リフォームとリノベーションの違いを知っていますか?

リフォームとリノベーションの違いを知っていますか?

住宅購入は、新築住宅を建てる他にも中古物件を購入して、中古住宅をリフォームやリノベーションした住宅を購入するという選択肢もあります。国や地方自治体でも空き家対策の一環として、リフォームやリノベーションに対して補助金を増やし、それを利用する人も年々増加傾向にあります。 住宅業界に関わっていると「リフォーム」と「リノベーション」という言葉を見聞きしますが、具体的にどういう意味なのか知っていますか? 今後も需要が見込まれる中古住宅のリフォームやリノベーション。 ハウスビルダーなどでは、新築住宅受注より注文が多い事もあります。住宅業界に携わる者であれば、その違いをしっかりと知っておきましょう。


リフォームの言葉とその意味とは

リフォームの意味の前に、まずこの「リフォーム(reform)」の言葉の意味から解説します。私たちは住まいの改装や改築。さらに増築を行う時にこのリフォームを使っていますが、海外では間違いではないのですが、あまりそのような意味では使われていません。海外では国家や政府に対して、制度や状態を「改革する」や「刷新する」または「改心する」といった意味で使われています。

私たちが使うリフォームでは、建物に対して古くなった建物を建築当時の現状に戻すという意味で利用しています。国土交通省では「新築時の目論みとは違う次元に改修する」という意味で定義されています。また、一般社団法人 リノベーション住宅推進協議会の定義では、「フォーム:原状回復のための修繕・営繕、不具合箇所への部分的な対処」としています。

簡単に訳すと、リォームには屋根や外壁といった外部分から内装や設備を、建物の建築当時の質や性能(原状回復)に戻す工事をのことを指しています。例えば、間取りや設備を変更せずに、内装の変更や床板の張り替えなどはリフォームになります。また外部工事でも、新しい屋根材の交換や外壁を塗り直しや張り替えもリフォームになります。

リフォームは工事規模の大きさなどに関係なく、建物が新築当時の状態に性能に戻す工事のことをリフォームといいます。

リノベーションの言葉とその意味とは

ここ10年くらいで、リフォームに代わってリノベーションという言葉をよく見聞きするようになりました。しかし、欧米ではリノベーションの方が、住まいの改修や改築する場合によく使われている言葉です。

リノベーションの意味は「改修」「修復」あるいは「刷新」という意味です。住まいの改築や改装は「home renovation(ホーム リノベーション)」といい、海外でも十分に伝わる言葉です。国土交通省の定義では、リノベーションは「新築時の目論みとは違う次元に改修する」とあり、一般社団法人 リノベーション住宅推進協議会の定義では「機能、価値の再生のための改修、その家での暮らし全体に対処した、包括的な改修」としています。

リノベーションは建物や設備を新しくするのはもちろん、住む人の趣味やライフスタイルに合わせて間取りやトイレ、バスといった設置位置の変更などを行います。そのため、工事は壁や床を取り払い、柱や配管の変更を行う大掛かりな工事となり、内装デザインなども大きく変えることができます。

また、住まいの性能が新しくなる上に建物に住人の意見がよく反映されたものなります。 そして、デザインや間取り。内装から外装まで変えることによって、住まいに付加価値をつける改修工事の事を指しています。

例えるなら、リフォームの工事が住宅をマイナスからゼロの状態に戻す事に対し、リノベーションは住宅をマイナスやゼロの状態からプラスに変化させることです。

リフォームとリノベーションの大きな違いとは

リフォームとリノベーションの大きな違いに「工事の大きさ」があります。これは、工事の大小でリフォームとリノベーションの区別がつくのではなく、その工事内容からどうしてもリフォームが小規模工事。リノベーションが大規模工事になってしまうからです。

前述の通り、住まいをゼロに戻すのがリフォームであり、ゼロやプラスに変えていくのがリノベーションになります。たまに、工事の大小をリフォームとリノベーションの違いと表記している記事などを見かけますが、これは大きな間違いですので注意して下さい。

もう一つの違いは「工事費用の大きさ」です。リノベーションの方が間取りの変更や工事に時間を費やすことが多く、さらに住人のこだわりや要望が多いほどその費用は大きくなっていきます。リフォームとリノベーションの大きな違いはこの2点になります。

