戸建住宅の耐用年数は30年~50年
一生の買い物や、生涯住み続けるための家というイメージがありますが、実は耐用年数としては30年~50年程度になります。これは国土交通省の資料を参考にしています(https://www.mlit.go.jp/common/001011879.pdf)。
例えば20代で家を購入する方も増えていますが、この場合一生のうちに2,3棟を建てなければならないことになります。ただ、これはあくまでも想定の話で、メンテナンス次第でこれ以上持たせることは可能です。例えば車であっても寿命が10年と言われていても、メンテナンス次第で何十年と走らせることもできるのと同じで、要は使い方ということになります。
戸建住宅での耐用年数の考え方ですが、躯体の耐用年数としています。つまり柱などの構造で重要な部分がどれくらい持つかということです。屋根、外壁、内装材などは当然ですが寿命は一般的に10年~30年などと短いため、メンテナンスや交換が適時必要になります。また、躯体が木造かRC造(鉄筋コンクリート)なのかなどで耐用年数も変わってきます。一般的にRC造であれば耐用年数は50年以上と考えて良いでしょう。
分譲住宅とハウスメーカーなど注文住宅の耐用年数の違い
一般的にハウスメーカーなどの方が住宅価格も高くなりますが、耐用年数はどうなのでしょうか。やはり分譲住宅よりもハウスメーカーの方が耐用年数は長いです。分譲住宅では、耐用年数が30~40年といった住宅も多くあり、外装材、内装材も劣化が早い傾向にあります。実際にそのような分譲住宅が30~40年経つとどうなるのでしょうか。躯体にズレが生じたり、雨漏り、シロアリ被害などに遭う可能性が高くなります。このようになってしまうと、交換などを行う費用をかけるより建て替えてしまった方がコスパが良いという状態になります。
ハウスメーカーでは、躯体に使用している材料、各設備などを良いものを使用しているため、耐用年数が長くなります。
生涯住み続けるためにはメンテナンスが必須!費用は約1000万
住宅の耐用年数は30~50年と言いましたが、その間にメンテナンスを一切しなくてもいいかと言われるとそうではありません。実はメンテナンス費用は生涯住み続けるためには約1000万円以上が必要になります。
一般的な30坪の木造住宅では、概算で
・屋根外壁塗装費用(10年ごと120万円)
・給湯器交換費用(10年ごと20万円)
・屋根葺き替え費用(30年で100万円)
・キッチン交換(35年で100万円)
・お風呂交換(35年で150万円)
・クロス交換(20年ごと50万円)
・床張り替え(40年ごと50万円)
・その他(防蟻工事など)
かなりざっくりとした計算ですが、築年数40年が経過して住みやすいようにメンテナンスをすると、以上の合計1000万円程度かかる計算になります。このほかバリアフリー工事や床暖房をつけたいなどの住宅性能をupさせる工事をすると2000万円以上かかることもあります。2000万円となってくると今はローコスト住宅で1500万円などで建てられるため、建て替えてしまった方が断熱性能やその他設備も性能が高い場合もあります。
100年住宅がこれからは増えてくる?
100年住宅というキーワードが出てきています。というのも、平均寿命が伸びてきており、今までの耐用年数が30~50年という住宅では、老後にもう一軒建てる必要が出てくるためです。例えば橋や高層ビルなどは非常に高い耐久性があります。これらは基本的に鉄骨造になります。そのため100年住宅と謳っている住宅でも鉄骨造を採用しているところがほとんどのようです。
100年持つのであれば、絶対にこっちの方が良い!と思うかもしれませんが、実際はそうとも言い切れません。実際にあまり普及していない点からもそうと言えるでしょう。まず住宅の販売価格が高価になることと、前述したようにメンテナンスコストは同じようにかかる可能性があるためです。30年、40年後に立て直してしまった方が、技術の向上により住宅性能や設備が良くなり、コスパ自体は良くなることがあるためです。
まとめ
住宅の耐用年数は30~50年と一般的には生涯住み続けるためには非常にお金もかかり、現状としても建て直しなどをされている場合が多いです。海外では日本とは対照的に80年以上同じ建物に住み続けている場合も多いです。それはもともと躯体などを強固に作っておき、内部をリノベーションによって長く住むという文化が定着しているためになります。日本は地震などの災害が多いことも建て替えをする文化になった理由かもしれません。
※この記事はリバイバル記事です。