【現場監督】リフォーム工事に必要な知識と資格は?

【現場監督】リフォーム工事に必要な知識と資格は?

現場監督業は、ゼネコンのような大規模な工事から、住宅のリフォーム工事でも現場監督と言います。比較的大規模な工事には、有資格者の現場監督がつく必要がありますが、住宅リフォームのような小さな工事の場合、必ずしも常駐している必要があるわけではありません。 そこで、リフォーム工事における現場監督業がどのような資格や知識が必要とされているのかをご紹介いたします。これから転職を考えている方も、資格がなくても働けるのか、トラブルなく仕事を回すためにはどうしたら良いのかを知ることができます!


持っておいた方が良い資格

リフォーム工事の現場監督は資格がなくても、転職が可能です。もちろん資格取得者の方が優遇されますが、簡単な工事の場合は資格がなくても、確認を怠らずにミスを未然に防ぐことができれば問題ありません。

また、現場監督の資格は、資格取得のために実務経験が必要な場合もあり、初めは無資格の状態から始めている方がほとんどです。働いてからどのような資格を持っておいた方が良いのかをご紹介いたします。

施工管理技士

現場監督が必ずスキルアップや、勤続年数が長くなれば必ず取りたい資格になります。資格手当だけでなく、施工管理技士の資格を持つ人材は不足しており、多くの企業で採用をかけています。

施工管理技士には7つの種類があります。
建築施工管理技士(1・2級)
土木施工管理技士(1・2級)
電気工事施工管理技士(1・2級)
管工事施工管理技士(1・2級)
造園施工管理技士(1・2級)
建設機械施工技士(1・2級)
電気通信工事施工管理技士(1・2級)
となっており、リフォーム工事においては建築施工管理技士を取得していれば、様々な工事に対応できるため、こちらを取得するのが良いでしょう。

その他専門資格

・二種電気工事士
・塗装技能士
・左官技能士
・有機溶剤作業主任者
これらの資格は、施工管理を行う上で役立ちます。職人として働いているわけではなくても、技能士の資格も持っていることで作業がスムーズに進みます。

リフォーム工事の現場監督は、何でも屋のように全ての工事に慣れていることが求められます。リフォーム業者というのは、屋根外壁の工事、塗装、クロス、畳、設備、外構などリフォーム工事全般を取り扱っています。そのため、現場監督もそれぞれの専門の人材を雇っているのではなく、全ての管理を任されます。

そこで、それぞれの専門資格を有していれば、会社からもお客様からも信頼されます。また、現場監督は、細かい作業を職人に依頼せず、監督が施工をして終わらせるという場合もあります。その方が工期も短くなり、細かい作業を各職人に手配する手間が省けるのです。

また、ほんの少しの職人の不手際で、10分程度で直し作業が終わるということもよく発生します。このとき、わざわざ現場確認に行き、再度職人に直しに来てもらうより、その場で現場監督が直した方が早いです。そして早急に対応することで、施主とのトラブルを最小限に抑えることができます。

必要な知識

リフォームの現場監督には、資格が必ずしも必要なわけではありませんでしたが、最低限の知識は必要になります。全く内容を知らなかったら、工事の確認すらできませんからね。

そこで、実際にはどのような知識が必要とされ、どのような対応を行なっているのでしょうか。

工事全般の流れ

工事全般の流れと、ミスが起こりやすい場所を知っておきましょう。深い内容というより、表面的な内容を先につけることをお勧めします。工事全般の専門知識をつけることはなかなか難しいです。職人でさえ、何年と働いてやっと身につけた知識や感覚を現場監督が得ることは難しいです。

そこで、現場監督が身につけるべき知識は、工事の流れを知り、どこでミスが起きやすいのか、ミスが起きないようにどのような確認を行うべきかを知ることです。

例えば、在来の浴室から、ユニットバスに変える際、まずどの工事から始まるでしょうか?
↓解体、廃棄処分
↓下地補修、設備改修
↓ユニットバス組み立て設置
↓コーキング

ここまでで実は、4つの業者が入ります。びっくりされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。さて、全ての業者を言える人はいるでしょうか?
・大工
・設備屋
・ユニットバスメーカー(下請け作業者)
・(廃材処分業者)
の4つです。

