パワービルダーとは、分譲戸建て住宅事業を行う大手の企業
街を歩いていて5~10棟くらいの同じような外観の住宅が立ち並んでいるのを見たことがあるのではないでしょうか?こういった分譲戸建てを建てている大手企業がパワービルダーと言われている会社になります。分譲戸建て住宅を建設している工務店などは多くありますが、年間供給棟数が数千から数万棟の企業をパワービルダーといいます。一番有名な企業は「飯田グループホールディングス株式会社」になります。一建設、アーネストワン、飯田産業、東栄住宅、アイディホーム、タクトホームなどの住宅事業をグループに持っています。年間3万棟以上の分譲住宅を建設しています。徹底した工程管理などによりコストを最小限に抑えることでリーズナブルな住宅を大量に供給しています。工期も2ヶ月以内に抑えており、一般的な工期は3~5ヶ月(建売住宅の場合)のためかなり短い期間で完成し、人件費なども抑えています。
また近年では、単に勢いのあるビルダーをパワービルダーと言う場合もあるようです。タマホームは分譲住宅事業ではないですが年間1万棟近く供給しており、非分譲系パワービルダーと呼ばれています。
パワービルダーのビジネスモデル
分譲戸建て住宅を扱っています。まず土地の仕入れから行い、その土地に対してプランを決めます。そのプランというのは何棟建てて、入居者の年齢層などを考慮し、1棟あたりの敷地面積・建物面積などを決めます。そして外観のデザイン、間取りなどを決め着工となります。土地の仕入れを一括して広い土地を購入するため、コストを下げることができます。そして間取り設計などを途中変更しないため、余計な工期がかかりません。また似た分譲住宅を建てることで材料を大量に仕入れることでコストを下げています。
飯田グループホールディングス株式会社の場合、年収500~700万円程度のお客様をターゲットにしています。建売住宅の価格設定は、1500万円〜3000万円程度となっており、土地とセットで2000~3500万円程度のものが多いです。こういった建売住宅は土地の状態から販売を行なっています。このように告知を早くすることで売れやすくしています。建築予定の販売告知から、建築中、完成時期、完成後数ヶ月と経っていくにつれ販売価格を下げていく手法を取っています。積極的に営業をかけて集客するというより、営業コストを下げつつ、売れ残るリスクも考え完成後なるべく早く売却しています。建売住宅が2年や3年売れ残ってしまったら、より価格も下げる必要があるのと資金回収ができないため回転率を上げています。
営業ノルマは比較的厳しいが売れやすいのがパワービルダーの特徴
上記でお伝えしたように、1棟が売れるまでを非常にスピーディーに行うことが建売住宅には必要です。営業もいかに早く売ることができるかが求められます。そのため営業は月1棟以上売るのは当たり前といったところもあるようです。リーズナブルな住宅のため反響などから売れる件数も多いです。営業ノルマも厳しく設定されており、年間5~10棟以上をノルマとしているところもあります。注文住宅などは年間に5棟を売ることも難しいこともあるので棟数としてはパワービルダーは厳しいです。
実際のある営業マンからの口コミでは、ノルマが設定されていないという会社もあるようです。ほとんどが反響から売れていくのでそこまでノルマに厳しくなかったようです。しかし売上棟数が少ない営業マンは給与も少なく自然と辞めていってしまうようです。
(口コミ)平均年収は600万円程度!?
パワービルダーの住宅営業の歩合は、1棟に対してではなく、年間何棟売れているのかで判断されるようです。例えばある営業マンの口コミによると、その年の1棟目の歩合は5000円となるようです。3000万円の住宅を売って5000円の歩合というのはかなり低く、営業マンもやる気をなくしそうですが、年間何棟も1人の営業マンが売ることができるため、このような歩合設定になっているのでしょう。2棟目は2万円、3棟目は10万円、4棟目は15万円などと徐々に歩合額が増えていくようです。年間20棟程度売ることができれば、年収600~800万円程度になるようです。営業初心者にとっては、棟数を売りやすいパワービルダーを狙ってみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
分譲戸建て住宅事業を年間数千から数万棟と供給しているパワービルダーは、営業ノルマの棟数は多いですが、売れやすい環境にあるようです。年間20棟程度売ることができれば年収600~800万円はいくようです。ハウスメーカーや工務店とは全く違う環境で営業ができるので、まずは売れる感覚を掴むためにパワービルダーの営業を経験することは営業初心者にオススメかもしれません。