住宅建築に使われる釘・ビス(ネジ)まとめ

住宅建築に使われる釘・ビス(ネジ)まとめ

住宅建築に欠かせない小さな材料、釘・ビスについてご紹介いたします。釘やビスは非常に一般的な接合部品で、家具、おもちゃから、DIYでも使用されています。建築用においては、釘やビスと言っても、実は様々な種類があります。これらについて、少しでも知識を持っておくことにより、現場監督などは早急に対応できるようになります。「〇〇ビスが足りない」といった不測の事態に備えましょう。


釘とビス(ネジ)の違い

釘とビス(ネジ)を混同している方もいらっしゃいますが、違いは簡単です。ビスは、ビス頭に切れ込み(プラスかマイナス)があり、電動ドライバーなどで締め付けます。釘は、頭が平らになっており、釘打ち機もしくはハンマーによって打ち込んでいきます。

ここでビス(ネジ)と書きましたが、ビスは基本的には建築用に用いられており、ネジの中でも先が尖っているものや、小ネジのことをビスと言います。この記事では、ビスと統一して説明していきます。

釘の種類

釘は、住宅、家具、工作物など非常に多くのものに使われている部品です。材料を接合させるために使われている、金属(鉄・ステンレス・メッキ)でできた部品です。ハンマーで大工が使っているイメージがありますが、現在では釘打ち機によって、打ち込まれることがほとんどです。

釘といえば、頭が平らで、細いまっすぐなものを思い浮かべますが、胴部にスクリュー状・リング状・突起が施されたものもあります。このような違いは、接合する材料の性質によって、抜けにくくさせるためのものです。つまり、接合する材料に適した釘を使用しなければ、接合強度が著しく落ちてしまう原因になります。そこで、釘を間違えて使用しないためにJIS規格でも指定されています。

JIS規格10種類の釘

・鉄丸釘(N釘)
非常に一般的な釘で、頭が平(皿頭と呼ばれます)、平の部分に網目、胴部は凹凸がありません。建築基準法では、構造用合板で使用する釘としてN50相当が指定されています。N50というのは、N釘の長さが50mmのものです。このように、N50であれば、長さ、太さ、頭の径などが定められています。

・めっき鉄丸釘(NZ釘)
N釘の形状で、メッキ加工されたものをNT釘と言います。亜鉛メッキされたもので、鉄のサビやすさを改善したものです。亜鉛メッキとは、亜鉛と鉄では、亜鉛の方が先に錆びる性質を利用し、万が一錆が発生した場合に、亜鉛だけが錆び、鉄は腐食されてません。そのため強度を維持している鉄部分が長持ちするため、釘としても長持ちします。

・太め鉄丸釘(CN釘)
太め鉄丸釘は、N釘の胴部が太くなっているものです。頭部の網目がなく、区別が比較的容易になっています。一般的に、ツーバイフォー工法用いられています。

・めっき太め鉄丸釘(CNZ釘)
めっき太め鉄丸釘は、CN釘のメッキ加工がされたものです。頭部に網目はありません。

・溶融亜鉛めっき太め鉄丸釘(ZN釘)
溶融亜鉛めっき太め鉄丸釘は、CN釘に溶融法によりメッキ加工がされたもので、メッキ膜が暑くなり、防錆性能が高くなっています。

・細め鉄丸釘(BN釘)
細め鉄丸釘は、胴部が通常より細くなっている形状をとっています。

・ステンレス釘
ステンレス釘は、比較的高価な釘で、耐食性に非常に優れており、めっきされた釘よりも優れています。種類が多く、頭部形状4パターン、胴部形状3パターンで構成されています。

頭部は、平頭・平頭網目付き・丸頭・ケーシング頭の4パターン。胴部は、スムース・スクリュー・リングの3パターンとなっています。

・石膏ボード用釘(GN釘)
石膏ボード用釘は、石膏ボードへ打ち込むために用いられます。頭部が比較的幅広に設計されており、石膏ボードから抜け落ちにくい特徴があります。頭部は、平頭フラット・カップ頭の2パターン、胴部は、スムース・スクリュー・リングの3パターンとなっています。