まず、解体作業、下地補修に大工が必要です。そしてユニットバスの給排水管や給湯機の交換に設備屋、ユニットバスはメーカーの専属業者が組み立てます。廃材処分に業者を使うこともあります。(小さい会社の場合は、大工などが捨ててくれるように手配することもあります)

このように工事がどのように進んでいくのかを知っておく必要があります。また、業者が変わるタイミングや次の作業に進むために終わっていなければならないことなどを確認しますので、先回りして手配の準備などをします。

事前にミスを防ぎ、工事をスムーズに進めるためには、工事の流れを把握しておくことが最も重要です。

住宅建築の構造

リフォームは、壁を壊して工事することもあります。基礎から、壁の中、設備関係、電気設備がどのようになっているのかを把握していると、工事のミスやトラブルを未然に防ぐことができます。

安全に関する知識

工事を安全に進めることは、施主にとっても作業者にとっても重要なことです。現場監督は安全配慮義務を怠らないようにチェックすることも仕事です。

ヘルメット、安全帯着用、足場の安全は確保されているか、片付けなどで使った道具が置きっぱなしになっていないかなど、常に周囲の安全に気を配る必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。リフォーム工事には現場監督をする上で、資格は必要ありません。しかし、スキルアップのために資格を取ったり、よりレベルの高い現場管理には必要な資格になります。

給与UPのため、よりよい待遇で働くためにも、地道に実務経験を積み、資格を取得するのが良いでしょう。

リフォームは何でも屋さんのような現場監督が必要とされます。建築工事全般の流れ、建築物の構造の知識、安全配慮について把握しておくようにしましょう。
働き始めたばかりでは多くのことはできませんが、どのようなことを知っておくべきかを事前に把握し、必要な能力を効率よく身につけていくようにしましょう!



※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


リフォーム 現場監督

関連する投稿


【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

現場監督は、あらゆる業務を行わなければなりませんが、「現地調査」もそのひとつです。 「現地調査」とは、工事が始まる前に実際の現場を確認する事前調査のことをいい、新築工事やリフォームなど、工事によって調査する内容は変わります。 また現場監督は、工事に取り掛かる前に施工計画を作成しますが、現地を確認しなければ実行性のある計画がつくれるとは限りません。 施工計画に不備があれば工事は混乱し工程に狂いが生じる恐れもあるため、「現地調査」は非常に重要なのです。 そこで本記事では、現場監督が行う「現地調査」について、おもに新築工事が始まる際に確認しておきたいことをご紹介いたします。


【要注意】現場監督の靴のにおい対策とは?

【要注意】現場監督の靴のにおい対策とは?

現場監督にとって、気になることのひとつに「靴のにおい」があります。 とくに新築住宅だけでなく、引き渡し後のアフターサービスやリフォームなども担当している場合は十分に注意しておかなければなりません。 といいうのも、強いにおいがある状態で家のなかに入ると、施主はいやな気持ちになることが予想されるためです。 せっかく品質の優れた建物を建てても、それだけで満足度が下がってしまうかもしれません。 そこで本記事では、現場監督が注意しておきたい「靴のにおい」について、その原因と対策についてご紹介したいと思います。


【管工事施工管理技士】受験資格や取得するとできる仕事とは?

【管工事施工管理技士】受験資格や取得するとできる仕事とは?

建設業界でキャリアアップを図るには、資格を取得することが重要なポイントとなります。 とくに施工管理の仕事で活躍したい場合は「施工管理技士」資格が有効です。 「施工管理技士」の資格は7つの種類がありますが、建築工事では欠かせない管工事に携わるなら「管工事施工管理技士」を取得するとよいでしょう。 ただし、「施工管理技士」資格は誰にでも取得できるわけではなく、一定の条件を満たし、かつ試験に合格しなくてはなりません。 そこで本記事では、「管工事施工管理技士」の受験資格や取得するとできる仕事についてご紹介したいと思います。


【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

現場監督をしていて、新人は特に忘れっぽい人がいます。このような方は、意外に多いです。仕事ができない人というわけではなく、現場監督になるとそのようなことが起こります。理由は、住宅の現場監督は、タスクが以上な量になってしまうからです。細かい伝達内容などが発生し、それをその場で対処したり、数時間後に対処したり、場合によっては別日に対応するなど、非常に複雑になります。1つ1つのタスクは非常に簡単ですが、10個など多くなってくると、全てを覚えておくことは不可能に近いです。この記事では、住宅現場監督が、タスクに埋もれずに、効率的に業務を遂行できる方法としてメモをご紹介いたします。


