住宅建築では、さまざまな専門業者がそれぞれの工事を担当して行います。
エアコン設置工事もそのひとつですが、設置にあたっては注意しておきたいいくつかのポイントがあります。
また、エアコンは、室内機と室外機に分かれていることから、それぞれに配慮して設置しなければなりません。
そこで本記事では、住宅建築におけるエアコン設置工事について、とくに注意しておきたい点を徹底解説したいと思います。
新築工事でエアコンを設置する流れについて
新築工事では、基本的に最終の仕上げのタイミングでエアコンの設置を行います。
また、施主によっては、家電量販店などで購入し、引っ越し後に設置まで依頼するケースなどもあります。
そのため、エアコンの設置までに、事前準備をしておかなければなりません。
エアコン設置のための準備とは大きく以下の3点です。
- 専用コンセントの設置
- スリーブの設置
- 下地補強
■専用コンセントの設置
エアコンの設置位置に合わせて専用コンセントを準備しておく必要があります。
エアコンは、その他の電気機器よりも使用電力が大きいため、専用回路を設けておかなければなりません。
■スリーブの設置
エアコンは、室内機と室外機を配管でつなぐ必要があるため、壁に穴をあけておかなければなりません。
そして、スリーブとは、壁にあけた穴に対して設置する筒状の管のことをいいます。
■下地補強
エアコンの室内機は、壁に設置しますが、石膏ボードだけで固定できないため、下地補強をしておかなければなりません。
石膏ボードの裏側に合板などを用いて補強し、その下地に対してビス固定する必要があります。
エアコン設置工事の注意点:室内機について
エアコン設置工事について、室内機の場合は以下のような注意点が挙げられます。
- 専用コンセントは適正か
- スリーブは準備されているか
- 下地補強はあるか
- 設置スペースは適正か
■専用コンセントは適正か
エアコンのコンセントは、1台ごとに1口用のものを設けること、かつ、エアコンの電源プラグと同一形状であることが必要となります。
また、家庭用エアコンには100V用と200V用があり、設置するエアコンに対応するコンセントを用意しておかなければなりません。
■スリーブは準備されているか
エアコンの設置位置には、スリーブが準備されている必要があります。
仮にスリーブがない場合は、エアコンの設置時に壁へ穴をあけなくてはなりません。
しかし、耐力壁のような構造上重要な壁に穴をあけると耐力が低下する恐れがあるため、適正な位置にあけることが重要になります。
■下地補強はあるか
エアコンの設置位置には下地補強が行われている必要があります。
仮に下地補強がない場合は、エアコンが脱落する可能性があるため、入れ直さなくてはなりません。
■設置スペースは適正か
エアコンの室内機は、天井や両サイドの壁とのスペースについて、メーカーごとに適正距離が定められています。
そのため、エアコンの施工時には適正距離を確保して設置する必要があります。
エアコン設置工事の注意点:室外機について
エアコン設置工事について、室外機の場合は以下のような注意点が挙げられます。
- 配管の長さ、高さは適正か
- 設置スペースは適正か
- 近隣の迷惑にならない位置か
■配管の長さ、高さは適正か
室内機と室外機を接続する配管は、長さや高さなどについて、メーカーごとに規定があります。
規定が守られないまま設置すると、十分な性能が発揮できない可能性があるため、事前に確認しておくことが重要です。
■設置スペースは適正か
基本的にエアコンの室外機は、背面から給気して前面から排気するため、メーカーごとに壁との適正距離が定められています。
また、メンテナンス時の作業ができるよう、人が入れるだけのスペースを確保しておくことも重要です。
そのため、エアコンの施工時には、適正有効スペースを設けて室外機を設置する必要があります。
■近隣の迷惑にならない位置か
エアコンの室外機は、設置位置によっては排気の風が隣家へ吹き込み、迷惑をかけてしまうことがあります。
また、人によっては、室外機の発する低周波音によって体調を崩すケースもあります。
そのため、エアコンの室外機は近隣の迷惑にならない場所へ設置することが重要であり、問題が発生する恐れがある場合は移動などの検討も必要です。
まとめ
エアコンの設置工事は、ただ設置すればよいわけではなく、適正な方法で行う必要があります。
暮らしを快適にする設備であるため、十分な能力が発揮できるよう、ポイントを押さえて間違いのない施工を行うことが重要です。