現場監督は、やるべきことが非常に多いため、仕事を効率よく進める必要があります。
そのために求められるスキルといえば「段取り力」です。
現場監督が「段取り力」を身に付けることで、工事に関わるあらゆるムダを省き、そしてコスト削減が可能となります。
また、工事が順調に進められるため、協力会社や職人など多くの関係者とも円滑なコミュニケーションを図れるでしょう。
そこで本記事では、現場監督にとって重要なスキル「段取り力」とは何なのか、また身に付けるための取り組み方についてご紹介したいと思います。
現場監督なら身に付けたい「段取り力」とは?
現場監督の「段取り力」とは、工事をムダなくスムーズに進めるための事前準備や計画を適切に行える能力です。
工事を、問題なく工程通りに進めるには、現場監督の段取りがポイントとなるのはいうまでもありません。
仕事をうまく進めるうえで知っておきたいことに「段取り八分仕事二分」という格言があります。
これは、十分な事前準備や計画など、しっかりとした「段取り」さえ行われていれば、仕事の8割が終わっていると考えられるという意味です。
それだけ現場監督の「段取り力」は重要であり、この部分が抜け落ちていると、工事が止まってしまうことさえあり得ます。
よって、現場監督は「段取り力」というスキルを発揮し、工事の効率化を図らなくてはならないのです。
「段取り力」を身に付けるための取り組み方
現場監督の「段取り力」は、一朝一夕に身に付くものではなく、経験の積み重ねが必要です。
しかし、ただ経験するのではなく意識して取り組むことで、効果的に身に付けられるでしょう。
「段取り力」を身に付けるための取り組み方について、以下にご紹介いたします。
■ゴールを意識する
まず、仕事を進めるにあたり、ゴールを意識することが重要です。
ゴールとは目的のことで、その目的を達成するためにはどのような作業が必要となるのか、しっかりとイメージして取り組む必要があります。
ゴールを意識しない場合、惰性で仕事が進んでいることが多く、関連業者から問い合わせがあっても指示があいまいなものになってしまいがちです。
ところが、進むべきゴールが明確であれば、シンプルに伝えられるようになるため、効率もアップします。
現場監督がゴールをしっかりと意識し、関係者と共有することによって、内部統制の強化も図れるでしょう。
■シナリオをつくる
ゴールに向かって具体的に仕事を進めるためのシナリオをつくります。
シナリオは、現在からゴールまでの道筋ですが、工事においては工程表が代表的なものとなります。
そして、現場監督のゴールには期限があるため、必ず間に合うように検討しなくてはなりません。
効率的にシナリオをつくるには、ゴールの位置から現在へと遡りながら検討することがポイントとなります。
そしてそのときには、いつまでに、誰が、何を行うのか、明確な役割を決定し、それぞれの担当が実行していくことでスムーズな流れが生まれます。
■未来の予測とその対策を検討する
つくったシナリオは、必ずしも問題なく進むとは限りません。
建設工事では多くの専門業者がそれぞれの担当工事を行いますが、ひとつのトラブルが工程の遅れを招くことはよくあることです。
このときの対応を間違えると、その他にも影響が及び解決に時間を取られてしまいます。
また、その結果として工事全体の遅れにもつながりかねません。
しかし、未来に起こり得るリスクの予測を立て、そのときの対策を検討しておくと、現実に起こったときにも時間のロスなく対応できます。
つまり、進めたいシナリオとは別に、予定と異なる事態が生じた場合のシナリオについても検討しておく必要があるということです。
■関係者とのコミュニケーションを構築する
工事は、現場監督ひとりだけで完成させることは不可能です。
必ず専門業者や職人などの協力を得る必要があり、つくったシナリオを実際に進めていくのは多くの関係者となります。
そして、いざ問題が起こったときには、現場監督が主導して工程を調整する必要がありますが、できるだけダメージを抑えるためにも関係者のスムーズな対応がポイントとなります。
そんなときに、効力を発揮するのは信頼関係です。
関係者とコミュニケーションをしっかりと図り、お互いに信頼できる関係性を構築しておくことで、予想していない事態にも対応することが可能となるでしょう。
まとめ
現場監督の仕事を効率的に進めるには「段取り力」がキモとなります。
段取りさえしっかりできていれば、実際の仕事で問題が生じても焦ることが少なくなります。
また、段取りを重点的に取り組むことにより、効率的なスキルアップにもつながるでしょう。