コンクリート打設とは
コンクリート打設とは、生コンクリートを型枠に流し込み、打設を行う作業のことを言います。「打設」というのは、どろどろとした生コンクリートから、隙間の空気や、余分な水を出すために、棒で叩いたり突いたりしていたため、打設と言われています。現在では、バイブレータや圧送技術といった機械が用いられています。例えば、四角い枠の中に、スライムを入れたとしましょう。そこにスライムを流し込んだだけでは、底の角の部分には入り込んでいきません。そこで、叩いたりして、詰めていくといったイメージです。
コンクリート打設手順
コンクリート打設の手順についてご紹介いたします。
↓打設計画
↓打設工法の選定
↓打ち込み準備
↓受け入れ検査
↓打ち込み
↓締め固め
↓仕上げ
以上のように進んでいきます。コンクリートは、流し込んでから時間の経過とともに固まってきてしまうため、広い範囲にコンクリート打設を行う場合には、打ち込み・締め固め・仕上げは順次並行して行われます。
■打設計画
コンクリート打設は、時間との勝負です。事前に、工事作業者全員に、打設計画について共有する必要があります。打設の順序、現場の特徴および注意点について打ち合わせを行います。この打ち合わせで間違った情報が伝わっていれば、コンクリート打設は失敗してしまいます。そのため、一番重要な工程でもあります。
■打設工法の選定
打設工法は、コンクリートポンプもしくはコンクリートバケットの主に2種類の方法があります。
コンクリートポンプによる工法は、ポンプ車などによって配管を経由しポンプ圧送する方法です。ポンプから生コンクリートが流れてくるので、その配管を持つと非常に重いです。施工箇所に効率よく生コンクリートを流すことができます。
コンクリートバケットによる工法は、生コンクリートを入れたバケットを打設位置まで、クレーンなどで移動させて打設します。ポンプによる工法が一般的ですが、ポンプを伸ばすことができない現場や、小規模の現場の際には、こちらの工法が適しています。
■打ち込み準備
生コンクリートは、型枠があって、その形通りに固まります。形枠・鉄筋などが、施工計画通りに作られているかを入念にチェックします。生コンクリートを流し込んでからでは、修正をすることはほぼ不可能になるためです。
天候についても調べておきます。施行中に雨が降ってしまうと、コンクリートの強度に問題が生じます。施工前に雨が降って、水溜りができていたり、施工後すぐに雨が降る場合も避けます。打設後すぐに強い雨が降ると、コンクリートの表面形状が変わってしまいます。弱い雨であったり、ある程度固まってから雨が降っても問題はありません。
ゴミや大きな石などがないかもチェックします。コンクリートの中に不純物が混じってしまうと、強度の低下や、ひび割れの原因になるためです。
■受け入れ検査
生コンクリートは、いわゆる「生コン屋」から現場に届きます。発注したコンクリートの性能が間違っていないかどうかを確認します。
・スランプ試験
スランプ試験とは、生コンクリートの柔らかさを調べるものです。スランプコーンという高さ30cmの筒に、生コンクートを詰めて、筒を引き抜いたときの下がり具合で測定します。
・空気量試験
空気量試験とは、生コンクリート中の空気量をエアメーターを用いて測るものです。
・塩化物含有量試験
生コンクリートは、鉄筋と被るように打設されます。生コンクリートの中に、塩化物があると錆びる原因となります。通常、塩化物が生コンクリート中に0.30kg/㎥とされています。
・圧縮強度試験
テストピースという円柱状の試験体に、生コンクリートを入れて、硬化後に圧縮強度を測定します。
■打ち込み
生コンクリートは、モルタル、砂、砂利、水からできており、大きさも重さも違う組成です。そのため、打ち込み時にこれらの材料が分離して偏ってしまうことを避けなければいけません。
注意事項としては、生コンクリートを横移動させない。計画範囲の打ち込み完了まで、連続して打ち込む。1層の高さは、40~50cm以下を標準。2層に分けるときには、時間間隔を2時間などに定めて行う。などがあります。
■締め固め
生コンクリートを形枠の隅まで充填するために、バイブレータを使用して締め固めます。バイブレータで振動させる方法は、3種類あります。「内部振動方式」、「型枠振動方式」、「表面振動方式」です。
■仕上げ
コンクリート表面の仕上げを設計通りに行います。締め固めした後に、そのままでは表面はボコボコしています。こて等で滑らかな表面仕上げにすることができます。