思います。近年はガルバリウム鋼板がその耐久性と価格帯から人気です。

化粧スレートの特徴、メリット、デメリット

材質:セメント、繊維素材など
単価:5000~8000円/㎡

化粧スレートは現在の新築戸建てで一番多く用いられている屋根材になります。コロニアルやカラーベストなどとも呼ばれています。スレート自体はセメントが主成分のため、防水性はなく、工場で防水塗装をされたものを現場で使用します。そのため、10年程度で防水塗装が劣化してきたら再塗装を行う必要があります。

主なメーカー
ケイミュー株式会社など

メリット

・耐震性が高い
和瓦よりも軽く耐震性が高いです。
・コストが安い
比較的建材の費用が安く抑えられます。

デメリット

・メンテナンスが必要
10年程度で再塗装を行う必要があります。
*2004年以前の生産品はアスベストを含み、処分費が高くなります。また、ノンアスベストの商品は耐久性に難があるものも多く出回りました。(現在はノンアスベストで耐久性も十分な製品が出てきています。)
・割れやすい
台風などでモノがぶつかるとスレートが割れるため、補修が必要になりやすいです。

天然スレートの特徴、メリット、デメリット

材質:石(岩)
単価:20000~35000円/㎡

天然スレートは岩石を原料とした板状の屋根材になります。石であるため、半永久的に長持ちするものになります。外観も美しいですが、単価が非常に高いことと、施工できる職人もほとんどいません。日本ではあまり見かけない屋根材になります。

メリット

・メンテナンスがほとんど不要
20~30年以上メンテナンス不要です。メンテナンスも屋根材の劣化ではなく、ズレを直すなどの軽微なものである場合が多いです。
・デザイン性
高級感、色の綺麗さは天然スレートならではです。

デメリット

・コストが高い
化粧スレートの4,5倍の値段がします。50㎡の屋根を化粧スレートなら25万円のところ、天然スレートを用いると100万円以上します。
・耐震性が低い
重量があるため、耐震性の面では劣ります。

粘土瓦の特徴、メリット、デメリット

材質:粘土、など
単価:10000~20000円/㎡

粘土瓦とは、粘土を焼いて釉薬などを塗った瓦になります。神社仏閣にもしようされています。昔から日本では非常に多く一般住宅にも使われている屋根材になります。火災の際に屋根が崩れた際、粘土瓦が火を消すという役割もあったそうです。しかし近年では火災より地震の対策として、重さのある粘土瓦は敬遠されるようになってきています。

メリット

・重厚感がある
和風建築には必須といったもよい歴史的建材です。
・メンテナンスがほとんど不要
粘土瓦自体は30~50年以上もちます。

デメリット

・コストが高い
粘土瓦は材料費が高くになります。
・耐震性が低い
比較的重量があるため、耐震性には劣ります。
・メンテナンスが少し必要
20,30年に一度、漆喰のやり直し、番線締め直しなどが必要です。

セメント瓦・コンクリート瓦の特徴、メリット、デメリット

材質:セメント、コンクリートなど
単価:6000~8000円/㎡

モニエル瓦などとも呼ばれています。粘土瓦が高価なため、より安価で外観がほとんど変わらない代替品のようなものとして生産されていました。現在では生産もほとんどされていない屋根材になります。

メリット

・コストが安い
粘土瓦より安価になります。

デメリット

・メンテナンスが必要
セメントが主成分なため、水に弱く、防水塗装をする必要があります。



※この記事はリバイバル記事です。

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