顧客の気持ちを知る意味はない!?
タイトルが極端ですが、実は、顧客の気持ちを具体的に細かく知ることから、購買心理を把握することは、失敗してしまうこともあります。
もちろん、顧客の気持ちを知ることで、営業に活かすことは重要です。しかし、購買心理というものは、顧客の気持ちというのを知る前に、一般的な購買心理がどのようなものかを理解しておく必要があります。
理由は、顧客も自身の購買心理を理解していないからです。住宅をどのくらい欲しいと思っているのか、どのくらいの予算をかけたら良いのか、いつ購入すべきなのか、どのような間取りにすれば良いのか、全て漠然としています。そのため、顧客自身も購買意欲がどのくらいあるのかを理解していない場合がほとんどです。
顧客が購買意欲を完璧に理解しているならば、営業は要らないとも言えます。顧客が購買意思を絶対的に決定するのであれば、営業は意味がないからです。顧客が購買意思を決定できない、もしくは理解していない状況だからこそ、営業がアプローチすることによってその心理が変わるのです。
つまり、顧客の住宅購入に対する考えをヒアリングすることは大事ですが、購買心理を把握するための1つのファクターでしかありません。購買心理というのは、一般的な流れがあり、それに営業が顧客をどう乗せていくかということを考えるようにしましょう。
購入した際の心理を振り返る
住宅営業は、住宅の購入経験もなく、実際に購入に至る心理を全く経験していない方も多いです。そこで、まずは何かを購入した際の心理を振り返ってみましょう。お菓子一つにとっても、なぜそれを購入するに至ったかについて、細かく分析します。
・お菓子購入の例
↓スーパーに買い物に行った
↓お菓子が目についた
↓美味しそうに見えた
↓家に帰って食べようと思った
↓カゴに入れた
これは、行動について項目化したもので、心理を分析はしていません。
↓スーパーに買い物に行った
(冷蔵庫が空になってきた。3日分の食材を買いに行った。妻からのおつかい。仕事が休みなど)
↓お菓子が目についた
(昼頃に行ったためお腹が空いていた。お菓子が好き。おつかい。安売りをしていた。など)
↓美味しそうに見えた
(スナック菓子、チョコが好き。妻がチョコ好き。子供のおやつの買い溜め。など)
↓家で食べようと思った
(今日食べたかった。週末に食べたい。家族みんなで食べたい。など)
↓カゴに入れた
(食費に余裕があった。カゴに隙間があった。現金を多めに持ってきていた。など)
このように細かくその時に考えたこと、考えてはいないが無意識に考えていたことを洗い出してみましょう。このように購買心理というものを理解するために、小さい買い物から、どうして購入するのかを考えてみましょう。
顧客の住宅購入の心理とは
住宅購入の心理をパターン化してみましょう。
↓住宅情報サイトの閲覧
(広い家が欲しい。子供が産まれた。賃貸が嫌だ。いくらくらいか相場を知りたい。など)
↓住宅ローンシミュレーション(オンライン)
(毎月の返済額が可能か知りたい)
↓家族との相談
(家族がどう考えているのか。いつ購入するか。など)
↓工務店、不動産相談
(どの施行店が良いか。土地をどこにしようか。など)
↓打ち合わせ
(家族の部屋割り。購入してより良い生活を送りたい。など)
↓契約
(営業担当が信頼できる。予算が工面できた。など)
各ステップにおいて、どのような購買心理が働くかを想像してみましょう。実際に自分が購入しようと考えた際に、どのような考えに至るかを考えるかも重要です。また、購入しようとした際に、どのようなサイトから情報を得るのか、顧客が住宅購入のために検討材料として読む書籍などを読んでみるのも良いです。
■なぜ購入に至らないのか
購買心理を考える上で、なぜ購入に至らないのか、見込みランクがアップしないのかを考えることが大事です。
例えば、工務店に相談してから購入に至らない理由です。営業担当が良くなかったのか、家族との話し合いが足りなかったのか、予算が足りなかったのか、購入に至らない心理というものを推理しましょう。これらを想定した上で、顧客がどのような心理状態にあるのかを把握することで、効果的な営業アプローチを変えることができます。
また、最初に述べたように、顧客が理由を自身で把握せずに購買意欲が下がっていることもあります。営業が、顧客の購買心理がどの段階にあるのかを把握し、それに対して的確なアプローチを行いましょう。