まったくの初心者がCADスキルを習得するための勉強法

まったくの初心者がCADスキルを習得するための勉強法

建築に携わる仕事をしているなら、身につけておくと役に立つスキルのひとつにCADスキルがあります。設計士が扱うような専門的な建築CADソフトでなくとも、汎用性のあるAutoCADや無料で建築作図に特化したJw_cadの操作ができれば、施工管理職や営業職でも業務の大きな力となり仕事の幅も広がるでしょう。また、CAD操作のレベルが上がれば、CADを専門的に扱う「CADオペレーター」として働くことも可能です。この記事では、これから建築業界で働こうと考えている方や、既に建築業界で働いている方でCADを学びたい方に向けて、CADの技術を習得のために必要な勉強法について解説しています。


建築系の専門学校でCADスキルを習得する

ひとつ目は、建築系や機械系の専門学校に通ってCADスキルを学ぶ方法です。CADの基本的な操作から応用を正確に学ぶことができます。カリキュラムが組んで専門の講師に操作を教わることで、誤った知識や手間のかかる操作を覚えることなく、卒業後にはすぐに現場で働けるスキルを得ることができます。

専門学校はほとんどが2年間の受講ですが、半年や3ヶ月といった短期間でマスターを目指すコースもあります。また、昼間にどうしても通えない方のために夜間コースもあるので、昼間は仕事で時間がとれない社会人も学ぶことが可能です。

専門学校では、CAD操作の他にも設計から製図といった建築や図面の知識を基礎から学ぶことができます。また建築以外でも、機械やデザインといったさまざまな分野で扱うCADの操作と知識も同時に学ぶことができます。他にも、CAD操作の検定試験対策といった資格取得を目指すカリキュラムもあり、試験にパスすれば卒業後の建築業界への就職も有利に働きます。

職業訓練校に通いCADスキルを習得する

全国にある職業訓練校では、就職や転職に向けて数多くの実習や訓練が用意されております。入校して建築系や機械系の職業訓練を受講すれば、実習の訓練カリキュラムの中にほとんどの訓練校でCADの授業が組まれています。それだけ建築業界や機械業界では、CADを操作できる人の需要が高いことが解ります。

訓練校によっては、CADオペレーターの専門のコースを設けている職業訓練校もあるので、職業訓練校に入校してCADの操作技術を習得するのもひとつの方法です。中には、職業訓練校から委託された外部の業者による、社会人のためのスキルアップコースなども開講されているので、募集コースや内容を職業訓練校のホームページやハローワークで確認すると良いでしょう。

職業訓練を受ける場合、ほとんどがハローワークでの申込受付となっています。もし、転職や再就職で入校を望む場合には、雇用保険の失業手当を受給しながら職業訓練校に通うことが可能です。雇用保険を活用し、職業訓練校に通う場合には待機期間を待たずに失業手当を受給できるので、生活に負担をかけずに学ぶことができます。

独学でCADスキルを習得する

パソコンの基本的な操作スキルがあるなら、CADの操作は独学でも学ぶことができます。AutoCAD をマスターしたいならソフトを購入し、Jw cadなら無料でダウンロードして自宅のパソコンにインストールすれば準備は完了。後は市販テキストなどを購入すれば、CADの操作を学ぶことが可能です。

操作の問題やCADについてわからない事があれば、CADを扱ったブログや動画投稿サイトで情報を収集します。動画などでは、CADの操作から応用の操作を紹介している動画多くあり、さらにSNSやコミュニケーションアプリ等を活用すれば問題も解決できるでしょう。

独学のメリットは、学ぶための費用を最小限に抑えられ、自分の好きな時間に学ぶ事ができる点です。しかし、正確なCADの操作や知識を学べないことや、わからない事を自分で調べなくてはならず、習得するのに時間がかかってしまう事があります。時間に余裕があり、ほとんど費用を掛けたくない人にはお勧めの勉強方法です。

通信教育講座でCADスキルを習得する

時間をなかなか取りづらい社会人の方には、自分のタイミングによって学ぶことのできる通信教育講座がおすすめです。通信教育講座のメリットは、独学よりも正確な知識が早く身につくことです。また、専門学校に通うよりも費用がかからない点もメリットです。

講座はテキストや教材DVDの他にも、専門の講師とWebを使った授業やチャットを活用した質問のやり取りも可能なので、わからない事を早く学べることができます。また、CADのスキルをどこまで伸ばすのか目標を明確に立てて、自分の目標に合った講座を選択することもできます。

