【住宅建築の基礎知識】エアコン設置工事の注意点とは

【住宅建築の基礎知識】エアコン設置工事の注意点とは

住宅建築では、さまざまな専門業者がそれぞれの工事を担当して行います。 エアコン設置工事もそのひとつですが、設置にあたっては注意しておきたいいくつかのポイントがあります。 また、エアコンは、室内機と室外機に分かれていることから、それぞれに配慮して設置しなければなりません。 そこで本記事では、住宅建築におけるエアコン設置工事について、とくに注意しておきたい点を徹底解説したいと思います。


住宅建築では、さまざまな専門業者がそれぞれの工事を担当して行います。
エアコン設置工事もそのひとつですが、設置にあたっては注意しておきたいいくつかのポイントがあります。

また、エアコンは、室内機と室外機に分かれていることから、それぞれに配慮して設置しなければなりません。
そこで本記事では、住宅建築におけるエアコン設置工事について、とくに注意しておきたい点を徹底解説したいと思います。

新築工事でエアコンを設置する流れについて

新築工事では、基本的に最終の仕上げのタイミングでエアコンの設置を行います。
また、施主によっては、家電量販店などで購入し、引っ越し後に設置まで依頼するケースなどもあります。

そのため、エアコンの設置までに、事前準備をしておかなければなりません。
エアコン設置のための準備とは大きく以下の3点です。

  • 専用コンセントの設置
  • スリーブの設置
  • 下地補強

専用コンセントの設置

エアコンの設置位置に合わせて専用コンセントを準備しておく必要があります。
エアコンは、その他の電気機器よりも使用電力が大きいため、専用回路を設けておかなければなりません。

スリーブの設置

エアコンは、室内機と室外機を配管でつなぐ必要があるため、壁に穴をあけておかなければなりません。
そして、スリーブとは、壁にあけた穴に対して設置する筒状の管のことをいいます。

下地補強

エアコンの室内機は、壁に設置しますが、石膏ボードだけで固定できないため、下地補強をしておかなければなりません。
石膏ボードの裏側に合板などを用いて補強し、その下地に対してビス固定する必要があります。

エアコン設置工事の注意点:室内機について

エアコン設置工事について、室内機の場合は以下のような注意点が挙げられます。

  • 専用コンセントは適正か
  • スリーブは準備されているか
  • 下地補強はあるか
  • 設置スペースは適正か

専用コンセントは適正か

エアコンのコンセントは、1台ごとに1口用のものを設けること、かつ、エアコンの電源プラグと同一形状であることが必要となります。
また、家庭用エアコンには100V用と200V用があり、設置するエアコンに対応するコンセントを用意しておかなければなりません。

スリーブは準備されているか

エアコンの設置位置には、スリーブが準備されている必要があります。
仮にスリーブがない場合は、エアコンの設置時に壁へ穴をあけなくてはなりません。
しかし、耐力壁のような構造上重要な壁に穴をあけると耐力が低下する恐れがあるため、適正な位置にあけることが重要になります。

下地補強はあるか

エアコンの設置位置には下地補強が行われている必要があります。
仮に下地補強がない場合は、エアコンが脱落する可能性があるため、入れ直さなくてはなりません。

設置スペースは適正か

エアコンの室内機は、天井や両サイドの壁とのスペースについて、メーカーごとに適正距離が定められています。
そのため、エアコンの施工時には適正距離を確保して設置する必要があります。

エアコン設置工事の注意点:室外機について

エアコン設置工事について、室外機の場合は以下のような注意点が挙げられます。

  • 配管の長さ、高さは適正か
  • 設置スペースは適正か
  • 近隣の迷惑にならない位置か

配管の長さ、高さは適正か

室内機と室外機を接続する配管は、長さや高さなどについて、メーカーごとに規定があります。
規定が守られないまま設置すると、十分な性能が発揮できない可能性があるため、事前に確認しておくことが重要です。

設置スペースは適正か

基本的にエアコンの室外機は、背面から給気して前面から排気するため、メーカーごとに壁との適正距離が定められています。
また、メンテナンス時の作業ができるよう、人が入れるだけのスペースを確保しておくことも重要です。

そのため、エアコンの施工時には、適正有効スペースを設けて室外機を設置する必要があります。

近隣の迷惑にならない位置か

エアコンの室外機は、設置位置によっては排気の風が隣家へ吹き込み、迷惑をかけてしまうことがあります。
また、人によっては、室外機の発する低周波音によって体調を崩すケースもあります。

そのため、エアコンの室外機は近隣の迷惑にならない場所へ設置することが重要であり、問題が発生する恐れがある場合は移動などの検討も必要です。

まとめ

エアコンの設置工事は、ただ設置すればよいわけではなく、適正な方法で行う必要があります。
暮らしを快適にする設備であるため、十分な能力が発揮できるよう、ポイントを押さえて間違いのない施工を行うことが重要です。

関連する投稿


【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

現場監督をしていて、新人は特に忘れっぽい人がいます。このような方は、意外に多いです。仕事ができない人というわけではなく、現場監督になるとそのようなことが起こります。理由は、住宅の現場監督は、タスクが以上な量になってしまうからです。細かい伝達内容などが発生し、それをその場で対処したり、数時間後に対処したり、場合によっては別日に対応するなど、非常に複雑になります。1つ1つのタスクは非常に簡単ですが、10個など多くなってくると、全てを覚えておくことは不可能に近いです。この記事では、住宅現場監督が、タスクに埋もれずに、効率的に業務を遂行できる方法としてメモをご紹介いたします。