しかし、工事が小規模くてもリノベーション、大規模でもリフォーム。金額が低くてもリノベーション、大きくてもリフォームといった工事の事例は、建築現場を見てみればたくさんあります。リフォームとリノベーションの線引きが難しい原因は、この様な理由だからです。具体的に「これが違いだ」ということはないので注意しましょう。

まとめ

リフォームとリノベーションの違いは、線引きが難しいのですが、「住まいをマイナスからゼロの状態にするのがリフォーム。マイナスやゼロの状態からプラスにするのがリノベーション」という解釈が、さまざまな建築工事を見てきて一番ピッタリ当てはまる答えだと思います。

今後も中古住宅を購入して、リフォームやリノベーションをする需要は高くなっていきます。住宅業界で働く者の知識として、リフォームとリノベーションの違いを知っておくのは大切なことですので、きちんと覚えておきましょう。




※この記事はリバイバル記事です。

最新の投稿


設計事務所に頼むメリット、施工会社の選び方

設計事務所に頼むメリット、施工会社の選び方

ハウスメーカーや工務店ではなく、設計事務所という建築設計を専門に行う会社があります。お客様は、住宅を建てる会社としては、ハウスメーカー、工務店、設計事務所の大きく3つから選ぶのが主な選択肢になります。この記事では、設計事務所に頼む際のメリットや、施工会社を選ぶ方法についてご紹介いたします。また、これらを知ることで、住宅営業マンなどにとって、営業力を強化する知識にもなります。


【提案上手】土地編|お客様が安心して住宅を選ぶ方法

【提案上手】土地編|お客様が安心して住宅を選ぶ方法

お客様が注文住宅を建てる際には、まず土地の選定から入ります。どのような家を建てたいか、漠然としたイメージはあっても、土地がある程度決まらなければ、具体的な設計はできません。また、予算についても土地そのものの価格だけでなく、土地状況に応じた工事費を考慮しなければいけません。そして、安心して暮らすためには、安心できる土地が重要です。お客様が土地を安心して選ぶために、営業や設計者が適切に提案を行うことが必要です。この記事では、土地についての簡単な知識と、提案方法についてご紹介いたします。


給料が未払いになったらどうする?請求する方法は?

給料が未払いになったらどうする?請求する方法は?

勤務先で給料が未払いの状態になってしまった場合、誰もが不安になってしまうでしょう。 給料は労働に対する正当な報酬であり、未払いは明らかな法律違反となります。 しかし、未払いの状態が続くほど回収が困難となるうえ、未払い給料に対する請求権には時効があるため、できるだけ早く行動することが重要です。 そこで本記事では、万が一勤務先で給料が未払いになった場合、どのような方法で回収するとよいのかご紹介したいと思います。


【現場監督がよく使う建設用語】ユンボとは?語源や必要な資格は?

【現場監督がよく使う建設用語】ユンボとは?語源や必要な資格は?

工事現場では、一般の人には伝わりにくい用語が使われることがありますが、「ユンボ」もそのひとつです。 「ユンボ」とは、「油圧ショベル」や「パワーショベル」など、土木工事で掘削用として使われる建設機械のことをいいます。 しかし、なぜ「ユンボ」と呼ばれているのか、その語源を知っている人は少ないのではないでしょうか? また、「ユンボ」は土木工事では欠かせませんが、誰にでも扱えるというものではなく、操作をするには資格が必要となります。 そこで本記事では、現場監督がよく使う建設用語である「ユンボ」について、その語源や必要となる資格などをご紹介したいと思います。


上棟式はしないといけないの?しない場合にやっておきたいこととは?

上棟式はしないといけないの?しない場合にやっておきたいこととは?

住宅の新築工事の期間中には、施主にとって多くのイベントがあります。 そのうち、とくに木造住宅では、上棟が重要な節目となり、なかには「上棟式」を行うケースがあります。 しかし、「上棟式」とはどのようなもので、また行う必要があるものなのでしょうか? そこで本記事では、新築住宅の「上棟式」はしないといけないのか、また住宅会社の立場として「上棟式」をしない場合にやっておきたいことなどについて、ご紹介したいと思います。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


住宅 利益 新築工事 現場監督 施工管理 職人 営業 建築 資格