朝礼は必要ない!?建設工事における目的・確認事項

朝礼は必要ない!?建設工事における目的・確認事項

毎日工事現場では、朝礼が行われます。一般企業でも朝礼を実施している会社はありますが、朝礼は朝の始まりの慣例で、特になくても問題ないのでは?と考えている方も多いかもしれません。しかし、工事現場において朝礼は非常に重要なものです。安全管理や工事内容を再度確認することで、その日1日を問題なく進行させることができます。この記事では、朝礼の目的や内容についてご紹介いたします。


最新の投稿


【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

現場監督は、あらゆる業務を行わなければなりませんが、「現地調査」もそのひとつです。 「現地調査」とは、工事が始まる前に実際の現場を確認する事前調査のことをいい、新築工事やリフォームなど、工事によって調査する内容は変わります。 また現場監督は、工事に取り掛かる前に施工計画を作成しますが、現地を確認しなければ実行性のある計画がつくれるとは限りません。 施工計画に不備があれば工事は混乱し工程に狂いが生じる恐れもあるため、「現地調査」は非常に重要なのです。 そこで本記事では、現場監督が行う「現地調査」について、おもに新築工事が始まる際に確認しておきたいことをご紹介いたします。


テナントの意味、テナント工事のABC

テナントの意味、テナント工事のABC

テナントビルは、オフィスビルや商業ビルの賃貸のことを意味します。テナントは、借りる方で、ビルなどのオーナーと契約することになります。テナントが入るにあたり、内装のリフォームで工事が必要になります。これがテナント工事です。テナント工事には、ABCという工事区分がありますが、どれがどれなのかしっかりと把握しているでしょうか?これらを把握すると同時に、なぜ把握する必要があるのか、また工事区分により何に注意しなければならないのかを知っておきましょう。この記事では、テナントの意味から、どのようなトラブルがあるのか、ABC工事区分についてわかりやすくご紹介いたします。


【クレーム対策】住宅基礎のクラックは施行不良なの!?

【クレーム対策】住宅基礎のクラックは施行不良なの!?

住宅業界、建築業界はクレーム産業と言われるほどクレームが多いです。クレームが怖くて業界から離れてしまった方や、業界に飛び込みにくいという方もいらっしゃるかもしれません。ただし、しっかりとした知識を身につけて、お客様対応を行なっていればそこまで大きいクレームになることは滅多にありません。そこで、住宅基礎のクラックは、住宅の基盤でもあり、お客様を不安にさせるものです。しかし、実際には化粧モルタルのクラックであり、基礎にはクラックが入っていないことがほとんどです。そういった知識を簡単にわかりやすくまとめましたので、施主様、工事担当者ともに、正しい知識をつけ、クレームに対処しましょう。


コンクリートの品質って何?見た目ではわからない

コンクリートの品質って何?見た目ではわからない

住宅工事において、基礎はコンクリートがどの工法でもほとんど用いられています。そこで、誰しも住宅関係の仕事をしたことがある方は、聞いたことがあるのではないでしょうか?コンクリートにも品質があることを。コンクリートは見た目では、どれもコンクリートであり、それに違いがあるようには見えません。しかし、実際にはコンクリートというものは、材料を現場で混ぜ合わせ、それから固まっていくものです。材料やその配分が悪ければ、コンクリートの性能が全く違うものになります。見た目にはわからずとも、実際に試験を行うと、強度も低くなってしまっているのです。この記事では、コンクリートの品質についてわかりやすくご紹介いたします。


コンクリートの性質まとめ|なぜ住宅に使われているのか

コンクリートの性質まとめ|なぜ住宅に使われているのか

コンクリートは、建築物に最も広く使用されている建材の1つです。大規模な公共物やビル・マンションから一般住宅までありとあらゆる場面で活躍しています。このコンクリートが、なぜここまで汎用性の高いもので、他の建材では普及しない理由は何でしょうか。コンクリートの持つ性質について、さまざまな観点から見ていくことで、コンクリートについての知識を深めていきましょう。コンクリート打ちっぱなしの住宅はもちろん、木造住宅でもコンクリートは基礎として使われています。住宅関係で働く方は、建材についても知識を広く持っておきましょう。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 台風 知識 現場監理 働き方改革