朝礼は必要ない!?建設工事における目的・確認事項

朝礼は必要ない!?建設工事における目的・確認事項

毎日工事現場では、朝礼が行われます。一般企業でも朝礼を実施している会社はありますが、朝礼は朝の始まりの慣例で、特になくても問題ないのでは?と考えている方も多いかもしれません。しかし、工事現場において朝礼は非常に重要なものです。安全管理や工事内容を再度確認することで、その日1日を問題なく進行させることができます。この記事では、朝礼の目的や内容についてご紹介いたします。


【簡単わかりやすい】戸建て住宅工事の検査まとめ

【簡単わかりやすい】戸建て住宅工事の検査まとめ

戸建住宅工事では、様々な検査が行われています。住宅は非常に高価な商品であり、不具合があったときに容易に交換ができないことや、欠陥により人の命に関わることもあるため、法令遵守の求められている基準が厳しいです。義務として行わなければならない基本的検査、義務ではないがより安心した検査となる任意的検査があります。これらについてわかりやすく簡単にご紹介いたします。


住宅の現場監督が雨の日にやっておきたいこと【5選】

住宅の現場監督が雨の日にやっておきたいこと【5選】

住宅の新築工事では、雨が降ると工事を止めなくてはならないケースがあります。 工事を止めなくてはならないケースとはおもに外部工事になりますが、内部の工事については、屋根や防水、その他雨仕舞が終われば天候に関係なく進められます。 また、雨が降って工事が止まったとしても基本的に現場監督は休みにはなりません。 できる仕事をやる必要があり、そして日頃から忙しい現場監督にとっては滞っている業務を大きく前に進めるチャンスでもあります。 そこで本記事では、雨が降って工事が止まったときにやっておきたいことについて、とくに重要な5つをご紹介したいと思います。


現場に労働基準監督署がやってきた!役割、現場監督の気持ち

現場に労働基準監督署がやってきた!役割、現場監督の気持ち

住宅業界だけでなく、建設業界では馴染みの深い(?)労働基準監督署についてご紹介いたします。労基(ろうき)と略して言われますが、今日は労基がくるぞ!などと会社としては身構える日になります。書類関係や現場をチェックされ、違反などがあれば是正勧告などの指導が入ります。違反が重大なもので、指導に従わない場合、行政処分もあります。現場監督は問題がないように書類関係の準備や現場を普段から安全管理等しっかりと行う必要があります。


最新の投稿


【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

現場監督をしていて、新人は特に忘れっぽい人がいます。このような方は、意外に多いです。仕事ができない人というわけではなく、現場監督になるとそのようなことが起こります。理由は、住宅の現場監督は、タスクが以上な量になってしまうからです。細かい伝達内容などが発生し、それをその場で対処したり、数時間後に対処したり、場合によっては別日に対応するなど、非常に複雑になります。1つ1つのタスクは非常に簡単ですが、10個など多くなってくると、全てを覚えておくことは不可能に近いです。この記事では、住宅現場監督が、タスクに埋もれずに、効率的に業務を遂行できる方法としてメモをご紹介いたします。


住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、建築士の資格を持っていることがほとんどです。しかし、資格を持っていれば完璧にデザインからディテールにこだわった施工まで、問題ない設計ができるかというとそうではありません。住宅設計士として、学ぶべきことは多く、自分1人で仕事を完結できるようになることはなかなか一筋縄ではいきません。技術を学び、盗むことが住宅設計士として一人前になるために必要なことです。この記事では、住宅設計士が何を学び、技術をどのように身につけていけば良いかご紹介いたいします。


住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士は、デザインをする上で、メールに設計図や写真を添付したり、細かい内容は電話をしたりとどちらも使う必要が出てきます。メールだけであれば簡単ですが、電話もしなければいけない状況が多くあります。それらについてどのような情報はメールで、何を電話にしなければいけないのか、判断がつきづらい事項も出てきます。この記事では、仕事をスムーズに進めるためにどのようにすべきかお勧めの方法をご紹介いたします。


住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士として新米の頃、報連相がうまくできていないと注意されたことがある方がほとんどではないでしょうか?住宅設計士にかかわらず、社会人として求められるスキルですが、実は報連相というものは難しいです。業務の全体の流れを把握し、どこが仕事の重要ポイントで、どこをミスしてはいけないのか、どこを確認すれば効率的なのか。これらについて、新人の頃は何も分からないため、ほとんど仕事になりません。この記事では、そんな新人住宅設計士がどのように報連相を行えば良いかを簡単にご説明いたします。


【働き方指南】新人住宅設計士は独立を目指して働こう!

【働き方指南】新人住宅設計士は独立を目指して働こう!

新人住宅設計士は、全く設計の仕事ができないと言っても過言ではありません。設計自体は先輩社員が基本的には行い、新人はそれの補佐から始まります。もっと設計に関わりたい!もっと案を出したい!と思っても、ほとんどできない状況が続くでしょう。小規模の設計事務所では、新人は電話対応やお客様対応などに時間を割かなければなりません。そこで、違う会社に転職しようとしたり、先輩の文句を言う前に、まずは自分が独立したときに困らない知識や経験を最低限つけてみましょう!


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 台風 現場監理 働き方改革 資格