【住宅営業が知っておくべき】住宅リフォームの基本

【住宅営業が知っておくべき】住宅リフォームの基本

新築住宅の販売を行っていても、リフォームの知識をある程度つけることは必要です。新築時にはもちろんリフォームは行いませんが、入居後の生活を考えて販売するのが新築住宅、中古住宅です。どのようなリフォームが必要になるのか、費用はどのくらいなのかなどの情報を知っておくことで、お客様も安心して住宅購入をする材料になります。この記事では、住宅リフォームの基本知識についてご紹介いたします。


住宅リフォームの必要性とニーズ

住宅リフォームは、今よりも快適なものにするというイメージが強いですが、単純にメンテナンスの意味も含んでいます。屋根外壁塗装などのように、メンテナンスとして定期的にリフォームを行う必要があるものもあり、戸建て住宅はリフォームを行う必要があります。メンテナンスリフォームを行わないと、修繕不可となり、いずれ建て替えをしないと住めないという選択肢しか無くなります。

一方、必要性は高くても、実際にリフォームを行う方は多いのでしょうか?住宅戸数は、人口減少に伴い減少していますが、実はリフォーム市場は、年々伸びています。市場規模は、年間6兆円を超えており、2022年には7兆円に届きそうな勢いです。

日本の住宅平均寿命は30年と言われていましたが、国として長期間の住宅の使用を促す施策がなされています。住宅性能を高くし、震災などの被害を少なくするためです。そのために、住み潰しではなく、メンテナンスをしながらも構造上問題ない状態の住宅を長く維持することを目的としています。そのため、リフォームのニーズは、日本の市場として成長しています。

リフォームの種類と費用

目的ごとに、大まかなリフォームの種類と費用をまとめます。

・メンテナンスリフォーム
メンテナンスとして行うもので、屋根外壁塗装や、水回りの劣化のための修理、給湯器交換など、劣化を防いだり、修理のための交換のためのリフォームです。
おおよそ築10~15年の間に全体で200万円程度がかかります。

キッチンやフローリング、浴室の交換などは、築20~30年の間に必要になり、こちらは200~400万円程度かかる場合があります。

・美観改善リフォーム
メンテナンスが目的ではなく、見た目を改善するためのものです。壁・天井など、そのままでも問題はないですが、見た目が劣化してきているために行うリフォームです。
築20年程度で30~50万円程度をかける方が多いです。

・増改築(減築)リフォーム
家族構成が変わった場合などに行うリフォームです。近年では、住宅が元から小さいことと、敷地も狭いため、減築、増改築はあまり行われていない傾向にあります。

・フルリフォーム(スケルトンリフォームなど)
構造部分だけを残し、外装および内装、設備関係を全てリフォームするものです。スケルトンリフォームなどとも言われます。断熱材などの内部の建材全てを交換するため、新築のような仕上がりになります。部分的に1部屋ごとにリフォームを行うよりも、コストも抑えて自由なリフォームを行うことができます。費用は1000~2000万円程度かかります。

部位別リフォームの基本

部位別に、どのようなリフォーム工事が行われるのかについてご紹介いたします。住宅の部位ごとに、どのような工事をするのか、どのような建材を持ちいるのかを知ることで、新築時もしくはリフォームをする際にどのような点に注意すべきかを知っておきましょう。

屋根

屋根は、雨漏りの原因1位です。屋根の建材は、スレート、瓦、軽量瓦、アスファルトシングル、ガルバリウム鋼板などがあります。
スレート・アスファルトシングルは、塗装などのメンテナンスが必要です。その他は、メンテナンスサイクルが20~30年と長いものが多いです。

また、リフォームは、塗装以外に、葺き替え、カバー工法があります。葺き替えは、既存屋根を撤去し、新しい屋根を葺き直すもの。カバー工法は、既存屋根の上に新しい屋根材を被せます。瓦屋根の場合は、積み直しなどのメンテナンスが必要です。

外壁

外壁は、サイディング、金属、モルタル、タイルなどの種類があります。サイディング・モルタル壁は、塗装が必要です。金属の外壁は、塗装が30年以上必要ないものもあります。タイルは、剥離・脱落しないように定期点検と、塗装および補修が必要になります。

ベランダ・バルコニー

ベランダの床は、防水塗装という特殊な塗装がされています。築10~15年ごとに、防水層を施工し直します。こちらも、防水層を交換するか、上から新しく被せるという方法があります。防水層にも、FRP、ウレタン、アスファルト防水などの種類があります。いずれにしても築10~15年ごとのメンテナンスが望ましいです。防水層の劣化は、雨漏りに直結します。

以上が、メンテナンスリフォームとして大きく費用の必ずかかるもので、住宅販売時にはこの程度の知識は最低限身につけておきましょう。

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