・シージングボード用釘(SN釘)
シージングボード用釘は、比較的釘が抜けやすいシージングボードに使われます。胴部に「バーブ」と呼ばれる凹凸がついています。

・PN釘
PN釘は、ネイルガンや釘打ち機専用の釘です。今ではN釘なども釘打ち機で使用可能なため、PN釘は、ネイルガン専用の釘といったものになります。頭部は、平頭・平頭網目付き・半丸頭・変形頭・ケーシング頭の5パターン、胴部は、スムース・スクリュー・リング・バーブの4パターンがあります。

ビスの種類

ビスの種類については、簡単にまとめます。まず、全ネジ、半ネジといった種類があり、胴部にネジが全て切ってあるのが全ネジ、半分程度までネジが切ってあるのが半ネジです。
木材同士を接合する際に、半ネジは片方の木材にだけネジが食い込むため、締め付けることができます。

・コーススレッド
ネジ目が比較的荒く、内装取り付けなど広く使われます。

・ボードビス
ボードに打ち込むビスで、ネジ頭が ザラザラしており、パテがつきやすくなっています。

・細ビス
コンパネなどの木材、木割れしやすいところに用いられます。

・硬木用ビス
ウッドデッキなどに用いられ、硬い木材でもいた我を起こさないような作りになっています。

・コンパネビス
頭部がカップになっており、板材をキツく締め付けます。

・コンクリートビス
コンクリート、ALCに直接打ち込むことのできるビスです。

関連するキーワード


住宅

関連する投稿


【PC初心者】住宅事務の基礎スキルまとめ

【PC初心者】住宅事務の基礎スキルまとめ

住宅事務に転職しようと考えている方は、事務職としてどのようなスキルが必要かについて悩まれる方もいるかと思います。しかし特別なスキルを必要としている企業は少ないです。住宅事務に必要なスキルは、初歩的なPCスキルで十分です。住宅関係の専門知識や、住宅業界特有の仕事内容などは、働いてから簡単に身につくからです。ただし、PCスキルが全くない状態だと、仕事そのものが進まず、仕事とは関係ないPCの操作方法から教えなくてはいけません。せっかく人を雇ったのに、PC教室のような役割を会社がするわけにはいかないのです。この記事では、どの程度のPCスキルが一般的に必要とされているのかについてご紹介いたします。


住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界へ転職する場合、営業や施工管理、設計などいくつかの職種が選択肢となります。 そして、実際の工事を担当する「職人」もそのひとつです。 ものづくりにおいて、「職人」の存在は欠かせません。 住宅業界でも同様で、まったくなにもない「ゼロ」の状態から建物をつくれるのは、「職人」の技術があることで実現します。 しかし「職人」を職業にするとしてもメリットとデメリットがあるため、その両方を理解したうえで検討することが重要です。 そこで本記事では、住宅業界で「職人」として転職するメリットとデメリットについてご紹介したいと思います。


住宅業界のリペア業とは?資格は必要?

住宅業界のリペア業とは?資格は必要?

住宅の建築工事では着工から竣工まで多くの専門業者が携わりますが、そのひとつに「リペア業」があります。 「リペア業」とは、住宅の建築工事で使用する仕上げ材や家具、設備などについたキズを補修する業者のことをいい、「補修屋」と呼ばれることもあります。 比較的歴史の浅い技術ですが、住宅の建築工事では補修の工程が当たり前に設定されるなど、非常に注目の業種です。 では、「リペア業」の仕事は具体的にどのようなことを行うのでしょうか? また、「リペア業」の技術を習得し活躍するには資格が必要なのでしょうか? そこで本記事では、住宅業界で注目の「リペア業」とはどのような仕事なのか、そして活躍するために資格は必要なのかなど、詳しく解説したいと思います。


【クレーム対策】住宅基礎のクラックは施行不良なの!?

【クレーム対策】住宅基礎のクラックは施行不良なの!?

住宅業界、建築業界はクレーム産業と言われるほどクレームが多いです。クレームが怖くて業界から離れてしまった方や、業界に飛び込みにくいという方もいらっしゃるかもしれません。ただし、しっかりとした知識を身につけて、お客様対応を行なっていればそこまで大きいクレームになることは滅多にありません。そこで、住宅基礎のクラックは、住宅の基盤でもあり、お客様を不安にさせるものです。しかし、実際には化粧モルタルのクラックであり、基礎にはクラックが入っていないことがほとんどです。そういった知識を簡単にわかりやすくまとめましたので、施主様、工事担当者ともに、正しい知識をつけ、クレームに対処しましょう。


