簡単解説!建築士、設計士、建築家の違い
正式な名称としてあるのは、建築士です。国家資格として一級建築士、二級建築士があります。そして、設計士、建築家というのは、肩書きのようなものです。
建築士は、有資格者で施主への意匠設計や建築設計を行います。
設計士というのは、建築士の資格を持ち、設計を主に担当する方のことです。
そして建築家というのは、実は資格を持っていなくても建築家と名乗ることが可能です。主に意匠、デザインを行っている方をいいます。一昔前は、資格を持っていなくてデザインの業務だけで成り立っている方もいらっしゃったようです。今では、そういったことはほとんどないようですが。
仕事の流れから見る!建築士、設計士、建築家の違い
建築家は意匠の凝った奇抜な建造物のデザインを行い、それを設計士が設計に落とし込むといったイメージです。
建築士は一般住宅の意匠設計や、ゼネコンの意匠設計を行い、それを設計士が設計に落とし込みます。
つまり、建築家というのはデザインを主に認められて仕事をしている方で、建築士というのは一般的な意匠の建造物を手がけます。建築家も設計士もたった1人で仕事を行うということは少なく、建築設計を複数人で行うことが普通です。
例えば、ゼネコンの仕事でも複数の建築士が各ユニットの意匠設計を行い、複数の設計士が設計図を書きます。
仕事内容|建築士、設計士、建築家
建築士、設計士、建築家についてそれぞれの仕事内容を具体的にみてみましょう。
・建築士:施主への提案と設計
・設計士:設計のみ
・建築家:意匠設計がメイン
となります。
■建築士:施主への提案と設計
一般住宅の建築士がイメージしやすいと思います。まずお客様と意匠設計を行います。住宅のコンセプト(暖かい、光が入る、庭でBBQをしたい、中庭を作りたいなど)を打ち合わせし、それに合わせた間取り・外観のイメージなどをすり合わせて形にしていきます。
このようにお客様との打ち合わせを行なってニーズに沿った具体的な提案をする仕事になります。小さい工務店などでは、建築士が自ら設計まで行うこともありますが、通常は設計士にその後は作業を引き継ぎます。
また、ゼネコン関係でも建築士は同じように施工主と意匠設計を行います。そして大まかなコンセプトの決定を行い、具体的な設計は複数人で行います。大規模建造物になると1人ではとても作業ができる量ではないため、チームで打ち合わせを行い設計をしていきます。
つまり、施主、施工主との打ち合わせから設計まで引き継ぎ、もしくは設計もこなす者を建築士と言います。
■設計士:設計のみ
設計士というのは、建築士などから上がってきた意匠設計に対し、それを具体的に設計図にまで落とし込む作業をする者を言います。
一般住宅の設計においては、意匠設計から行う場合もあります。このように建築士と設計士を同じ意味で用いることもあります。ただ、ゼネコンなどでは設計のみを担当する者を設計士と呼ぶことが多いです。
■建築家:意匠設計がメイン
建築家は、デザインを行う人というイメージです。建造物において、まずはデザインから入り、そこから設計、施工となりますので、一番元請けとなるのはデザインです。つまり建築家が一番権威のある人と言うこともできます。
よく有名建築家などと聞く人は、このようにデザインを主に行い、そのほかの設計業務などは設計士が行います。
まとめ
以上が建築士、設計士、建築家の違いでした。建築家は建造物のデザインを行いますが、資格がなくても建築家と名乗ることはできます。しかし、今の建築家は建造物の構造などを理解した上で、それら力学を巧妙に活用した設計などが求められているため、建築士の資格を持った上で活動している方がほとんどです。
設計士が設計のみをメインで行い、建築士は意匠設計から設計士に仕事を回すといったイメージになります。建築士、設計士というのは1人ではなく、複数で業務を行う場合もあります。建築士の資格をとって、さまざまな場面で活躍してみましょう。
※この記事はリバイバル記事です。