合板とは
合板とは、薄い板を接着剤を用いて繊維の垂直方向に重ね合わせたもののことを言います。板を重ね合わせて作られる集成材というものもありますが、集成材は、繊維方向に接着剤で重ね合わされたものです。
合板は、構造用合板など、構造部分に使われるものもあり、強度に優れています。集成材は、家具やフローリングなどに用いられ、曲げることも可能です。繊維の垂直方向に重ね合わせたものだと、曲げることなどには不向きですが、強度は高いといえます。このように、使用用途によって製法が異なり、同じ板状であっても、名称も異なっているのです。
■合板・ベニヤ・コンパネの違い
合板・ベニヤ・コンパネというように、板状の木材には、様々な呼び方があります。そして、これら全て別のものになります。
・ベニヤ板
ベニヤ板というのは、木の丸太を、かつら剥きのようにして作った薄い板のことです。厚さが0.6mm~3.0mmほどの1枚板です。
・合板
合板は、ベニヤを繊維の垂直方向に重ね合わせ、9mm, 12mmなどの厚さにしたものが一般的です。大きさは、サブロクと呼ばれ、910mm×1820mmが基本のサイズになります。
・コンパネ
コンパネは、合板の1種で、コンクリートを固めるための型枠として用いられるものです。コンクリートパネルを略して、コンパネと呼ばれています。
・構造用合板
構造用合板は、合板の1種で、建築物の構造部分に使用されるものです。壁・床・屋根の下地として使用されており、JAS規格により基準が定められています。
・普通合板
普通合板は、合板の1種で、使用用途が明確にされていないもののことです。
■合板の樹種
合板に用いられる樹木は様々あり、主に5種類が使われています。
・ラワン合板
ラワンというのは、フタバガキ科の総称で、このベニヤを重ね合わせたものがラワン合板です。ホームセンターなどで売られているものは、ラワン合板が多いです。はっきりとした木目はなく、表面がざらざらしていて、素手で触ると棘が刺さることもあります。
・シナ合板
シナ(シナノキ)のベニヤを貼り合わせたもので、芯材にはラワンが用いられます。繊維が柔らかく、加工がしやすく、表面がラワン材よりも綺麗です。
・檜合板
檜のベニヤを貼り合わせたものです。芯材には、杉や檜が用いられています。木目が綺麗で、独特の芳香もある合板です。
・針葉樹合板
針葉樹(主にカラマツ)のベニヤを貼り合わせたものです。木質が柔らかく、軽量で加工しやすいという成長の早い針葉樹の特性を、合板にすることで耐久性を高くし、構造用としても使えるようにしています。
・OSB合板
ツーバイフォー工法の壁材などとして利用されています。ベニヤを張り合わせるのではなく、チップを重ねて板にしたものです。
合板が住宅建築に使われる理由
合板は、以下のような特徴があり、メリットが多いため、使用されています。
・平面を形成するのに、都合が良い
平面を作るために、合板がないとどうしたら良いでしょうか?角材を何本も隣り合わせに使う、1枚板を隣り合わせに貼るなどの方法が考えられますが、いずれも材料がかなり多く必要で、コストも労力もかかることがわかると思います。合板は、平面をある程度の強度を持たせて形成することに非常に役立ちます。
・加工がしやすい
板状で強度もありますが、切ることで簡単に現場でも加工ができます。加工がしやすいということは、収まりを調整しやすいということですので、非常に便利です。
・厚さを調整しやすい
合板の厚さを変えることで、レベルを合わせるのに役立ちます。例えば、床のリフォームなどで、昔の住宅だと隣の部屋との段差が気になる場合があります。合板の厚さを利用すれば、床のレベル調整なども比較的簡単に行うことができます。
・伸び縮みが少なく、釘の保持率が高い、加工処理がしやすい
繊維方向に垂直に重ね合わせているため、伸び縮みが少ない建材となります。そのため、建造物に歪みなどの影響を与えません。複層構造のため、釘なども抜けにくいといえます。また、塗装や防腐処理を行うことも容易のため、耐水性を持たせたり、腐食しにくいものもあります。
まとめ
合板は、1枚板としては強度の弱い樹木であっても、薄い板を重ね合わせることによって、強度を持たせ、平面を形成するために非常に使いやすい建材です。厚さがあり、強度があるものや、表面の仕上がりも綺麗なものもあり、下地から家具にまで使用されています。
構造用合板は、床、壁、屋根に、その他の合板も天井やガレージなど、家具には棚などにも使われています。