施工管理が持っておいた方がよいデスクワークスキルと最も必要な能力とは?

施工管理が持っておいた方がよいデスクワークスキルと最も必要な能力とは?

施工管理の業務は、工事現場の管理のほかにデスクワークの多い仕事です。工事現場の工程管理表や工事手順書の作成。現場の見積書や経費の帳簿作成と整理など、事務的スキルがなくてはかなり大変な業務がたくさんあります。大きな現場になれば「建築事務」といった専門職の方を呼びますが、ほとんどの現場は施工管理がデスクワーク業務を行います。この記事では、施工管理者に必要なデスクワークスキルと、施工管理者として最も必要な能力について解説しています。施工管理者を目指す方は、ぜひ参考にして下さい。


Word、Excel、PowerPointの操作スキル

今の時代、表題の3つのソフトはどんな業種でも利用されており、現代で働くサラリーマンの必須スキルと言っても過言ではありません。Wordは文書作成ソフトですが、建築業界では特にExcelを使って文書作成や工事の工程管理、原価管理表などの関係書類を作成します。

PowerPointは、関係者会議の工事状況確認に利用したり、全作業員の安全教育の実施等で利用します。資料作りや、当日の司会とPowerPointの操作は施工管理者が行うので、是非持っておきたいスキルのひとつです。

「建築業は現場で汗かいてなんぼ」といった時代は、既に過去のものです。現場作業員でも勤怠管理や作業内容の確認などを、タブレット端末や休憩所に設置されたパソコンを操作して行う時代です。 PCスキルはもちろん、この3つのソフトは必ず使えるようにしておきましょう。

CADの操作スキル

CADとはパソコンを使って図面を作成する支援ソフトです。設計から送られてくる図面はCADデータで、現場のパソコンで開いてプロッター(図面用の大型プリンター)で紙に出力します。

図面どおりに工事を進めなければなりませんが、現場の周辺環境の状況やどうしても施工が不可能という場合には、設計図面を変更しなくてはなりません。設計者は、建築現場の状況等を細かくは把握していないので、現場の施工管理が修正の図面をCADで作成し、変更提案を行う場合があります。

この作業を繰り返すことで、設計図はより精密な図面に仕上がります。施工管理がCADの操作スキルを持っていれば、作図の効率も上がって余計な時間を取ることもありません。また、建築業界の図面も紙から電子化へ進んでいます。専用タブレットでCAD図面を確認し、現場で作業員に指示を与えなければならないので、CADのスキルは必ずも持っておきましょう。

コミュニケーションアプリの利用と操作スキル

昨今はコロナウイルスの影響で、ほとんどの業界で直接の会議や面談などは困難な状況です。そのため、オンラインの会議やビデオ会議サービスを利用して活動をしているのが現状です。

現在、さまざまなコミュニケーションアプリが世の中に出ているので、パソコンを利用するならAのアプリ。スマホを利用するならBのアプリといった様に、利用する端末や状況に合わせて適切なコミュニケーションアプリを選択して操作するスキルが必須です。

コロナウイルスの影響でなくても、会議用のコミュニケーションアプリは移動や会議室の経費を抑えて大人数で利用可能なので、今後も急速な利用拡大が見込まれます。ぜひこのスキルも施工管理者として持っておきましょう。

施工管理者に最も必要な能力とは?

ここまでは、どちらかと言えば「目に見える形での能力(スキル)」でしたが、次に紹介するものは人によっては習得が難しいかもしれません。しかし、向上心を持って日々努力や勉強を惜しまなければ、必ず身につけることができるものです。

コミュニケーション能力


工事現場では、さまざま業者が関わり多くの人の力を必要とします。現場状況も、それぞれの業務を同時進行で行ったり、工程を変更して行うこともあります。その度に、施工管理者は各業者と仕事の調整を行って、円滑に現場を運営しなくてはなりません。

予定通り工事を完成させるためには、工事に関わる全員が協力して行わなければ不可能です。 時には無理を承知で、強いリーダーシップを発揮して現場をまとめ上げ、関係者に指示を出して工事を進める時もあります。

人を動かすには、会社の大きさや立場だけでは絶対に無理です。たとえその時は動いたとしても、その反発は全部の関係者の心に残り、次に困った事態が起きた時には誰も手を差し伸べないことになるでしょう。

工事は関係者の協力があって完成するものです。施工管理は立場上指示を出すだけで、作業ができない者がほとんどです。快く協力してもらうには、作業員や職人さん達との良好な関係づくりが重要です。そのため、施工管理にとってコミュニケーション能力は必要な能力なのです。