CADの操作に関する試験として「CAD利用者技術試験」や 「建築CAD検定試験」などがあり、その他にもCADソフトをリリースしているメーカー独自の検定試験もあります。 時間は無いし、何からはじめていいのかまったく解らない方には通信教育講座はおすすめです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

CAD操作を学ぶ手段はたくさんあり、自分の状況や環境に合わせて選択すると良いでしょう。建築業界では、CAD操作をマスターすれば自身の業務に必ず役に立つので、自分には関係ないと考えずにぜひチャレンジしてみてください。

また、CAD操作を専門に行う人を「CADオペレーター」といいます。一部の調査では、将来AIに奪われてしまう職業と評価されていましたが、実際はCADオペレーターの需要は高く、今後も図面の作図に人が関わる限り無くなることはない職業です。

営業職やその他の業務に就きながら、CADオペレーターとして建築業務に関わることができれば、会社に貢献できる上に仕事はもっと楽しいものとなるでしょう。




※この記事はリバイバル記事です。

最新の投稿


住宅の現場監督が雨の日にやっておきたいこと【5選】

住宅の現場監督が雨の日にやっておきたいこと【5選】

住宅の新築工事では、雨が降ると工事を止めなくてはならないケースがあります。 工事を止めなくてはならないケースとはおもに外部工事になりますが、内部の工事については、屋根や防水、その他雨仕舞が終われば天候に関係なく進められます。 また、雨が降って工事が止まったとしても基本的に現場監督は休みにはなりません。 できる仕事をやる必要があり、そして日頃から忙しい現場監督にとっては滞っている業務を大きく前に進めるチャンスでもあります。 そこで本記事では、雨が降って工事が止まったときにやっておきたいことについて、とくに重要な5つをご紹介したいと思います。


現場に労働基準監督署がやってきた!役割、現場監督の気持ち

現場に労働基準監督署がやってきた!役割、現場監督の気持ち

住宅業界だけでなく、建設業界では馴染みの深い(?)労働基準監督署についてご紹介いたします。労基(ろうき)と略して言われますが、今日は労基がくるぞ!などと会社としては身構える日になります。書類関係や現場をチェックされ、違反などがあれば是正勧告などの指導が入ります。違反が重大なもので、指導に従わない場合、行政処分もあります。現場監督は問題がないように書類関係の準備や現場を普段から安全管理等しっかりと行う必要があります。


【土地家屋調査士】仕事内容や資格試験などを解説

【土地家屋調査士】仕事内容や資格試験などを解説

住宅業界には、資格を有していないとできない仕事が多くあり、「土地家屋調査士」もそのひとつとなります。 また、住宅を新築するときには、土地を購入し、そこに建物を建てて登記が行われるという大きな流れとなりますが、この間にはいくつもの法的な手続きが必要となります。 しかし、これら手続きの多くは誰にでもできるわけではありません。 なかには有資格者である専門家が行わなければならないことが定められており、そして「土地家屋調査士」でなければできないことも含まれています。 そこで本記事では、「土地家屋調査士」のおもな仕事内容や、資格試験の概要などについて解説したいと思います。


【空き家問題】リスクと活用方法とは?

【空き家問題】リスクと活用方法とは?

現在、住宅業界の課題となっていることのひとつに「空き家問題」があります。 「空き家問題」は、少子高齢化による人口減少の影響から今後もさらに深刻化することが予想されています。 また、空き家を放置することは、周辺環境の悪化などさまざまなリスクがあるため、なんらかの対策が必要です。 このような背景から空き家対策として法的な整備も進んでおり、場合によっては所有者に処分や罰則が科されるケースがあることは注意が必要となります。 しかし、空き家の所有者は、放置することのリスクに対し、どのような対応をすればよいでのしょうか? そこで本記事では、空き家を放置するリスクとおもな活用方法について解説したいと思います。


【現場監督がよく使う建設用語】斫り(はつり)とはなに?

【現場監督がよく使う建設用語】斫り(はつり)とはなに?

住宅の新築工事において実際に施工を行うのは専門業者です。 しかし、場合によっては現場監督が行うケースもあり、例えば、きわめて小規模な「斫り(はつり)作業」もそのひとつとなります。 「斫り」は、工事現場でよく使用されるワードですが、いったいどのような作業のことをいうのでしょうか? そこで本記事では、現場監督がよく使う建設用語「斫り」について、具体的にどのような作業なのか解説したいと思います。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 資格 現場監理 働き方改革 知識