ものづくりの実感を味わいたい施工管理は住宅業界がお勧めなワケ

ものづくりの実感を味わいたい施工管理は住宅業界がお勧めなワケ

建築業界に携わる人間のほとんどが「ものづくり」に憧れや希望を持って、建築の仕事に就いたと思います。特に、資格試験を受けて建築施工管理になる人は、会社の要請もあったのかもしれませんが「ものづくり」の実感を強く味わってみたいと思ったからではないでしょうか?


建築施工管理は、建物の工程管理を作成して円滑に予定が進むように関係各所と密接に連絡を取りつつ、工事現場の安全に配慮しながら高品質な建物を完成させる為に働きます。

毎日の忙しい業務の中でふと足を止めると「一体自分は何の為に働いているのか?」と、疑問に思うことはないでしょうか?

建築業界に携わる人間のほとんどが「ものづくり」に憧れや希望を持って、建築の仕事に就いたと思います。特に、資格試験を受けて建築施工管理になる人は、会社の要請もあったのかもしれませんが「ものづくり」の実感を強く味わってみたいと思ったからではないでしょうか?

建築業界は仕事のやりがいや実感が少なくなってきている

建築の仕事は「キツイ」「危険」「汚い」の、いわゆる3Kの仕事です。施工管理はこれに「帰れない」「厳しい」「給料が安い(カッコ悪い)」が加わる6Kの仕事です。身体に影響がある他にも心的なストレスの多い仕事なので、実際に心を病んでしまって退職する人もいない訳ではありません。

施工管理の仕事はやりがいがある!というキャッチフレーズを、テレビやネットでよく見かけます。確かに一つの仕事を通して建物を作り上げ、形に残る仕事はやりがいがあるでしょう。熱意や情熱を持って仕事に取り組む事で、確かにやりがいが生れてきます。

しかし、人には「限界」があります。一昔前なら根性論で乗り越えてきた3Kも、今や6Kとなりました。その上で、日々の精神的なストレスや人間関係も複雑になってきている現代社会で、施工管理者が仕事のやりがいを見つけ出すにはなかなか難しく、離職率も決して低くはありません。

大きな現場や大企業では自分の仕事がわかりづらい事も原因

大型施設などの工事では多くの人間が働きます。施工管理者も1人ではなく、総括や所長といった最高責任者の元、数名の施工管理者が働くことになります。それぞれに受け持ちや担当を任せられますが、多くの業者や職人さんが入る現場では通常の施工管理業務以外にも、細々とした仕事も多いのが現状です。

忙しさのあまり、ものづくりをしているという感覚はいつしか無くなり「ただの御用監督」の様に、下請けからの要望や連絡相談を処理するだけになりがちです。もちろん要望や相談を受けることも施工管理の立派な業務なのですが、ものづくりを志して仕事をする人にとっては辛いのではないでしょうか?

さらに、全国に支店や営業所を持つゼネコンの施工管理は、建物の完成前に次の現場に行かされることも多くあります。建物の完成を見ることもなく、次の現場の段取りに入らなければならず「建物を建てた!」という実感を得ることは難しい環境に置かれてしまいます。

住宅業界ならではの理由で、施工管理はものづくりを実感できる

では、同じ建築の施工管理の仕事でも、大型施設の現場と住宅の現場では何が違うのでしょうか?

施工管理の4大管理「原価管理」「工程管理」「品質管理」「安全管理」は、施工管理者が大切にしなければならない業務です。したがって、現場の大小にかかわらず仕事内容は変わりません。違うのは「施主様との距離」です。

住宅工事では、施主が現場に来られて自宅の完成の様子を見ることが非常に多い事です。ある施主は、これから完成する我が家の工事過程を楽しみに訪れます。またある施主は、手抜きの工事をしていないか監視に来ているかもしれません。

家は人生に一度の大きな買い物です。施主様がどの様な目的で現場に訪れるのかは解りません。しかし施工管理者は、大型施設の工事ではなかなか触れることのできない「施主様の想い」や「施主様の今後」に触れることができます。

施主様と近い距離で仕事をすることで「誰の為の建物なのか」という事が明確になります。また、住宅営業からも施主様の情報を聞くことで「何の為に建物を建てているのか」という目的も持つことができます。

このことが、大型施設の施工管理と住宅の施工管理の大きな違いと言えるでしょう。

まとめ

大型施設の現場や、ゼネコンに勤めて仕事をすることでも、ものづくりの実感や仕事に対するやりがいを見つけている施工管理も当然います。しかし、人それぞれ仕事に対しての考え方や向き合い方は、同じ「ものづくり」をしている施工管理者でもそれぞれ違います。

現場で、一体誰のために建てているのか解からない。仕事にやりがいを見いだせないと思う施工管理者は、施主様との距離が近い住宅の施工管理に転職してみてみるのもいかがでしょうか?

着工から完成。そして施主様へのお引渡しに携わる事ができるので、施工管理者として「ものづくり」の実感をより強く感じる事ではないかと思います。


※この記事はリバイバル記事です。

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