現場マネジメント能力

工事の現場は常に動いています。施工管理は現場の進み具合を常に注視して、関係者に適切な指示やスムーズな段取りを行います。場合によっては、工程の変更や作業人員の変更なども決定しなくてはならず、円滑に業務を進めるためにも日頃からの「現場マネジメント」が必要です。

「工事現場の状況にあった人員配置ができているか?」や「作業工程に合わせて適切な段取りができているか?」といった疑問を常に持ち、その疑問に対応できる解決策を頭に考えて準備しておく必要があります。

これは工程管理に関するマネジメントですが、そのほかにも「経費に関するマネジメント」や「安全に関するマネジメント」を同時に計画実行していかねばなりません。このように、施工管理はその名の通り「管理」そして現場を「運営」するの能力が必要で、それを確実に実行して成果を出さなくてはいけません。

まとめ

いかがだったでしょうか?

施工管理に必要なデスクワークスキルと、絶対に必要な2つの能力についてご紹介しました。このスキルと能力は、施工管理にとって必須と言っても過言ではないでしょう。 施工管理の業務は大変多く、ここで紹介したスキルや能力以外にも必要なスキルがたくさんあります。

必要な全てのスキルや能力を習得する必要はありませんが、最低でもここで紹介したデスクワークスキルは習得しましょう。また、施工管理に必要とされる能力については、初めから持ち合わせている人間はいないので、日々の努力と勉強によって培っていくしかありません。そうすることによって、施工管理としての自信とやりがいに繋がります。



※この記事はリバイバル記事です。

最新の投稿


【まとめ】コンクリートについて詳しく解説

【まとめ】コンクリートについて詳しく解説

住宅関係者は、住宅の基礎施工において、コンクリートの施工現場などを見ることも多いと思います。コンクリートといっても、いざコンクリートとは何かを聞かれると、建築士の資格を持っていない方は答えられないのではないでしょうか。しかし、住宅関係の仕事についている以上、コンクリートは基礎中の基礎であり、知識としても知らないままではよくありません。この記事では、意外に細かいことまで知られていない、世の中に最もありふれた建築資材であるコンクリートについてわかりやすく詳しくご紹介いたします。


【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

現場監督をしていて、新人は特に忘れっぽい人がいます。このような方は、意外に多いです。仕事ができない人というわけではなく、現場監督になるとそのようなことが起こります。理由は、住宅の現場監督は、タスクが以上な量になってしまうからです。細かい伝達内容などが発生し、それをその場で対処したり、数時間後に対処したり、場合によっては別日に対応するなど、非常に複雑になります。1つ1つのタスクは非常に簡単ですが、10個など多くなってくると、全てを覚えておくことは不可能に近いです。この記事では、住宅現場監督が、タスクに埋もれずに、効率的に業務を遂行できる方法としてメモをご紹介いたします。


住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、建築士の資格を持っていることがほとんどです。しかし、資格を持っていれば完璧にデザインからディテールにこだわった施工まで、問題ない設計ができるかというとそうではありません。住宅設計士として、学ぶべきことは多く、自分1人で仕事を完結できるようになることはなかなか一筋縄ではいきません。技術を学び、盗むことが住宅設計士として一人前になるために必要なことです。この記事では、住宅設計士が何を学び、技術をどのように身につけていけば良いかご紹介いたいします。


住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士は、デザインをする上で、メールに設計図や写真を添付したり、細かい内容は電話をしたりとどちらも使う必要が出てきます。メールだけであれば簡単ですが、電話もしなければいけない状況が多くあります。それらについてどのような情報はメールで、何を電話にしなければいけないのか、判断がつきづらい事項も出てきます。この記事では、仕事をスムーズに進めるためにどのようにすべきかお勧めの方法をご紹介いたします。


住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士として新米の頃、報連相がうまくできていないと注意されたことがある方がほとんどではないでしょうか?住宅設計士にかかわらず、社会人として求められるスキルですが、実は報連相というものは難しいです。業務の全体の流れを把握し、どこが仕事の重要ポイントで、どこをミスしてはいけないのか、どこを確認すれば効率的なのか。これらについて、新人の頃は何も分からないため、ほとんど仕事になりません。この記事では、そんな新人住宅設計士がどのように報連相を行えば良いかを簡単にご説明いたします。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 台風 現場監理 働き方改革 資格