コンクリートの品質って何?見た目ではわからない

コンクリートの品質って何?見た目ではわからない

住宅工事において、基礎はコンクリートがどの工法でもほとんど用いられています。そこで、誰しも住宅関係の仕事をしたことがある方は、聞いたことがあるのではないでしょうか?コンクリートにも品質があることを。コンクリートは見た目では、どれもコンクリートであり、それに違いがあるようには見えません。しかし、実際にはコンクリートというものは、材料を現場で混ぜ合わせ、それから固まっていくものです。材料やその配分が悪ければ、コンクリートの性能が全く違うものになります。見た目にはわからずとも、実際に試験を行うと、強度も低くなってしまっているのです。この記事では、コンクリートの品質についてわかりやすくご紹介いたします。


最新の投稿


【PC初心者】住宅事務の基礎スキルまとめ

【PC初心者】住宅事務の基礎スキルまとめ

住宅事務に転職しようと考えている方は、事務職としてどのようなスキルが必要かについて悩まれる方もいるかと思います。しかし特別なスキルを必要としている企業は少ないです。住宅事務に必要なスキルは、初歩的なPCスキルで十分です。住宅関係の専門知識や、住宅業界特有の仕事内容などは、働いてから簡単に身につくからです。ただし、PCスキルが全くない状態だと、仕事そのものが進まず、仕事とは関係ないPCの操作方法から教えなくてはいけません。せっかく人を雇ったのに、PC教室のような役割を会社がするわけにはいかないのです。この記事では、どの程度のPCスキルが一般的に必要とされているのかについてご紹介いたします。


住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界へ転職する場合、営業や施工管理、設計などいくつかの職種が選択肢となります。 そして、実際の工事を担当する「職人」もそのひとつです。 ものづくりにおいて、「職人」の存在は欠かせません。 住宅業界でも同様で、まったくなにもない「ゼロ」の状態から建物をつくれるのは、「職人」の技術があることで実現します。 しかし「職人」を職業にするとしてもメリットとデメリットがあるため、その両方を理解したうえで検討することが重要です。 そこで本記事では、住宅業界で「職人」として転職するメリットとデメリットについてご紹介したいと思います。


住宅業界のリペア業とは?資格は必要?

住宅業界のリペア業とは?資格は必要?

住宅の建築工事では着工から竣工まで多くの専門業者が携わりますが、そのひとつに「リペア業」があります。 「リペア業」とは、住宅の建築工事で使用する仕上げ材や家具、設備などについたキズを補修する業者のことをいい、「補修屋」と呼ばれることもあります。 比較的歴史の浅い技術ですが、住宅の建築工事では補修の工程が当たり前に設定されるなど、非常に注目の業種です。 では、「リペア業」の仕事は具体的にどのようなことを行うのでしょうか? また、「リペア業」の技術を習得し活躍するには資格が必要なのでしょうか? そこで本記事では、住宅業界で注目の「リペア業」とはどのような仕事なのか、そして活躍するために資格は必要なのかなど、詳しく解説したいと思います。


【建設業の転職活動】退職するときに返却するものとは?

【建設業の転職活動】退職するときに返却するものとは?

会社を退職するときには、さまざまな手続きを行わなければなりません。 また、退職後に必要となる書類などを受け取ることも重要ですが、同時に返却しなくてはならないものもあるため注意が必要です。 とくに建設業での返却物は多岐に渡るうえ、適切に返却されなければ場合によっては損害賠償の対象となる可能性もあります。 そうならないためにも、返却が必要なものは事前にチェックしておきましょう。 そこで本記事では、建設業の転職活動において、退職時に返却する必要があるのは具体的にどのようなものなのかご紹介したいと思います。


【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

現場監督は、あらゆる業務を行わなければなりませんが、「現地調査」もそのひとつです。 「現地調査」とは、工事が始まる前に実際の現場を確認する事前調査のことをいい、新築工事やリフォームなど、工事によって調査する内容は変わります。 また現場監督は、工事に取り掛かる前に施工計画を作成しますが、現地を確認しなければ実行性のある計画がつくれるとは限りません。 施工計画に不備があれば工事は混乱し工程に狂いが生じる恐れもあるため、「現地調査」は非常に重要なのです。 そこで本記事では、現場監督が行う「現地調査」について、おもに新築工事が始まる際に確認しておきたいことをご紹介いたします。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 知識 職人 資格